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SOAの可能性を最大限に活かす手法

今月号の別の特集『Web2.0を実現する7つの現実的な方法』では、Web2.0を最大限に活用する上でサンが最も重要と考える7つの実践的な戦略をまとめ、その背景についても解説されています。

この7つの戦略の1つとして、レガシー・システムをサービス指向アーキテクチャ(SOA)に合わせて再構築する、というものがあります。サンのお客様からも、Webサービスによって複数アプリケーション間で情報を共有できるシステムを求める声が高まっています。端的に言えば、企業が競争力を維持できるかどうかは、その企業がレガシー・システムを統合してより多くのサービスを提供できる能力、さらにはビジネス・プロセスと情報の流れを合理化できる能力にかかっている、ということになります。

そのためには、サポートすべきビジネス・プロセスに適したSOAを構築できなければならず、またそのサービス・モデルはパッケージ化されたアプリケーションが持つ限界を超えて、基盤となるシステムやプロセスを問わず情報を安全に配信できるものでなければなりません。

そのプロセスにはSOX対応なども含まれます。こうした状況においては、セキュリティとコンプライアンス(法令遵守)を両立させるITが重要な役割を果たすことになります。この点について、以下にもう少し詳しく述べていきます。これをお読みいただければ、画期的な技術プロビジョニング・モデルを採用したサンのSOA手法によって、お客様の製品やサービスのより迅速な市場投入が可能になることを、さらに深く理解していただけるものと思います。

サンのSOA手法について語ろうとすれば、Sun Java Composite Application Platform Suite、及び最近米国でリリースされたSun Java System Identity Manager 7.0について言及しないわけにはいきません。この2つのソフトウェア・パッケージにより、サンはIT開発とビジネス・プロセスのギャップを埋めるという点に関して大幅な前進を遂げています。しかし、ビジネス情報とビジネス・アプリケーションの統合をサンが現在どのように進めているかを見る前に、簡単に歴史を振り返ってみると、その進歩の状況が分かりやすいでしょう。

さほど遠い昔の話ではないメインフレームの時代に戻ったとしたら、今日の多くの企業の経営者たちはぞっとするのではないでしょうか。開発者とユーザの物理的な距離によって両者の関係が決まるという環境で働くことがどういうものであるか。それを説明するのは難しいことを、私も知っています。これはウォーターフォール型プロセスと呼ばれる場合があります。つまり、ビジネス・ユーザは何であれ開発者から与えられたもので我慢しなければならない、というものです。

幸い、この一方通行的な情報の流れによる考え方は、長くは続きませんでした。それを終焉させる上で大きく貢献したのは、1990年代初めにJames Martin(ジェームズ・マーチン)が広めたコンピュータ支援ソフトウェア工学(computer-aided software engineering、CASE)です。CASEではビジネス指向言語やビジネス用語を取り入れたアプリケーション開発を行うことに力を入れたため、ビジネス要件と開発との距離は少しばかり近づいたのです。

ITをビジネス用語で考えるようになったことで、いまや馴染み深いオブジェクト指向の開発モデルが考案されました。複雑な機械語は影を潜め、ビジネス課題の記述がそれに取って代わりました。ビジネス環境の歴史を振り返った時、誰もがこの点だけでもひと安心することでしょう。間もなく、オブジェクト指向開発に続いていまや一般的となったWebサービスが登場し、ビジネス・サービスのプロトタイプ作成やプロビジョニングを迅速に行う能力が求められるようになりました。

CASEからWebサービスに至るそれぞれの展開によって、開発と、常に変化するビジネス・プロセスのニーズとの間のギャップは埋められてきました。こうしたITの進化により、我々はさらに既存のコンポーネントを新しいサービスやアプリケーションに統合できるSOAの可能性へと目を向けることになったのです。これまでになく様々な買収・合併が行われている今の時代においては、また特にレガシー・システムをすっかり排除してしまうことが可能な企業などほとんどないことを考えると、このSOAの可能性は極めて重要なものです。

レガシー・システムの既存コードを統合して新しいサービスを提供することが、Web2.0に対するサンの戦略の基本となっています。サンの戦略とは、顧客によるSOAの迅速な活用を可能にし、それによって顧客、製品、サプライヤの要求に基づく新しいビジネス・ニーズへの対応を実現するというものです。

Sun Java Composite Application Platform Suiteにより、価値を生み出すまでの時間も短縮することができます。ビジネス・プロセス管理、監視、及び複数アプリケーション間でのバルク・データの移行をサポートする各モジュールを利用することで、既存のアプリケーションによって新しいサービスを提供することが可能になるからです。これら全てを可能にしているのが、Java Eeコアに組み込まれ、システムからアプリケーションに至る全体で使用できるインタフェースです。ユーザは複数サービスを単一のSOAのもとに統合でき、EDIなど旧来の方式に依存する必要がありません。EDIでは、アプリケーションによって複数施設を結ぶことしかできません。

