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Solarisを持って街に飛び出そう(ホットスポット編)
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前回と前々回では、Solarisをダイヤルアップで使用する方法と、ネットワークの切替えを簡単にするツール「inetmenu」をご紹介しました。今回はAirH”やPacketWINなどのダイヤルアップ手段を持たない人でも、街でSolarisを使う方法を考えてみます。

昨今のノートPCでは有線LANのポートは標準で用意されているというより、既にGigabit Ethernetが搭載されるようになってきました。そのため、出張先や宿泊先のホテルで有線LANが用意されていたりした場合、家や会社で使用しているのと同じようにインターネットが利用できます。便利な世の中になってきたものです。

最近は公衆無線LANのホットスポット(例えば、Yahooが提供している「Yahoo無線LANスポット」(全国のマクドナルドやJRの駅構内(JR東海を除く)、ホテルなど)なども提供されるようになり、ホテルや出張先だけではなくダイヤルアップ環境も持たなくても気軽にどこでもインターネット接続ができるようになりました。

では、Solarisでも同じようなことができないものでしょうか。

実はSolarisでもwifiインターフェースは利用することができます。まだまだWindowsのように多くのインターフェースをサポートしている訳ではありません。しかし、メジャーなデバイスについてはOpenSolarisコミュニティでどんどんドライバが作られていますので、マイナーなデバイスや最新のデバイス(Intel 3945ABGのような)以外であれば、比較的容易にwifiインターフェースを使用することが可能です。

現在OpenSolarisコミュニティによりサポートされているwifiデバイスとしては、以下のものが存在します。

サポートされているwifiデバイス一覧
デバイス
対応チップセットなど
速度
使用ノートPCなど
ath
Wireless Driver for the Atheros 52xx Chipset
11/54M
ThinkPad X40,T40など
ipw
Wireless Driver for the Intel Pro/
Wireless 2100 Chipset
11M
ThinkPad R40,
T40~T42,
X31,X40など
iwi
Wireless Driver for the Intel Pro/
Wireless 2200BG/2915ABG Chipsets
11/54M
ThinkPad X32,
X41,T42,T43
R52,Z60mなど
pcwl
Wireless Driver for Agere 11b and PrismII 11b Chipsets
11M
ThinkPad S30など
pca
Wireless Driver for Cisco Aironet 340/350
11M
古い11bの
PCMCIAカード
ral
Wireless Driver for RaLink RT2500 Chipset
11M
古い11bの
PCMCIAカード
rtw
Wireless Driver for Realtek 802.11b Chipset
11M
古い11bの
PCMCIAカード

もちろん、少し昔のwifiインターフェースであればSolaris 10にOpenSolarisのwifiドライバを入れることで無線LANを楽しめますが、今回はOpenSolarisの最新版を使用し、少し古い無線LANデバイスのpcwl(ThinkPad S30)と最新の一つ前位のath(ThinkPad X40)を使用して、街のホットスポットからインターネット接続をしてみました。

なお、最近はIntel社製品の3945ABGを使用したノートPCが最近増えてきていますが、この3945ABGについては対応しているドライバが存在しません。(iwiやipwは動作しません。)なので、3945ABGを使用しているノートPCでwifiデバイスを使用することは、残念ながら今はできません。私も手持ちのThinkPad X60では、無線LAN接続をすることができませんでした。

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必要なドライバとユーティリティを、OpenSolarisコミュニティのWireless Networking for OpenSolarisからダウンロードします。今回の場合、以下のファイルを使用しました。

今回使用したファイル

  ThinkPad S30にはpcwlのドライバ

  ThinkPad X40にはathのドライバ

  前回ご紹介したinetmenu

  Solaris 10を使用する場合はwificonfig

これで準備は完了です。

まず、無線LANデバイスを認識させるドライバを解凍し、インストールします。

例:ThinkPad S30にpcwlのドライバを入れる場合
# gzip -dc pcwl-0.1-pkg.tar.gz | tar xvf -
# pkgadd -d . SUNWpcwl

The following packages are available:
  1  SUNWpcwl     Pcwl Wireless Lan driver
                  (i386) 11.11,REV=2006.01.09.20.50

Select package(s) you wish to process (or 'all' to process
all packages). (default: all) [?,??,q]: 1

</Desktop/Driver-pkg> 中のパッケージインスタンス <SUNWpcwl> を処理中です。
		:
		中略
		:
<SUNWpcwl> のインストールに成功しました。
#

ユーティリティのinetmenuは前回ご紹介していますので、インストールしていない人はそちらを参照してインストールをしてください。

  いつでもSolaris!!/ノートPCにSolarisを  『ネットワーク切替えを簡単にしよう』

Solaris 10の場合は、ここでwificonfigユーティリティもインストールしてしまいます。OpenSolarisを使用する方は不要です。

# gzip -dc wificonfig-0.3-pkg.tar.gz | tar xvf -
# pkgadd -d . SUNWwlanu

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設定についてはwificonfigを使用してプロファイルを作成しますが、まずはinetmenuだけでも無線LANに接続することは可能ですので、設定は後回しにしてまずは自宅に無線LAN環境があるのなら、そこに接続してみましょう。

なお、自宅の無線LANのセキュリティ設定を強固にしてある場合、うまく接続できないで原因の切分けができないことがあります。可能なら余っている無線アクセスポイントを使いながら設定するとよいでしょう。

