Skip to Content Java Solaris コミュニティ パートナー 開発者 マイ・アカウント ご購入について (0120-33-9096) Japan Worldwide

Feed Feed RSS 1.0 Feed RSS 2.0 Feed ATOM 1.0
データセンター統合は難しくない ~データセンターの電源、冷却、配線の常識を覆す手法とは~
  前号へ     次号へ  

サンは、最近、カリフォルニア各地に散在していた152のデータセンターを、サンタクララの14の新しいデータセンターに集約した。これで不動産は88%削減され、全体の消費電力も60%削減された。光熱費は最初の9ヵ月間で860,000ドル(約9,000万円)以上削減されたことになる。しかも、コンピューティング能力は450%向上し、ストレージ容量は244%増加している。

現代のほとんどのデータセンターが共通して抱える悩み(冷却、電力、配線)の問題を全て解決しながら、どのようにそうした大胆かつ効率的な統合を果たすことができたのか?今回は、このプロジェクトを成功させた、サンのグローバル・ラボ&データセンター設計サービス(GDS)担当ディレクター、ディーン・ネルソンにスポットを当てる。

データセンターを運用管理している方には、ぜひ参考にしていただきたい。

ディーン・ネルソン(Dean Nelson)は、世界各国に存在するサンのデータセンターやラボの統合を担当するチームのリーダーとして7人のメンバーを統率し、数百万ドル規模のコスト削減を達成している。

サンタクララのデータセンター
サンタクララのデータセンター

「データセンターの統合といっても、別に難しいことじゃないよ。」とネルソンは言う。

彼のチームでは、1つのシンプルな考え方に基づいて“ベスト・オブ・ブリード”な製品を組み合わせることで、多額のコスト削減ばかりか、新しいデータセンターはさらにサンのビジネスのフットワークを軽くすることに成功した。

さらに、その経験を生かして、サンのお客様がそれを実現するにはどうすればよいか?といったノウハウもお客様にアドバイスしている。

ネルソンは、「サン自体がソリューションの一部でなければならない」、と指摘する。サンもまた、問題を生み出す企業の1つだからだ。つまり、自分達の中で発生した問題を解決し、その成功手法や実証体験をソリューションとして、お客様に伝えていくのだ。

これまでの電源、冷却、配線についての考え方では、もう対応できない!

さて、最近の企業向けのサーバは従来にもまして省スペース化とエネルギー効率が向上し、データセンターの運用におけるスペースと消費電力の問題については対策が進んでいる。しかし高密度な設計であるため、発熱を抑えることが次第に難しくなっている。

「1ワットあたりのコンピューティング能力は向上しているけど、同時にラック1台あたりの発熱量も大きくなっているし、その発熱量は増加する一方だよ」とネルソンは言う。

「だから、実を言うとぼくたちは発熱を増やす原因となっている製品を作っていることになるんだ。サンのデータセンターでこの発熱対策ができなければ、お客様だってこの問題を解決できるはずがないよね?」

サンが製造中あるいは開発中の製品を一目見て、ネルソンは、これまでのデータセンターの設計方法ではもはや時代遅れであることに気付いた。

「これまでの電源、冷却、配線についての考え方では、もう対応できなくなっているんだ。上げ床とか強制換気といった方法では、適切な冷却はできない。負荷がどんどん高くなっていて、ラックあたりの発熱量は4キロワット、8キロワット、10キロワットと増え続けている。だから従来のやり方では、冷やさなければならないところを冷やす、ということは到底できない。」ネルソンはそう語る。

「空気は排気口から出て行くけど、このラックは2キロワット、むこうのラックは4キロワット、などと指定することはできないから、データセンターのそこらじゅうに高温の場所ができてしまうんだ。」

問題はそれだけではない。データセンター全体の配線を変更せずに、適切なラックに適切な電力量を供給するにはどうすればよいのか。しかも、そのケーブルを全てまとめるにはどうすればよいのか。サーバ、スイッチ、ストレージなどのシステムをつなぐケーブルは数千本にも上る。

「この問題の答えは1つじゃない」とネルソンは言う。「でも、アプローチは1つだ。」

その方法とは、『モジュラー方式』である。
「別に難しいことじゃない。」ネルソンいわく、驚くにはあたらないが、よく考え抜かれた実用的な方法だという。

彼のチームがたどり着いた基本のビルディング・ブロック(管理単位)は、“ポッド(Pod)”と呼ばれる。

これは、部屋の中に、もう1つの部屋があるようなものだと思えばよい。

『モジュラー方式』
『モジュラー方式』

「3,000平方フィート(約278平方メートル,84坪)のスペースにおよそ6つのポッドがあり、1つのポッドには20台のラックを収容できる」とネルソンは説明する。

「このシステムでは、発熱量が2キロワットのラックの隣に9キロワットのラックを並べる、といったこともできるので、ハードウェアの入れ替えを実施するようなときでも、インフラは変更せずに済むんだ。電源も冷却も配線も、そのままでいいということだよ。」

