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渋谷から東急田園都市線で、およそ30分。郊外の住宅街という印象の横浜市青葉台駅へ。そこからさらにバスで10分、日本体育大学(以下、日体大)・健志台キャンパスに到着した。 取材日は、青空と緑がまぶしい、GW明けの一日。 日体大は自然科学の大学
今回の取材では、教育と学内ネットワークとして使用している大学の情報システムについて、導入の中心となった二人の先生にお話を伺った。 日本体育大学 大学院 体育学研究科教授の井川 正治先生(医学博士)は、健康管理学を専門とし健康相談・栄養相談でテレビの健康番組などでコメントを求められる著名な先生だ。一方で、初期のマイコンブームのころからコンピュータを利用してきた。 『日体大は、一般には文系の大学だと思われているかもしれませんが、実際には、医学的な知識などを活用する自然科学の大学だと思います。私は、コンピュータは専門ではありませんが、研究の計測用に、まあオモチャとして、 また、計測機器用にBasicでプログラムを書いて、RS232Cで通信するなんてこともやりました。自作パソコンも作りましたし、DOS/VやFreeBSDやVine Linuxも触ってきました。 日体大で、インターネットを引いたとき、nittai.ac.jpの導入も私が担当しました。JPNICへの登録もやりましたし、建物にLANを敷設したときも、、私がイエローケーブルをこの校舎の4階まで配線しました。Solarisは、サーバをサンにしたときから使っています。』(井川先生) 佐藤 健先生(現、実践女子大)は、3月まで日体大においでになり、井川先生と共に、情報システムの構築と運営にあたってきた。 『1995年ごろに、井川先生が日体大にインターネットを開通して、そのときはサーバ2台を教員50人くらいで使っていました。2000年に私が赴任して、毎年1500人ずつ学生を登録していって、今では6000人の学生がアカウントを持っています。 ただ、6000人がいつも使うかというと、そんなことはありません。ですから、サーバの台数はそれほどは増えていません。』(佐藤先生) 多くの学生が移動するキャンパス事情 日体大は、世田谷と横浜の健志台にキャンパスを持っている。そのため、学生は、授業に合わせて2つのキャンパスを行き来することになる。また、スポーツ活動に合わせて、合宿や長期遠征も多いし。海外からの来訪者も少なくない。このような事情に合わせて、どちらのキャンパスでも同じように利用できる情報システムが求められていた。それに応えたのが、Sun Rayシンクライアントによる情報システムであった。 『日体大では、現在Sun Rayによる教育システムを2つのキャンパスに設置しており、学生と教員の全員にアカウントを与えています。学生は、どちらのキャンパスでも、自分のアカウントでログインできますし、どちらでログインしても、自分専用のデスクトップ画面が表示されます。起動すると、Java Desktop Systemが立ち上がります。これは、画面デザインがWindowsとよく似ているので、それほど混乱することなく操作しています。』(佐藤先生)
『日体大では、1998年に教育用情報システムとして、iMacを導入しました。それが、DOS/Vマシンになりました。このころから、学生一人あたり100MBのファイル容量を割り当てていました。さらに、起動時にはファイルサーバを認証に行き、そちらをホームディレクトリとして使うという、シンクライアント的な作りにしてありました。そのために、起動だけで2分ほどかかっていました。これがWindowsのアップデートのたびに遅くなっていきました(笑)。2003年から徐々にSun Rayの導入を始めました。Sun Rayだと、起動は20秒くらい。こちらの方が早く立ち上がります。』(佐藤先生) 『Sun Rayは、教育系コンピュータと教員・学生の情報インフラの端末を兼ねています。3年前に最初の10台を導入して、現在では世田谷で60台、健志台で60台を設置しています。これらは、コンピュータ・リテラシ教育で使用するほか、自由に使えるよう開放しています。ただし、学生は授業以外ではなかなか使わないというのが実状です。日体大では、自分のパソコンを持っている学生もせいぜい半分くらいだと思います。』(井川先生) 『デスクトップアプリケーションとしては、StarSuiteを使わせています。ここで大事なのは、“教育の目的が何か”ということです。高等学校とか中学校の場合、自宅にあるパソコンにも慣れなければいけないし、情報科の授業いわゆるPCリテラシもやらなければならない。しかし大学の場合は、もう高校でそのレベルはやってきていると仮定できます。だから、レポートを出すとすると、メールで出しても紙で出しても、どちらでも構わない。ようは、その中身の問題なので。Microsoft Officeでなくて、StarSuiteで全然構わないと思います。』(佐藤先生)