街で無線LANを使用する場合、設定されているセキュリティ関係の情報として

公衆無線LANにつなぐときに必要な設定
  • ESS-ID
  • WEPキー
ホットスポットからネットワークを使うときに必要な設定
  • ユーザアカウント
  • パスワード

などがありますが、後者は無線LANがつながった後に行うことなのでここでの説明は省略します。前者のESS-IDとWEPキー(WEPキーは使用しない公衆無線LANサービスもあります。)は公衆無線LANで利用されていますので、自宅でテスト接続する場合もその設定を行っておいてください。

BuffaloのAOSSは使用できませんので、802.11無線LANの設定を使用するようにしてください。また、MACアドレスによる接続制限や、ANY接続拒否などの設定をしてある場合も、テスト接続の前に仮に解除しておきます。

今回のテスト接続では、以下の設定を行っておきました。

ESS-ID
SunandUsers
WEPキー
Sun-and-Users

この状態で、端末エミュレータ画面からinetmenuを使用して無線LANに接続してみます。前回のinetmenuの時と異なるのは、ESS-IDを指定しているところです。

# inetmenu -W SunandUsers

デスクトップ上にネットワークインターフェースの選択ダイアログが表示されますので、無線LANインターフェースのpcwl0を選びます。

ネットワークインターフェースの選択ダイアログ

inetmenuコマンド実行時にESS-IDの入力を忘れた場合、近隣の無線アクセスポイントを自動的に検索し、見つかったアクセスポイントを表示しますので、使用するアクセスポイントを選択します。

アクセスポイントの選択

すると、WEPキーの入力ダイアログが出ますので、WEPキーを入力します。入力後に確認ダイアログが出ますので、再度WEPキーを入力します。

WEPキーの入力ダイアログ

この後、IPアドレスの設定に関するダイアログが出ます。通常アドレスは接続されるネットワークから配布されますので、DHCPを選択クリックします。

DHCPでIPアドレスが割り振られたら、Solarisで無線LANが利用できるようになります。

なお、一度inetmenuで無線LAN接続を行うと、そこで入力した内容が/etc/inet/wifiに保存されます。また入力したWEPキーも保存されますので、次回以降はネットワークインターフェースの選択後、IPアドレスの設定画面にすぐに移り、WEPキーの入力ダイアログは出なくなります。

IPアドレス設定に関するダイアログ

例:出来上がった/etc/inet/wifiの中身
{history}
SunandUsers,01:23:45:67:89:ab,wep,1169228025

{active_profile}
activep=[SunandUsers]

[SunandUsers]
essid=SunandUsers
encryption=WEP
wepkeyindex=1
bssid=01:23:45:67:89:ab

{preference}
SunandUsers

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inetmenuではGUIを使用しますが、いちいちマウスで選びながらというのは面倒なので、プロファイルを作成し接続を簡単にしてみましょう。

wificonfigは無線LAN接続関連設定や無線LANアクセスポイントのスキャン、無線LANアクセスポイントへの接続など様々な操作ができるツールです。

まずwificonfigにオプションパラメータをつけて、無線LANの接続プロファイルを作成してみましょう。公衆無線LANサービスでは先に説明した通りESS-IDとWEPキーを使用していますので、それをコマンドのオプションで指定してプロファイルを作成します。オプションの付け方は以下の通りです。


例:
# wificonfig createprofile SunandUsers essid=SunandUsers encryption=wep
wepkey1=Sun-and-Users wepkeyindex=1

これでプロファイルが作成できました。
あとはプロファイルを使用して無線LANに接続するだけです。以下のようにwificonfigコマンドにオプションパラメータを付けて実行します。


例:
# wificonfig connect SunandUsers

GUIを使うより簡単に接続できますね。

設定が正しくでき無線LANでの通信ができることが確認できたら、いざ!どこかホットスポットを提供している場所に行きましょう。そこで自分が契約している公衆無線LANに実際につながるか試してみます。驚くほど簡単に接続できてしまうと思います。

最近のホテルの有線ネットワーク環境の中には、「なぜこのポートを閉じているの?」と思えるようなセキュリティ対策をしているところも少なくありません。

特にVPN(IPSec)を使用して会社の環境に接続しているサラリーマンにとっては、VPN(IPSec)のポートを閉じられているようなホテルに当たってしまうと、インターネットにつなげることができるのに仕事ができないというとても歯がゆく不便な状態に陥ります。(日本ではVPNが使えないホテルがとても多いのですが、米国のホテルではVPNが使えないホテルはまずありません。それだけ日本のホテルのインターネット接続環境は、Webが使えるだけのような中途半端なところが多いということかもしれません。)

でも、VPNが使用できる公衆無線LANホットスポットが近くにあれば、いつでもどこでも仕事ができますね。(良いのか悪いのか。。。。)

今回はOpenSolarisを使用しましたが、動作の可否はOpenSolarisコミュニティに報告をしましょう。その報告一つ一つがこれからのSolarisの改善に役立つことでしょう。

またいつも書いていますが、新しいハードウエアにSolaris 10のインストールができましたら、是非HCL for Solaris OSに報告しましょう。これからチャレンジする人には、強い助っ人になることと思います。サーバだけではなくクライアントでもSolaris、広がるといいですね。

本記事は、サンのユーザ様自らの体験をお寄せ頂いたものであり、サン・マイクロシステムズ社としての公式情報ではありません。
※著者のタイトル、所属等は、執筆当時のものであり、現在と異なる場合があります。
また、日本サン・ユーザ・グループは2007年6月をもって休会しております。

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