「電力は天井のダクト・システムを通ってモジュールに供給されるから、そのモジュールで用途に適したコンセントにつなげばいい。標準の110ボルトのプラグをL630用に変圧しなければならないだろうって?いや、問題ない。110ボルトのプラグをそのままL630につなぐことができるんだ。」

電源供給システム“Universal Electric Starline Busway System”
電源供給システム“Universal Electric Starline Busway System”

冷却は、ラック列単位のインテリジェントな冷却装置で行われる。この装置は温度を感知し、必要に応じてファンの回転速度を速くしたり遅くしたりできる。しかしフロア・スペースを特に重視する場合には、天井にファンを設置して、高温の場所を狙った冷却を行うことも可能だ。
「天井に設置するタイプの装置は省スペースにはなるけど、インテリジェントではない。動いてるっていうだけだよ。それでも、冷却が必要な場所を特定して冷却を行うことができるから、やはりそういう装置はけっこう効果的だね。」

[右]:上部にも冷却装置 “Libert XDO rack cooling system”[左]:ラック列ごとに配置された冷却装置 “APC In-Row Cooling System”
[右]:上部にも冷却装置 “Libert XDO rack cooling system”
[左]:ラック列ごとに配置された冷却装置 “APC In-Row Cooling System”

超高密度な環境にとって、水冷方式も1つの選択肢ではあるが、時期尚早だ、とネルソンは説明する。

「はっきり言って、ほとんどのデータセンターでは、まだ直接水冷方式は必要ないね。熱負荷は大きくなっていくけど、キャビネットあたりの平均発熱量が20キロワットを超えるまでは、ラックの水冷を行うべきじゃない。

配線の様子
配線の様子

高密度のキャビネットを超高層ビルに例えて考えてみよう。都市では、超高層ビルがいくつかあり、その周りにはもう少し小さいビルが何百も建っている。データセンターもそんな感じだ。データセンターには両方のタイプを収容しなければならないけど、今はまだ、その主流は小型のラックだよ。それが現実だ。」

一方、配線はというと、40台のシステムを格納するラック1台あたり300本ものケーブルが必要という恐ろしい状況になっていた。これはほんの数年前と比べても、じつに1,300%の増加だ。20台のラックを収容するポッド1つに、ケーブルは6,000本となる。

「この6,000本のケーブルは、パッチパネルにつないでそれをまたMDF(主端子盤)に戻すということをせずに、ポッドの中に収めたままだ」とネルソンは言う。

「ケーブルを折り曲げて1台の中間端子盤(IDF)に収めているから、ポッドから出ているケーブルは8本だけだよ。」

ページ先頭へ

この新しい方法で、資材も、人手も、そしてもちろん、コストも削減できる。

サンは従来の設計手法を捨て、エネルギー効率に優れた新しいデータセンターを英国、インド、米国に設立した。米国では、カリフォルニア州各地にあった152のデータセンター(202,000平方フィート)が、サンタクララの14の新しいデータセンター(76,000平方フィート)に集約された。このデータセンター統合化の第一段階が、スペースの圧縮とハードウェアの入れ替えだった。

サンタクララのデータセンター
サンタクララのデータセンター

これで不動産は88%削減され、全体の消費電力も60%削減された。光熱費は最初の9ヵ月間で860,000ドル(約9,000万円)以上削減されたことになる。

一方、サンタクララの新しいデータセンターでは、コンピューティング能力が450%向上し、ストレージ容量は244%増加している。
「おまけに、新しく建設するスペースを20,000平方フィート縮小できた。これで900万ドル(約9億5千万円)のコストを削減できたよ」とネルソンは語る。

このプロジェクトで行われたハードウェアの入れ替えは、英国とインドでの経験を踏まえて進められ、3ヵ月で完了した。そのコストはわずか3年で回収できると予測されている。

二酸化炭素排出量も、年間3,227トン削減される。

「このハードウェア入れ替えプログラムは、サンの新しいテクノロジに投資することでどれほど多額のコスト削減と大幅な生産性の向上を実現できるかを示す最高の事例だね」とネルソンは言う。
「でも、もっと重要なことがある。環境にも優しいということだ。サンは自社のデータセンターでも環境対策を行っているということだよ。」

この“ポッド”システムはシンプルなモジュラー形式だが、IT部門とファシリティ部門双方のメンバーにとっては大きな変化をもたらすものでもある。

IT部門とファシリティ部門を味方にすることが成功の鍵

ネルソンが率いるチームはこの両部門にかかわり、双方の橋渡しをする。

「ファシリティ部門には、電気や冷却関連などのことを担当してもらっている。彼らは、以前はそういうことをコンピューティング面から理解する必要はなかったから、実のところ、熱負荷が増えるという予測に対しても懐疑的だったんだ」と彼は言う。

