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2005


 

サーバが消費する電力について考えたことがありますか?

2005 年 8 月 -- 近い将来にデビューする Niagara プロセッサは、スループットと低消費電力を極めて高い次元で両立した真に革新的な CPU です。Niagara システムによりサーバの価値が大きく変わります。

サーバ・ルームの消費電力に注目

コンピュータ・システムを維持管理していく上で、何にどの位の費用がかかっているのでしょうか?それはもちろん、個々のお客様の事情によって異なりますが、サーバの消費電力に起因する費用については、意外な盲点になってはいないでしょうか?

直接的にサーバが消費する電力の費用はもちろん、空調設備費および空調設備の運転費用、そしてそれらの電力をまかなうための電源供給設備の費用など、コンピュータ本体の価格よりもずっと多額の経費がかかっていることも珍しくありません。また、空調能力や電源供給能力の制限により、思うようなシステム増設ができない、というお客様の声もしばしば耳にします。

コンピュータを動かすためには電力が必要で、動かすことによって熱を発します。そして、発した熱で暑くなったサーバ・ルームを冷やすために、エアコンでさらに電力を消費します。お客様の財布にとっても地球環境にとっても、全く優しくないことがサーバ・ルームの中で起こっています。

これまでのコンピュータ・システムは「性能向上」を大義名分として掲げ、消費電力を抑えることについては、ほとんど何も考えていなかったと言っても過言ではありません(唯一の例外はノート PC です)。実際、性能向上の歴史は消費電力増大の歴史でもありました。

現在の最もポピュラーなプロセッサを二個搭載したサーバの消費電力は、家庭用電子レンジとほぼ同じレベルです。24 時間 365 日、サーバの台数と同じ数の電子レンジを使用していると想像して下さい。そして、それを冷やすために、さらにエアコンで電力を消費するのです。

昨今、自動車や家電製品の世界では「エコ」を指向することが当たり前になっています。燃費の良さや消費電力の低さが製品の価値に繋がっています。メーカーもユーザもその価値を理解している、ということです。一方、コンピュータの世界ではどうでしょうか?

スポーツ・カーからトラックへ

サーバの消費電力における革命的な製品が、近い将来に Sun から発表されます。もちろん、それは性能を犠牲にした妥協の産物ではありません。

サーバの中で最も電力を消費している部品は CPU です。Sun は新しい設計思想を取り入れ、絶対性能、価格性能比はもちろん、消費電力当たりの性能において、劇的に優れた CPU を開発しました。それが Niagara プロセッサです。

Niagara の設計思想を理解するためには、自動車に例えると分かりやすいでしょう。従来の CPU はスポーツ・カーであり、最大馬力や最高速の競争をしてきました。それらが従来の CPU の価値であり、その価値を向上させるために、様々な技術を投入してきたのです。最高速が高いことはスポーツ・カーとしての価値には違いありませんが、自動車の価値はそれだけではありません。何が価値になるのかは自動車の用途に大きく依存します。

もし自動車で大量の荷物を運ぶとしたら、そのために必要なのは最高速でも最大馬力でもありません。最大積載量の大きさが重要ですし、スポーツ・カーで荷物を運ぶという考え方は間違っています。スポーツ・カーを何十台も使って荷物を運ぶよりも、トラックを一台使った方が、燃費の面でも輸送効率の面でも運用性の面でも優れているのは、誰が考えても明らかなことです。

Niagara プロセッサはトラックに例えることが出来ます。ただし、Niagara を搭載したサーバはトラックのように大きな筐体ではありません。現在の Web インフラを支えるサーバとしては典型的な、1RU または 2RU の筐体を持ち、価格的にも筐体から連想される範囲を外れることはありません。

エコ・プロセッサ Niagara

Niagara は CPU において消費電力を増大させる要素(動作周波数、トランジスタ数)を排除し、シングル・スレッドの実行速度を追求しない代わりに、CPU コアを単純化し集積し、コア内で複数のスレッドを同時実行可能としました。その結果、合計 32 のスレッドを同時に実行することが可能となり、Web 環境のような多数のスレッドが存在している環境においては、驚異的な性能を従来よりも低い消費電力で実現できます。

Niagara プロセッサは動作周波数を意識的に抑えていますから、最高速はスポーツ・カーに及びません。つまり、円周率を素早く何億桁も計算するような処理は苦手です。しかし、32 個のスレッドを同時に処理できますから(つまり最大積載能力が高い)、大量の荷物を運ぶことは得意中の得意です。Web に対する膨大な数のアクセスを効率よく処理するような場面において、Niagara はその特長を 100% 発揮できるでしょう。

現在、開発の最終段階にある Niagara サーバのベンチマーク結果に基づき、最も広く使われている最新の CPU を搭載した何十台ものサーバを、Niagara サーバで置き換えることを試算してみると、CPU の数で数分の一、消費電力はさらにそれ以下で済む、という結果になりました。(*1) 劇的な改善が見込めるわけですが、スポーツ・カーで荷物を運んでいたのを、トラックを使用することにするのなら、この程度の改善は当然とも言えます。

Niagara プロセッサは、従来型プロセッサの性能向上モデルでも省電力モデルでもありません。アプリケーションの互換性は維持しつつ、「スポーツ・カーからトラックへ」という価値観の変更を促す、新世代のエコ・プロセッサと言うことが出来ます。

古典的な価値観から脱却し、サーバの用途に適した設計のプロセッサを採用することで、性能と消費電力の両面において劇的な改善をもたらすだけではなく、地球環境に優しいシステムを提供することが可能となります。

Sun はエコ・プロセッサ Niagara により、新しいサーバの基準を打ち立てようとしています。

  1. アプリケーション特性によって異なります。また、Niagara サーバの正式発表時には詳細なベンチマーク・データを公表予定です。

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