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| Japan Worldwide |
読者の皆さんは、サン・マイクロシステムズのWebや製品パッケージのデザインに最近よく使われている"S"字型のゆるやかなカーブには、"Share"(=共有)という意味が込められていることをご存知だろうか?そして、最近サンが、"Participation Age"(=参加の時代)というスローガンをしきりにアピールしていることにお気づきの方も多いだろう。
サンは、自社が開発した様々なイノベーション、例えば、NFSから始まり、JavaやSolarisそしてSPARCのテクノロジーをオープンにして、業界全体での共有化を推し進め、世界中の技術者にオープン・ソースコミュニティへの参加を呼びかけていることは、サンを長年ご愛顧いただいている方々はよくご存知のことと思う。 さて、サンは、このように事業者として"共有"と"参加"を推し進める一方で、社員に対しても地球上の様々な問題への意識を"共有"し、そして問題解決のためにできることへの"参加"を強く呼びかけている。 のっけから、ちょっと堅い話で始まってしまったが、今回は、技術的な話題からちょっと離れて、毎年4月に世界規模で開催されるボランティア・イベント、"Sunワールドワイド・ボランティア・ウィーク"の紹介を通じて、サンのもうひとつの"知られざる顔"を知っていただこうと思う。 サンの社会貢献の特徴 企業の社会貢献活動は、会社の予算を使って、寄付や様々な支援活動が行われることが一般的である。もちろん、サン自身も企業として、これまで世界中の大災害や事故に対して救援活動や寄付などを行っているが、そうした活動と並行して、会社のトップから全世界のサン社員に対して被災地への奉仕や義捐金の寄付を呼びかけることが、サンにおいては半ば習慣化している。また、社員が慈善団体に寄付を行うと、サン自身も"サン・マイクロシステムズ基金"を通じて、同額の金額の寄付を対象団体に対して行うという、"マッチング・ギフト・プログラム"と呼ばれる、ボランティア奨励制度が存在する。
例えば2004年の年末に起きたスマトラ島沖地震による大津波は、今でもまだ人々の記憶に新しいが、この災害の発生後、すぐに世界中の全社員に緊急メールが流れ、救援活動のためにレッドクロス(赤十字社)への寄付の呼びかけが行われた。 そして年が明けると、サンのホームページ(sun.com)のトップバナーには、"スマトラ島沖地震災害援助のお願い"が表示された。(ちなみに、サンの新年のホームページは年の初めにふさわしい明るいトピックスで飾るのが毎年恒例である。)これを受けて日本のjp.sun.comサイトのトップページでも日本赤十字社のページへの誘導を行った。企業サイトのトップページの全面を使って、災害援助を呼びかけるなどという話は他ではあまり聞かないのではないだろうか。 ここまで読まれた方の中には、『会社が、直接、団体に寄付すればいいだけのことじゃない?なぜ社員やサンのホームページを見に来た人にも協力しろなんていうの?』、という疑問が生じる人が当然いることだろう。 その理由は、サンでは、その社会貢献活動の形にも、"共有"と"参加"の思想、つまり、 『会社と、社員、そしてサンとつながりのある人達すべてが一丸となって、共に不幸な人々の痛みを分かち合い、支援していこう』というコンセプトが込められているからである。 日本のサン・ボランティア・チーム サン・ボランティア・グループは、サンが世界的に組織している、社員による社会奉仕活動チームである。年間を通じて実に様々なアクティビティを行っている。日本のサンでは、2001年にボランティア・グループが設立され、サン本社が所在する東京都世田谷区を中心に、支社やその他のオフィスが所在する横浜、大阪などでも各種の奉仕活動を展開中である。 サン・ボランティア・グループの活動は、多岐にわたる。 例えば、『東北沢つどいの家』や『青鳥養護学校』、『東京育成園』といった福祉施設のイベントやリクリエーションの企画や実行にボランティア要員を派遣したり、 企業で活躍するJavaエンジニアと障害者の自立支援組織『東京コロニー』の協力のもとに障害者の方を対象にしたJava講習会を開催したり、また、日本国内での地震や災害の被災者支援のためのチャリティ活動も実施している。 サンと、こどもたちとの出会い
