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筑波大学
快適なつくばエクスプレス 筑波大学に出かけるとなれば、夏に開業1周年を迎えるつくばエクスプレスに乗ってみたいもの。全線を通して乗るのは初めてであったが、さすがに最新式の鉄道だけあって、揺れが少ない非常に快適な乗り心地であった。思わずうつらうつらとしていると、あっという間につくば駅に到着。駅前には真新しい商業ビルなどが建ち並び、いかにも人工的に作られた街という無機質な趣。ところが、タクシーに乗って学内に入っていくと、雑木林や野っ原の間にポツンポツンと校舎が建ち、まるで欧米の郊外の大学のよう。筑波大学も設立されてから既に30年以上になるそうだが、これまでにも増して学習・研究に魅力的な場となっているように感じられた。
OpenSolarisの概要 オープンカレッジは、樋口貴章氏によるOpenSolarisの紹介から始まった。この内容は東大で行われたオープンカレッジでの内容と同じだそうなので省略する。 Dtraceの紹介 続いてはサンのエンジニア、野崎宏明による「システムのパフォーマンスチューニング:Dtrace」と題する、Dtraceの紹介。Solarisを含むUNIXでのデバッグにおけるこれまでの問題点を列挙し、それらを解決するものとしてDtraceの機能と特徴が紹介された。すなわち、以下のような点である。
さらに、Dtraceの仕組みや、具体的なコマンドの説明の後に、Dtraceの機能だけでシステムコールに要した時間をグラフ化して表示するデモが行われて、Dtraceの実用性が強調された。 一般も参加できるオープンカレッジとはいえ、参加者の大部分はやはり学内でコンピュータサイエンスに関わっている方々だけあり、Dtraceの強力な機能に興味をそそられたようである。講演後の質疑応答では、具体的な使い方に対する質問がいくつも出ていた。さっそく試してみられただろうか。 コンテナ機能の紹介
学生だけでなく
研究・教育関係の方も数多く参加 午前中最後のセッションは、サンのエバンジェリスト、川井聡による「Solaris 10コンテナ」と題するもの。仮想化技術が着目されている背景の説明から始まり、Solarisコンテナの特徴が解説された。現在実用化されている仮想化の方式には、Starfireなどに搭載されたハードウェア自体に仮想化機能を持たせるもの(パーティショニング)、VMwareなどのように仮想マシンを実現するソフトウェアの下でいくつものOSを実行するもの、そして1つのOSがアプリケーションに対する複数のオペレーティング環境を提供するものがある。Solarisコンテナは最後の仮想オペレーティング環境を提供するものであり、次のような特徴を持っている。
講演では、ゾーンをいくつか作成した上で、CPUリソースをゾーンに割り当てたり、それを別のゾーンに移動した場合の挙動などのデモが行われた。いくつものゾーンを起動した際に、OS本体となるグローバルゾーンにおけるプロセスやリソースの見え方と、各ゾーンにおける見え方の違いが参加者の興味をひいたらしく、技術的にかなり突っ込んだ内容の質疑応答が行われたのが印象に残っている。 Niagaraの特徴
サン提供の"オープン"ランチ。
若いだけあって食欲もりもり! 立食パーティ形式のランチと、SDCの紹介が行われた後に、午後のセッションがスタート。サンのプロダクトマーケティング、野瀬昭良による「ネットワーク指向高スループット・省電力プロセッサ UltraSPARC T1」と題する、今回は唯一のハードウェアに関する講演である。T1プロセッサ(コード名Niagara)は、1つのチップに8つのプロセッサコアを搭載し、各コアが同時に4スレッドを実行できる(合計32スレッド)という、並列度を高めたプロセッサである。 講演では、このプロセッサの特徴として、決して早いプロセッサではないため、浮動小数点演算を多用していたり、分散処理を行っていないバッチ型のアプリケーションには向かないが、Webアプリケーションなどトランザクション指向のものでは「トラック並みの」効率化を実現するであろうことや、低消費電力であるためサーバルーム全体でたくさんの筐体を設置できることなどが説明された。 今までのプロセッサは速さを競ういわばスポーツカーばかりであったのに対して、T1プロセッサはトラックであるという例えは大変にわかりやすく、また面白いものであった。