『大学の授業が1コマ90分です。うちの大学は、補助の人とかがいないので、1人の教員が90分面倒を見るためには、全ての環境が同じで、やれることが統一されていて、オフィスのバージョンも違わない、という条件が必要です。となると、それほどWindowsにこだわる必要はないと思います。』(井川先生) 『Sun Rayサーバとして、世田谷にSun Fire V210が3台、健志台にSun Fire V210が3台あります。これをWAN越えする設定にしてあります。世田谷のSun Rayから健志台のSun Rayサーバに接続したり、その逆もあるのですが、それほど遅くは感じません。このほかに、ネットワーク管理にSun Fire V240をとファイルサーバとしてSun Fire V440を健志台に設置しています。』(佐藤先生) 『この以外には、Desknet'sというグループウェアを大学で初めて導入しました。これは、Oracleとフロントエンド2台で動いています。Webメールとスケジュール管理・共有フォルダ・学生用のポータルといった機能を持ち、6000人以上のユーザに耐えられるというのは、これしかありませんでした。私の研究室では、私と博士課程2名・修士課程5名・4年生の学生10名の情報共有に使っています。』(井川先生) 『Sun Rayについて、細かなところでは不満もなくはありません。あえていうと、マルチメディアとプリンタの対応が弱いことです。ポストスクリプトじゃないとプリンタじゃないと、Sun Rayが思ってしまうんですよね。でも、総じて評判は悪くないです。』(佐藤先生) 『Sun Rayを本格的に導入して1年以上がたちました。大学までスポーツ一筋で、パソコンを真面目にやってこなかった人にとっては、まったく違和感がありません。学校で少し勉強した人は、若干ユーザインタフェースの違いがあるので困っているかも、という感じです。』(井川先生) システムが完全に止まることのない分散環境
『日体大の場合、研究室が学校の中で分散しているんですね。この建物だけでなく、野球場やラグビー場の横にもあったりします。そこも、学内のネットワークにつながなければいけません。そこで、このシンクライアントだけ購入して、学内のネットワークに接続すれば、DHCPにより全てのセグメントで動くようにしてあります。 アカウントを用意しておけば、ホームディレクトリができているので、あとはSun Rayにログインする。すると、そのホームにSun Rayの設定ファイルが自動的に格納されます。だから、先生が、Sun Rayを個々に数台づつ購入して接続する場合もあります。 Sun Rayのおかげで、私たちの管理能力・調査能力も格段に上がりました。Sun Rayを接続するとノードの状態が管理側で分かるので、ネットワークが生きているか分かるんですね。だから“サーバが見えなくてメールが読めない”と苦情が来ても、Sun Rayの電源を入れっぱなしにしておいてもらって、MACアドレスを追っかけていくと、“ああ、ここはちゃんとつながっているから、そちらの問題ですネ”と言えます。 日体大のシステムは、分散システムにしてあるので、全部が同時に倒れることはありません。Sun Rayサーバは、世田谷が倒れても、建志台で接続できますし、建志台が倒れても世田谷に接続するようになっています。また、認証さえできれば、ホームディレクトリがつぶれていても、インターネットだけはできるようになっています。これは結構画期的だと思います。一般的なパソコンだったらディスクがつぶれたら立ち上がってこないですし、サーバを2重にするというのもなかなか大変なことだと思います。
ウィルス対策も、いろいろと考えてあります。日体大の場合、キャンパスが2つありますし、人が動くし、スポーツ関係の外国人がしょっちゅう来るわけですよ、パソコン持って。いろんなメールがきますので、セキュリティ対策で入ってくるのをメールサーバ上で止めるのは得策ではないんですね。 だから、パソコンを使っている一般ユーザに対しては、ウィルス対策ソフトをに入れてもらって、水際で防いでもらうことにしています。 Sun Rayの場合は、基本的にDesknet'sのWebメールで読むか、Evolutionで読むかして下さい、としています。外国のスポーツ関係の人と、メールのやり取りもたくさんしますので、フィルタをあまり厳しくすることができないというのもあります。 以前に実験的にやってみたんですが、フィルタを厳しくすると中国関係のメールとか、全て排除してしまいました。そこで、フィルタはあまり厳しくせずにいます。