サンが支援する福祉団体の1つ、社会福祉法人『東京育成園』は、様々な事情で両親と暮らすことができない子供たちのための私設の養護施設で、主に国の補助と寄付によって運営されている。 3年前、サン・ボランティアチームのスタッフがサン本社がある東京都世田谷区のボランティア協会から紹介されたのがきっかけで、同園との交流が始まった。同チームは同園の子供たちのために、年間を通してホームページ作成教室やリクリエーション、学習ボランティアや英語教室など、積極的な交流活動を行っている。 この東京育成園だが、ここに来て建物の老朽化がひどくなっており、国や自治体の施設ではないゆえに、改築費用の不足に悩まされている。そこで、ボランティア・チームからサン社員への働きかけによって、"ワールドワイド・ボランティア・ウィーク(後述)"を通じて、全社規模で同園の改築資金集めのための活動が始まったのである。 その第一歩として、2005年4月のある週末に、"ウォーカソン"というアウトドア行事が実施された。サンの本社がある世田谷・用賀から東京育成園までの5kmを歩いて、到着後は園児たちといろいろなリクリエーションをして遊ぶという、ウォーキングラリーである。サンの社内外からラリー参加者を募り、その参加者は、ラリーには参加できない同僚に"スポンサー(支援者)"になってもらって寄付を募るという、"楽しく余暇をすごして社会貢献もできる"というレジャー性の高いユニークな催しに、ラリー、募金あわせて200名以上の社員が参加した。 一方、社員やその家族が、ケーキやクッキーなどのお菓子を手作りして会社に持ち寄り、会議室の1つを販売会場として、社員がこれを購入するという、"Bake Sale"(ベーク・セール)というイベントは、普段は仕事でのつながりがない社員同士が交流する好機となった。
Sunワールドワイド・ボランティア・ウィーク2006
年に1回4月に世界同時に実施される、『Sunワールドワイド・ボランティア・ウィーク(以下WWVW)』では、サン・ボランティア・グループの呼びかけに応じて、全世界のサンの社員やその家族が中心となって、それぞれの国々・地域でボランティア活動を行うイベントである。 サン社員だけではなく、その家族や友人や関連企業の社員、元サン社員、サンのお客様、パートナー企業の方々にもご一緒に参加していただき、職場を離れたコミュニケー ションの場であるとされている。 2006年のWWVWは4月22日の週に設定され、(WWVWの日程は世界共通である。)米国本社からは、社員のボランティアの合計参加時間が最多の国には、希望する団体に対して会社が1,000ドルを寄付する、というコンペの実施がアナウンスされた。 日本ボランティア・チームは、ちょうど偶然、同じ週に世田谷区ボランティア協会が開催するチャリティバザーがあることを知って、今年の活動を、"バザー"に決定した。 前年のウォーカソンに比べると、かなり地味ではあるが、バザーは、東京育成園の改築資金を原資ゼロで確実に調達する絶好のチャンスであり、同時に各家庭に使われずに眠っているモノたちのリサイクルができる催しである。サンは、最近、"Eco-Responsibility"(=エコ・レスポンシビリティ:環境に対する配慮責任)を大々的に宣言したばかりであるから、バザーへの出店は、人助けのみならず、"エコ"活動もできて一石二鳥である。 ところで、『サンのグッズを販売してその収益金を寄付してはどうですか?』という意見が時々社内からもあがるし、サンのファンの皆さんからも『サンのグッズ売ってください!』(例えば例のDukeマウスなど・・・)という有難いご要望をいただくことがある。が、しかし残念ながら、社内の規定で、無償配布の目的で制作されたサンのグッズはいかなる理由であっても、転売することは出来ない。社内からの献品の中にはサン・グッズも含まれていたが、スタッフは泣く泣く販売対象から除外せざるを得なかった。 よい機会なので、サンのイベントでもらったグッズを翌日にはもうヤフオクに出品している方々に、是非お願いしたいことがある。『あなたが得た売上金のほんの一部でいいですから、ぜひとも困っている人のために役立ててください。』 サン商店、怒涛の一日