質疑応答では「じゃぁ、導入台数を減らしても大丈夫ですね?」なんていう質問も飛び出し、雰囲気も実に和やかになったのは、野瀬のユーモラスな人柄のせいもあろうか。 StarSuite8の紹介 午後の後半は、StarSuite関連の講演と、Install Festaの2トラック同時進行である。まず講演のもようからレポートしよう。 1つ目は、サンのStarSuite製品担当、石村直之による「StarSuite 8概要」。参加者にはインプレスから出版された「できる スタースイート8」が配布されたため、具体的な操作や入手方法はなく、OpenOffice.orgとの相違やロードマップの説明などが主な内容であった。多くの人が気になるであろう、OpenOffice.orgとの関係であるが、OpenOfficeとSutaSuite(欧米ではStarOffice)のソースツリーは1本であり、SunのStarSuite担当者はOpenOffice.orgにも100%コミットしていることが説明された。その上で、OpenOfficeからの主な相違点は次の通りである。
今後のロードマップでは、ユーザ教育コストを低減するためにも、さらにMicrosoft Officeとの互換性を重視することが示された。参加者も、日々使うツールであるだけに、大変に興味深く講演を聞いていたようである。 StarSuite8のプログラミング機能 続いて、同じく担当の石村によって、「StarSuiteプログラミング」というタイトルで、日頃あまり大きく取りあげられることが無いプログラミング機能が紹介された。StarSuite(ならびにOpenOffice.org)では、StarSuite Basic、JavaScript、BeansShellが使えることはかなり広く知られており、それらを使ってシステム開発を行った事例も増えているそうである。 さらに、この講演では、StarSuite自体を組み上げるために使われているコンポーネント技術であるUNO(Universal Netword Object)という分散オブジェクト技術の概要が紹介された。OpenOffice.orgという極めて大規模なアプリケーションのために開発されたものであるが、結果的にMicrosoftのCOMに匹敵するボリュームになっており、C++、Java、Pythonからは全ての機能が利用できるようになっている。コンポーネントへのアクセスだけであれば、前述のスクリプト言語だけでなく、OLEやCLI(.NET)からの利用も可能である。 専門家が多いこともあって、質疑応答では具体的な低レベルなプロトコルや、分散オブジェクトの指定方法といった技術的に深いものが相次いだのが印象的であった。オープンソースで利用できる、No1のコンポーネント技術であり、OpenOfficeからの利用に限らず、もっと広く広報して利用を促していくとよいように感じられた。 Solaris10 Install Festa
サンのインストラクタと共に、真剣にインストールに取り組む参加者
さて、StarOfficeに関する講演に平行して、別の教室ではSolaris 10 Install Festaが行われた。これまでに東京や大阪で開催されたものと同様に、参加者にノートパソコンを持ち込んで貰い、その上にSolaris 10をインストールしようというものだ。 大学での開催であり、研究室に転がっていたものを担いできたのか、デスクトップマシンが多かったのが特徴的であった。その割には(?)新しいマシンが多かったようで、インストール自体に失敗したマシンは無かったが、チップセットに内蔵のNICの認識がうまくいかないマシンが何台かあったようだ。とはいえ、InstallFestaも回を重ねており、世話役を務めてくれるサンのエンジニアもかなりのノウハウを貯め込んでおられるようだ。配布された資料「Solaris 10 インストール虎の巻」は、80ページ超の大作。参考になる情報が満載であった。 さて、丸1日の盛りだくさんなオープンセミナーであったため、駆け足でのレポートとなってしまった。全ての講演でも強調されていたのだが、これらの内容にはSDCのポータルサイトに掲載されているものも数多い。しばらくサイトにアクセスしていなかった方は、一度アクセスしてみるとよいだろう。 ※著者のタイトル、所属等は、執筆当時のものであり、現在と異なる場合があります。
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