|
北見工業大学は、情報システム工学科にトータル105台のSun Ray 100 Applianceからなる管理不要なシンクライアント環境を構築。学生のコンピュータ・リテラシー教育やJavaによるプログラミング教育などに積極的に活用しています。この学内におけるJavaプログラマーの育成は、産学官が一体となって推進する「北見Javaビレッジ構想」とも連携。地域の産業活性化に対する大きな役割が期待されています。 システム概要 新たなJava教育の基盤としてシンクライアント環境を整備
北見工業大学は、知床、阿寒・摩周、大雪という日本で最も美しい3つの国立公園に囲まれた、自然環境に恵まれた国立の単科大学です。機械システム、電気電子、情報システム、化学システム、機能材料、土木開発工学科の6学科からなり、学生数は学部1820名、大学院280名。小規模ながら「自然と調和するテクノロジーの発展を目指して」を理念として掲げ、最先端の科学・技術の発展のための教育・研究を行っています。たとえば、北見の日照率の高さを利用したソーラ・エネルギーの開発、オホーツク地域の冬の寒さを利用した寒冷地工学を発展させるなど、自然環境と関連の深い独創的な研究・教育に力を入れています。そしてこのたび、情報システム工学科における情報教育のための新たなIT基盤として、Sun Enterprise 4500およびSun Enterprise 450、Sun StorageTek A1000をバックに、トータル105台のSun Ray 100 Appliance(以下Sun Ray 100)からなるシンクライアント / サーバ環境を構築。新学期となる2001年4月より運用を開始しました。その具体的な利用目的について、情報システム工学科講師(工学博士)の中垣淳氏は次のように語ります。「今回導入したSun Ray 100は、各研究室においてマルチメディアや制御など、専門分野の研究にも活用されていますが、主目的は講義用であり、83台を大教室のワークステーション室に設置し、プログラミング演習やリテラシー教育などに利用しています。これまでプログラミング教育は、主にC言語を用いて2年生以上の学生に対して行なってきたのですが、これからはJavaに力を入れていきたいと考えており、1年生を対象とした教育にも積極的に活用しています」。 Sunシステム導入の背景5年間の使用に耐えるパフォーマンスが不可欠
今回のシステム導入にあたって最大の課題だったのは、国立大学としての予算上、今後5年間にわたって運用を義務づけられていることです。ITは現在も急激なスピードで進化を続けており、5年後を見通すことは容易なことではありませんが、そうした中でもパフォーマンスを維持できるシステムが求められたのです。情報システム工学科教授(工学博士)の鈴木茂人氏は、システム構築に対する基本方針を次のように語ります。「可能な限りの予算をサーバに集中し、余裕を持ったパフォーマンスを確保したいと考えました。そうすることで、逆にクライアントは低コストかつシンプルであることが必要となってきます。その点、ローカルなドライブやアプリケーションを一切持たず、完全にサーバベースで稼動するSun Ray 100によるシンクライアントのシステムは、本学にとって最も望ましい形態でした」。そしてJavaのみならず、JiniTM、JiroTMといったサンの新しいコンセプトにも注目し、それらによって情報系の新たな可能性を発見できるであろうという将来性も、選定にあっては大きなポイントでした。もちろん高い信頼性と管理性も重要な要件でした。この点について鈴木氏は次のように語ります。「情報システム工学科には専任のシステム要員がいるわけではなく、一部の教官が運用窓口となって、トラブル・シューティングなどを担当してきましたが、あまり頻繁に手を煩わされるようでは、肝心の教育や自身の研究活動にも支障をきたしてしまいます。Sun Ray 100により構築されたシステム環境は、これらの要件をほぼ完全にクリアするもので、かつコスト的にも我々に最も有利な解決策でした」。なお、インテグレーションを担当した株式会社ソリトンシステムズは、システムをメンテナンスする上で、VPNを使ったセキュアなネットワークを確保。同社の拠点である札幌からのリモート監視を実現するとともに、保守用専用回線をVoIPによって構築し、距離的な問題を解決しつつ、北見工業大学のシステムを強力にサポートするなど、同学のシステム運用に重要な役割を果たしています。 Sunシステム導入のメリットどこにいても即座に個人環境を利用可能
このシステムでは、複数のファイアウォールを配備してサーバのセキュリティを確保しつつ、無線LANなども介してアクセスできるオープンな環境を構築しています。また、PCサーバ上にCitrix社のMetaFrameを導入し、UNIXを含む各クライアント環境にMicrosoft Windowsのデスクトップ画面を配信するなど、異機種間の連携利用も進めています。そうした中で、ユーザがどこにいても即座に自分の環境を利用できるという特長を備えたSun Ray 100の便利さについて、中垣氏は次のように語ります。「サーバに登録されている個人環境を、演習室のみならず、あらゆる実験室、居室のSun Ray 100から利用することができます。エンドユーザがクライアント端末に束縛されることは一切ありません。もし、演習中に端末がハードウェアトラブルを起こしたとしても、学生に席を移るように指示するだけでよいわけですから、スムーズな集合教育の実施のためにも大きなメリットです」。 加えて、ドライブなどの機械部分を一切持たないSun Ray 100は、その静寂性においても教育環境の向上に貢献しています。この点を中垣氏は次のように語ります。「以前のワークステーション室では、PCを用いて演習を行なっていたのですが、数十台もの端末が集まると、さすがにうるさくて講義が聞こえないなど問題があり、端末4台を1組にして防音用のパーティションで区切って運用していました。しかし、それでは学生から前のプロジェクターが見えない、教官からも学生の様子がわからないなど、別の不都合が生じてきます。そうした問題が今回のSun Ray 100の導入によって解消されました」。事実、これまで講義の邪魔だったパーティションは全面的に撤去され、ワークステーション室は見通しの良い、開放的な雰囲気の教室へと生まれ変わりました。
今後の展開
同学は、教育カリキュラムの大幅な見直しを進めており、そうした中で今後ますますJavaに対する取り組みを強化していく考えにあります。 その計画のリーダー的な存在である情報システム工学科講師(工学博士)の後藤文太朗氏は次のように語ります。 こうした同学の活動は、北見市の地域戦略とも合致し、大きな胎動となりつつあります。それが「北見Javaビレッジ構想」です。この構想は、急増するJavaの開発ニーズをにらみ、産官学が共同してオホーツク地域を最先端のソフトウェア開発拠点にしようというもので、学生ベンチャー企業など、新たな起業の流れを作っていくことを目指しています。そこでは、同学のほか、北見市、地元企業、株式会社ソリトンシステムズ、伊藤忠テクノサイエンス株式会社、そしてサン・マイクロシステムズなどの連携により、Javaビレッジ構想をコーディネイトする中核法人として「北見情報技術」もすでに開設されました。同学は専門知識をもったJavaエンジニアを育成し、産業界に供給していくことはもちろん、研究委託やソフトウェア開発の受託といったビジネスの分野についても、Javaビレッジ構想に深く関わることによって、地域活性化に向けた大きな役割が期待されており、その動向は各界から大きく注目されています。 システム構成![]() (C) 2001 Sun Microsystems K.K. All rights reserved. |
||||||||||||||||||||||||