その分、スプールを少し大きめにとって、メールがちょっと多めに来ても、管理者が不在でも、すぐにはたまらないでしょう、ってことで。実際そういう運用方式で10年持っていますし。 メールのサイズや量についても、特に制限していません。10MBくらいのメールを送りたくなっても、なんとかなります。最近は、GoogleやYahoo!とか大きなメールを送ることが可能になっています。もしも大学でできないなら、GoogleやYahoo!にしちゃえばと言われるのですが、それだと大事な情報資産を外に出してしまうことになります。だから、それと同じ程度のことは、大学としてできるようにしたいと考えました。』(佐藤先生) 限られたスタッフで効率よくシステム管理できる秘密 『ほかの多くの大学と比較すれば、限られたスタッフでとても効率よくシステムを運用できていると思います。それは、サンのシステムに統一しているおかげだと思います。 基本的には、Sun Fire V220時代のUrtra5のころから、ずーっと積み重ねてサンのシステムを使っています。OSはSolarisを選んでいますし、サーバは全てSPARCマシンを選んでいます。管理者の先生もこうして何人かいるんですけど、ものすごくSun OSやSolarisのベテランになっています。障害のときにどうするかとか、危険の分散をどうするかとか、そういう意味では意志の疎通を図れています。 メールは、このシステム、Webはこれ、というようにバラバラにしないで、根底にサンのSolarisの基盤があって、それの認証基盤をDesknet'sというWebアプリケーションが読みに行ってくれる。読みに行ったデータは、ネットアップですけどストレージの中に入る。それが倒れても、メールは読みに行ける。NFSをふんだんに使っていますので、全てのシステムが倒れることはないんですね。Desknet'sとWebシステムも別のサーバで動いています。 そういう意味では、トラブルを極力小さくして、少人数で強力に動かせる、非常に集約したシステムになっています。まあ、認証基盤が安定して、管理者2、3人で管理できていますから、これは優れものですよね。サンは、一人の管理者で600人のユーザを管理していると言っていましたが、うちは6000人をこの人数だから十分でしょう。これは、Sunのシステムでないと耐えられないと思いますし、よくぞ、こういうのを作ってくれたっていうか、売ってくれたと思います。 そして、そういうシステムを採用できたのは、UNIXの管理コンセプトと授業の運用コンセプトの両方を分かる人たちが導入を推進してきたということと、それにSolarisが耐えられたというのが大きいですね。』(佐藤先生) 日体大の今後のシステム
『日体大は、博士課程を持っています。ですから、教育として提供できるサービスのレベルとしては、最高のものを持ってないといけないでしょう、というのもあります。また、外国人の人もたくさん来ますから、多言語化にも配慮する必要があります。これは、少し早すぎたかも知れませんが。』(井川先生) 『普通の大学でしたら、Sun Rayを導入しても大丈夫だろうというところは、たくさんあると思います。あんまりEラーニングはしませんし、プログラミングするわけでもないし、レポートも紙で出すし、インターネットを見るだけだし。学生が学習や授業で使うぶんには、Sun Rayで全然問題ないと思うんですね。 ただ、多くの大学ではどうしてもいろいろ欲張っちゃうんですね。家庭のパソコンでは音楽もムービーも鑑賞できるんだから学校も同一レベルにしたい・・、とか。そこのバランスをどう取るかが、今後は大事だと思います。』(佐藤先生) 『中高の現場で、デジタルカメラとかビデオに最初に手を出したのは、体育の教員なんです。理科や社会の先生よりも。写真撮影係というと体育の先生の仕事だったので。だから、マルチメディア化がいち早く進んだ世代なんですね。スポーツ競技の記録などもあります。コンピュータが好きじゃないんだけれど、ずいぶん恩恵にあずかっている、そういう人たちが学んでいる大学なんですね。完全に理系ではないと思いますが、ある程度コンピュータに支えられて生活してきている世代ですね。 スポーツができる人は、学習能力が高いですよね。コンピュータは、主に画面に情報を表示して、ユーザはそれを目で追っていきますよね。だから、うちの学生は、コンピュータを使いこなすスキルについては適性が高いと思います。Sun Rayのような、見慣れないシステムにも慣れることができますし、慣れる機会を与えられると思います。 日体大の情報システムでの経験が、学生の進路なんかにも、いい影響を与えられればいいなと思います。』(井川先生) 担当営業コメント:
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