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以前、Sun Fun Timesの人気コーナー『あまのじゃくな開拓者たち』で、小さいデバイスの開発が大好きだというヴィプル・グプタというサン・ラボのエンジニアのエピソード記事の中で、彼が開発中の無線センサーネットワークデバイス、“Sun SPOT”をご紹介した。 そのSun SPOTがついに開発を完了して量産化体制に入り、正式製品版がお目見えした。テレビも車もないという辺境の村から出てきた青年がサンの研究室で追いかけつづけた『夢』がとうとう実を結んだのである。 Sun SPOTはすでに米国内では個人向けに販売が開始されており(550ドル)、世界中の教育・研究機関に対する特別価格での試験販売も始まった。日本でも『早く欲しい』、『いつ買えるようになるのか?』といった声が聞かれていたが、日本では電波法などの固有の問題があり、紆余曲折を経てようやく国内販売の準備が整った次第だ。 ![]() といっても、まずは学校や研究機関向けの限定販売からだが、さっそく大きな反響を呼び、たくさんの引き合いや問い合わせが来ている。教育研究機関向けの開発キットは1キット39,000円、クラスルームパック(15キット入り)で462,000円とのことだ。(いずれも税別価格) まずは、学校の先生や学生達のロボット実験やプログラミング学習用途として使い倒していただき、限りない可能性を秘めるSun SPOTの応用分野についてのアイデアが集まれば、近い将来、各種の産業への採用が行われていくことが期待されている。 Sun SPOTの、“SPOT”とは、Sun Small Programmable Object Technology(サン・スモール・プログラマブル・オブジェクト・テクノロジー)の略で、CPU上で直接実行できるJavaベースのセンサー・アプリケーションを構築するための技術として開発された無線センサーネットワークデバイスである。 Sun SPOT上部の汎用センサーボードには、加速度、温度、照度センサーと8個の3色LEDが搭載されており、簡単なJavaプログラミングを行うことによって、加速度や温度の変化でLEDの色を変えたり、センサーが感知したデータを無線ネットワーク経由でリアルタイムにパソコンへ送ったりすることが可能である。 さらに、入出力ポートを利用すれば、外部のセンサーやスピーカなどの機器を無線ネットワークに簡単に参加させることもできる。 NetBeans等を使えば非常に簡単に組み込みデバイス向けのプログラミングであることを意識することなく、プログラムの開発や配備を行える。 ![]() Sun SPOTで
オモチャの車を操作するデモ NetBeansはJavaプログラミングが初めての人にも敷居が低くしかも無料という、学校にとっては非常に嬉しいIDE環境であり、まさに今、Javaプログラミングを学習中の学生にとっては、Sun SPOTを使った実験はプログラムの動きが物理的に目で見てわかるので、楽しく興味深く学ぶことができるといえよう。 Sun SPOTを使うと、いろいろなモノの状態を遠隔から観測したり、監視することが出来るようになる。 こうした無線センサーデバイスは、メモリ容量、計算処理能力、電力供給に制約があり、敵対的、または危険な環境では、完全無人で運用するケースも想定されることから、オーバーヘッドを極力まで小さくしながら、なおかつ強力なセキュリティを確保することが求められる。 Sun SPOTには、このような小さなデバイスにECC(楕円曲線暗号)技術が実装されており、セキュリティ面でもよく考慮して設計されているので、軍用などでの利用も想定されている。 また、プログラムの配置、デバッグ、実行の作業は全て無線で行えるのもSun SPOTの魅力の1つである。 ![]() ウェアラブルな
デバイスコントローラとしても すでにデバイスに組み込まれたプログラムの更新や入れ替えも無線で行えるということは、危険な箇所や地底・高所など簡単に取り外しにくい場所に設置したSun SPOTもわざわざ人の手で回収することなくアップデートが出来るということだ。 去年の秋に東京で開催されたSun Tech Daysでは、プレゼンターが手にSun SPOTが搭載されたグローブをはめ、パソコンのデスクトップ画面を手の動きだけで自由自在に操作するという、まるでSF映画の世界のような面白いことをやって見せ、聴衆の拍手喝采を得ていた。 Sun SPOTとロボット工学との組み合わせによって産業用の制御機器や医療機器、またゲーム・ホビー分野での応用など、様々な近未来的な楽しい妄想が膨らむ。 Sun SPOTのオフィシャルぺージの中に、様々なユーザのSun SPOTを使ったアイデアや実験を行う様子をYouTubeやFlickrにアップしたものを集めたサイトがある。 真面目な映像が多いが、例えば、本物のカボチャに簡易なロボット装置を埋め込み、Sun SPOTでカボチャの目を動かしたり、人に持ち上げられたカボチャが叫んだり笑うといった楽しいものもあるのでぜひ見て頂きたい。 『人が想像できることは全て実現可能である』という名言があるが、まさにバーチャルな世界が、いよいよリアリティに近づいている。
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