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OpenSolarisプロジェクトが描くオープンソース・コミュニティの未来像

Simon Phipps サン・マイクロシステムズのチーフ・テクノロジ・エバンジェリストであるSimon Phippsは、業界での20年余りの経験を活かして、世界規模のオープンソース・コミュニティに取り組んでいます。そのコミュニティとは、皆さんご存知の「OpenSolarisプロジェクト」です。

今回、サンのオープンソース戦略、その戦略がサンのビジネスに与える影響、およびOpenSolarisがサン、サンのパートナー、デベロッパ、顧客にどのような利益をもたらすかをPhippsに聞きました。


Q: SolarisとOpenSolarisとの違いは何ですか?

A: Solarisは、サンが長年にわたり培ってきた強み、セキュリティ、信頼性、スケーラビリティ、保全性、および有用性をすべて備えたオペレーティングシステムです。ISVは、彼らが提供するアプリケーションに関して、このオペレーティングシステムのもとで相互互換性を保証しています。OpenSolarisプロジェクトは、Solarisのソース・コードに取り組むソフトウェア技術者のオープンソース・コミュニティです。6月にSolarisをオープンソース化したとき、Solarisのソース・コードをOpenSolarisコミュニティと共有しました。将来的には、SolarisオペレーティングシステムはOpenSolarisコード・ベースから引き出されることになります。

Q: OpenSolarisプロジェクトで、サンは主力製品をオープンソース化しています。サンは自社のすべてのソフトウェアをオープンソース化する予定ですか?

A: Jonathan Schwartzは、JavaOneのキーノートで、サンが持つソフトウェア資産を可能な限りオープンソース化する計画であると述べています。オープンソースというのはソフトウェアの開発において実に自然な考え方なのです。サンの24年間の歴史を振り返ると、サンがしばしばソースを公開し共有する「オープン・ルーム」の手法でソフトウェアを開発してきたことがわかります。たとえば、サンはNFSを開発する上でオープン・ルームの手法を使用してきましたし、最近では1990年代にJavaプラットフォームの開発で使用しています。

Q: オープン・ルーム手法が、どのようにオープンソース手法に変換されるのでしょう?

A: ソフトウェア開発には2種類の方法があります。1つは、非常に優れた人材を集めて、部屋に閉じ込め、すぐれたソフトウェアを開発するまでは彼らを部屋から出さないとする方法。もう1つは、Bill Joyが言うように、優れた人材を思い通りに集めることは難しく、たとえ集められたとしても彼らがよそで働いている場合もあることを認めた上で、部屋を開放し、彼らを招き入れて、技術の開発や成長に参加してもらう方法です。サンはオープンソース・ライセンスを使用して、ソフトウェア開発でのオープン・ルーム手法を正式なものにするところまで、段階的に進化してきたのです。

Q: オープンソース手法は、サンのビジネス手法にどのような影響を与えますか?

A: 「何もかも無償提供してしまったら、どうやって稼ぐのか?」とよく聞かれますが、これは、オープンソースを取り違えた質問です。オープンソース手法は、ソフトウェアを共通化し、あらゆる場所のソフトウェア開発者が無制限にアクセスできるようにするものです。ソフトウェア開発者なら、無料ですべてを自由に使えます。

ただし、ソフトウェア開発者以外は、オープンソースに求める利益を得られない可能性があります。Solaris 10オペレーティングシステムは、sun.comで入手して好きなマシンにインストールできます。料金は一切かかりません。責任あるCIOたちは、サービスとオペレーティングシステムの動作継続に必要な3種類のサポートなど、確実な契約を求めて、Solaris用にサンが提供するサービス・パッケージを購入します。Solarisでは、価格競争に負けないサービス・パッケージを用意しています。オペレーティングシステムの価格の壁を取り除くことで、サンはオープンソース・コミュニティとオペレーティングシステムのソース・コードを自由に共有できるようになったのです。

Q: RTU(使用権)の無償化は、開発者の利用を増やす誘因として十分ですか?

A: 何かを使用するときに、その料金を無料にすることと、障壁をなくすこととは、ある意味では重なる部分はありますが、本質的にはまったく別なことです。Solarisオペレーティングシステムは無料で利用することができます。これはサンが顧客にすぐれた価値提案を行うために選択した方法です。一方、OpenSolarisは、オープンソース開発者にとっての障壁を取り除くもので、サンに対して、継続的に様々な価値をもたらすオープンソース・コミュニティの構築を支援します。

Q: OpenSolarisプロジェクトにはどのように参加できますか?

A: OpenSolarisコミュニティに参加する人々は、主に3つのグループに分けられます。第一に、OpenSolarisコードに基づいて新しいUNIXを開発しようとするOpenSolarisコード開発者。これは、カーネル、またはユーザのローカル・エリア・ネットワークやネットワーク・サービスのカスタム・バージョンを作成しようとする人々です。第一のグループは、ビジネスと趣味のいずれかでコード開発に興味を持つ開発者のグループです。

Q: では第二のグループとは?

A: 第二のグループは、デバイス・ドライバや、Solarisプラットフォームで動作するソフトウェアを作成する人のグループです。これらの人々は、ソース・コードや、ソース・コードを作成・維持するOpenSolarisコミュニティのエンジニアから利益を得ます。

Q: 第三のグループとは?

A: OpenSolarisコミュニティとの関わりを望むSolarisの大規模な開発者グループです。これらの人々は、開発の問題を分析できる専門家にアクセスできることに非常に大きな有用性を感じます。欠陥の検出や機能強化の提案など、オペレーティングシステムに貢献することにプラスを感じることもあります。

3つのグループはいずれも、opensolaris.orgを利用して、Solarisオペレーティングシステムとそれを作り出すコードの専門家である世界のエンジニアに直接アクセスできます。

Q: オープンソースの勢いをどのように説明されますか?

A: オープンソースによって、ソースの共通化と、開発者グループ間のコード共有が、相互に価値をもたらします。ソフトウェアは製品を開発し、提供し、自分にとっても、おそらく社会的にも価値のある仕事を行う開発者グループによって、使用・保守されます。彼らはこうした製品の開発や提供の見返りに報酬を受けるかもしれません。さらに、こうしたプロセスにおいては、逆にソフトウェア技術者が、皆が依存する共通ソース・コードにイノベーションと価値を提供しているのです。

Q: こうした好循環は、サンではどのように価値を反映していますか?

A: 改善の欲求が、この好循環を推進します。開発コストを最低限に抑えるという動機は、このサイクル内のすべての人に作用します。コンピュータ業界に向けたサンの手法の特徴は、サンが成功し、利益を上げられる市場を開発しようという欲求です。サンは、競合企業を倒して独占体制を築くことで成功できるとは考えていません。市場を開発し、そこでシェアを得たら、その市場を成長させ、収益を伸ばし続けて成功を維持していこうという考えです。

サンにとって、オープンソース・モデルは、ビジネスの成功と持続的なイノベーションを実現するためのきわめて自然な手段です。参加者が増えれば、すべての参加者が共同作業から価値を引き出す可能性も大きくなります。サンにとって、オープンソース・メッセージは、過去20年以上のビジネス手法を21世紀的に表現した、きわめて自然な方法なのです。


- サンにとって、オープンソースへの参加は自然なことであり、共有をビジネスの成功の鍵とする参加の時代に入っているというサンの見方を如実に反映したものです。共有は純然たる慈善活動ではありません。明確な目標に向けて作業を行う中で、互いに利益をもたらし合えるコミュニティを作ることなのです。

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