WWVWは会社主催のイベントとはいえ、所詮ボランティアである。ボランティア・チームのメンバーは日常の業務をこなしながら、社内にポスターを貼ったり、社員からバザーに出品する不用品を回収して仕分けしたり、会場に設営するテントの借り入れなど、あわただしく奔走した。 サン・ボランティア・チームは会社のオフィシャルな組織であるとはいえ、どんなに素晴らしい働きをしても、当然ながら、会社からも何の見返りも褒美もない。人一倍の体力と慈愛の心がなくてはこんな大変な役が務まるものではない。(聞くところによると、ボランティア・チームに所属する人は、日ごろから仕事での評判も良いという。人間が出来ているだけでなく、企業人としても”デキル”人達なのだ。) そして、4月23日の日曜日、"コミュニケーションバザー"の日を迎えた。朝から、いまにも雨が降り出しそうな空模様の中、ボランティア・メンバーのほか、売り子の役を買って出た社員やその家族が世田谷・千歳烏山の区民センターの広場に続々と集まってきた。 福祉団体や障害者施設など約30の参加団体に混じって、サンだけが異例の一般企業からの参加である。サンを退職した元社員も情報を聞きつけて会場に駆けつけた。(蛇足だが、その元社員の転職先の某IT企業では、社員の社会貢献度が個人の成績評価の一部となり、ボランティアもれっきとした業務の一環だとのこと。立派な会社である。) 周囲の雰囲気に比べて、どうみても場違いな感じのサンのブース。(サンのセミナーではお馴染みの青紫のサンロゴのフラッグがかなり目立っていた。)しかし、そのミスマッチな雰囲気が逆に人々の興味をひいたのか、開店前から、地元住民とおぼしき人々がサン・ブースにわらわらと集まってきて、あっという間に黒山の人だかりとなり、物色を始めた。 そして、主催本部の開会の号令を合図に、"サン商店の出血大バーゲンセール"がスタートした。 オバチャンたちが、押し合いへし合いながら、お目当ての品を奪い合うようにして、どんどん買っていく。 30団体の中でも、とりわけサンのブースは始終、異常なほどの人気である。値段のつけ方が上手かった(いや、下手だった?!)のだろうか。人が人を呼んで、おもちゃ、衣類、食器、アクセサリーなど、ありとあらゆる物品が面白いように売れていった。にわか仕立ての"販売員"達は不慣れな仕事に戸惑った。しかし、慣れる間もなく、午後2時を過ぎたころには、店に並べるものがすっかりなくなってしまい、閉会の合図を待たずに、そそくさと店が閉められてしまった。
コミュニケーション・バザーは盛況のうちに閉幕し、サン・スタッフ一同は、最後に他の福祉団体のテントの撤収を手伝いを終えて、全員、心地よい疲れを感じながら満足げな表情で会場を後にした。収益金は、しめて49,855円。翌日に東京育成園に贈られた。わずか5万円はいえ、しかし、価値ある5万円だ。サン・ブースで買い物をしてくださった地域住民の皆さんに(おそらくこれを読んでいる人はいないと思うが)この場を借りて、感謝したい。 このイベント会場に来た庶民のほとんどは、おおよそITの世界とは縁のない人々である。サンという会社名も聞いたことがないだろう。しかし、中には、『サンって知ってるよ。おれStarSuite使ってるよ。がんばれよー!』と声をかけてくれた人があった。うれしい激励だ。『サンってジャバとかいうのを売ってる会社でしょ?』と聞く人がいて、社員がリアクションに困る場面もあった。サンには、一般コンシューマを対象とした製品がほとんどないので、庶民が知らないのも仕方がない。それでも、スタッフたちにとっては、このバザーへの出店は、地元住民にサンという名前を知ってもらい、また地域社会における自分の会社の立ち位置を知ることのできる貴重な機会であった。 オープンであり続けること、共有すること、みんなで参加すること しつこいようだが、『オープン、共有、参加』 -それがサンの創業以来の一貫した理念だ。 サンの独特な社会貢献活動のかたちも、この理念に基づいて根付いた、"サン・カルチャー"のひとつである。 サンは、人間でいえば24歳。企業としてはまだまだ成熟しきっていない発展途中の"若造"であるが、このカルチャーこそ、サンの成長の原動力なのだ。 サンの社会貢献活動の大きな特徴は、サン社員のみならず、サンのユーザ、パートナー、そしてその家族や知人すべてにこの活動の場が提供されていることである。米国のサン本社では、サン社外の人の参加の輪が拡がっているが、残念ながら日本はまだまだ認知度が不足しており、サンの活動に社外の人が参加するには敷居が高いようだ。 そこで、来年のWWVWでは、『Sun & Users』編集部からボランティアチームに対して、サンとユーザとが一体となって協力できるアクティビティの企画を働きかけ、『Sun & Users』読者の皆さんにも参加を呼びかけたいと考えている。 ぜひともサンのボランティア・コミュニティの今後にご注目いただきたい。
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