「かたやIT部門では、データセンターを運営するのにどんな設備が必要かを理解していない。機器を発注して、それをデータセンターに詰め込んで、その後でファシリティ部門に『それを動かしてくれ』と言うんだ。

しかしファシリティ部門にしてみれば、ちょっと待ってくれ、と言いたいよね。『何てこった、キャビネット1台で8,000ワットだ。これをどうしろって言うんだよ』というわけさ。」

「もっと厄介なのは、その電気代を支払うのがファシリティ部門だということ。だからファシリティ部門は、こんなふうに大幅に増える熱負荷を何とかしなければならないだけじゃなく、コストの増加にも対応しなくちゃならないんだ。」

こうした問題を解決するため、ネルソンのチームは建設工事の作業員たちにデータセンターのことを理解してもらうことに務め、またサンのエンジニア・グループとも協力して業務を進めている。エンジニア・グループは、データセンターにおける製品の実装方法に合わせて、製品の設計を変更したこともある。

「ぼくたちが彼らに仲間になってもらったのは、とにかくデータセンターの統合を進めるため。それだけだ。何しろサンの製品は、機能は向上しているけど発熱量もどんどん大きくなっているからね。お客様はコンピューティング能力も、高速性も、効率性も求めているけど、熱負荷の問題にも対処しなければならないんだよ。」ネルソンはそう語る。

ただ製品を売るだけなく、それを収容する“器”の設計方法まで提供したい

「ぼくたちは今、システム・グループと協力して次世代製品に取り組んでいる。この製品の発熱量は、ぎりぎりの線を越えてしまっているんだ。だからぼくたちは、この素晴らしく強力なコンピュータを、ただ売ればいいというわけにはいかない。

きわめて高密度で発熱量も大きいから、この製品を使うにはデータセンターのアーキテクチャをどのように設計すべきかを、お客様に指導しなくてはならないんだ。お客様のところに行って、『こちらが新製品です。そしてこちらが、この製品を収容するデータセンターの設計方法です』って言えるようになれば・・・もう、ばっちりだ。」

サンでは、データセンターを新規に建設したり配線し直したりしなくても、新しい機器を投入するだけでデータセンターの機能を容易に拡張できるようにするために、10~15%多くのコストを費やしている、とネルソンは言う。

建設会社の担当者から、「なぜこんなふうに建設しなければならないんですか。当社はもっと安く造ることができるし、そうすれば御社はすぐにでもコストを削減できますよ」と言われても、これは変わらないのだという。

「確かに、もっと低コストでデータセンターを建設することはできる。でもそれでは、サンが、絶えず変化し続ける環境の中でビジネスの機会をつかむ能力が制限されてしまうんだ。以前は、固定的な環境だったことがある。ラボ・スペースの変更は容易じゃなかった。そういう状態だと、融通が利かなくて企業自らで自社の成長を妨げることになる。目先のコスト削減にはなるけど、企業としての敏捷性という点では、もっと多くのものを失うことになるんだ。今回の新しい設計は、サンのお客様にとっても導入しやすいものになっている」と彼は語る。

「要するにぼくたちは、“ITの専門知識を持った社内の建築会社”というわけさ。物理的な面も分かるし、テクニカルな面も分かる。両方のバランスを取り、双方の視点で考えることができれば、どちらの目的も達成することができる。全ての企業が、こういう機能を果たすグループを持つべきだと思うね。そうでないと、多額のコストを無駄にすることになるし、変化に対して身軽に対応できない企業になってしまうよ。」

ディーン・ネルソン
ディーン・ネルソン
肩書き:
グローバル・ラボ&データセンター設計サービス担当ディレクター。
職務:
世界各国に存在するサンのデータセンターやラボの統合を担当するチームのリーダーとして7人のメンバーを統率し、数百万ドル規模のコスト削減を達成している。
名言:
「ぼくを支えてくれるチームがいなかったら、この仕事はお手上げだった。」
学歴:
アリゾナ州フェニックスのデブライ大学で技術管理学の学士号を取得。
職歴:
1989年に新卒の技術者としてサンに入社。製造業向けのコンポーネント・レベルのデバッグからスタートしてキャリアを重ね、ハードウェア、ソフトウェア、ビジネス、標準技術についての経験を積む。2000年にサンを退職してAllegro Networksに転職するが、2003年にサンに復職。

トピックス一覧 ≫

  前号へ     次号へ  
ご意見・ご感想をお聞かせください
この記事は参考になりましたか?
     

コメントがございましたらご記入ください


ページ先頭へ

Sun Fun Times


 

お問い合わせ 会社情報 ニュース 採用情報 プライバシー 利用規定 商標 Copyright  Sun Microsystems, Inc.