EDIのような従来の接続システムでは、アプリケーションとプロセスの接続には限界がありましたが、それでもこのコンピュータ同士の情報交換には、セキュリティ及び法令遵守のために、アプリケーションへのアクセスを大幅に制御する必要がありました。これは時流に乗って最近SOAに移行した多くのハイテク企業にとって、やっかいな問題でした。そのような企業のWebサービスでは、しばしばこの種の旧式なセキュリティがもたらした問題を抱えていたからです。それも無理からぬことではあります。複数のアプリケーションによってサービスがリンクされているWebベースの環境では、アクセス制御を犠牲にすることでアプリケーション全般へのアクセスを可能にしているのが一般的です。

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Webベース・アプリケーションのセキュリティを実現するためには、サービスをアイデンティティ管理機能及びアイデンティティ・プロビジョニング機能と緊密に統合すべきであるというのがサンの考え方です。そこで、Sun Java System Identity Manager 7.0(米国11月発表。日本でも近日発表の予定)を新たにリリースしました。Sun Java Composite Application Platform Suiteと同様、このソリューションも個別のアプリケーションよりもプロセスに注目して開発されています。サンのアイデンティティ管理ソリューションは、特定のサービスに対するアクセス認証レベルのセキュリティをベースとしているからです。

Sun Java System Identity Manager 7.0が、企業の内外におけるアイデンティティ制御の自動化に極めて優れた機能を発揮することが評価され、サンはGartnerが先ごろ発表した「ユーザ・プロビジョニングのマジック・クアドラント」で「リーダー・クアドラント」に位置づけられています。一方、Forresterもサンを「アイデンティティ管理の最強ベンダー」であり「プロビジョニング市場で並ぶ者のないリーダー」であるとしています。

Sun Java System Identity Managerはまた、プロビジョニングとコンプライアンスを併せて管理するという考え方で開発され、内部及び外部監査への迅速な準拠を可能にします。さらに内蔵の予防的なセキュリティ機能にとどまらず、アイデンティティ制御に対する違反がないことを証明することも可能です。コンプライアンスが維持されていることを明示するだけではなく、Sun Java Composite Application Platform Suiteソリューションに基づき、SOAによる新しいビジネス・プロセスの迅速な展開をサポートします。

私は仕事柄、お客様が抱える喫緊の課題を解決しようと話を聞くことに多くの時間を割いています。その時にいつも耳にするのは、ビジネス・ニーズに合わせてSOAのような技術を推進していくことの重要さです。サンのお客様にとっては幸いなことですが、サンは単なるSOAプロバイダではなく、システム・メーカーです。そのため、サンのアイデンティティ管理ソリューションが真のSOAプラットフォームとなるよう、Sun Java Composite Application Platform Suite環境と確実に統合できるようにしました。

サンはまた先ごろ、ビジネス・ベースの技術は実際にビジネスによってこそ発展する、という考え方をさらに一歩推し進め、世界最大の経営コンサルタント会社であるAccentureと特別な提携を実現するための契約を締結しました。これはサンのお客様にとっても、大きな意味のある提携です。Accentureでは以前からコンサルティング業務にSun Java Composite Application Platform Suiteとサンのアイデンティティ管理ソリューションを使用しており、同社に蓄積された膨大なビジネス・プロセスのデータとサンの技術的な専門知識が、SOAの迅速な展開にとってまさに最適な組み合わせとなります。

また、数週間ほど前に発表されたとおり、新設のAccenture Innovation Center for Sun SolutionsにはサンとAccenture双方から開発チームが配置され、Sun Java Composite Application Platform Suiteとサンのアイデンティティ管理ソリューションを使用して特定顧客向けのビジネス・プロセス開発や、すぐに統合できるパッケージ済みのサービス提供などを行います。自社システムを再構築してSOAを実現したいと考える顧客向けのサービスも提供します。

さらにこのイノベーション・センターでは、SOAによってビジネス・プロセスに技術を活用するあらゆる方法についても研究を行います。このような提携は、一般に新しいサービスやプロセスをこれまでにないほど迅速に求めるサンのお客様にとっても、真の優位性をもたらすものであると私は考えています。

CASEからWebサービスに至る過去の経験を活かすことができれば、市場投入の迅速化や技術への投資効果の最大化などをめぐるお客様の差し迫った課題に対し、より多くの解決策を提供することも可能になると期待しています。結局のところ、私の任務の1つは、サンの技術展開戦略による支援をとおして、サンのお客様に確実な成功をもたらすことにあるのです。

Bob Worrall(ボブ・ウォラル)
CIO
Sun Microsystems, Inc.
cio@sun.com

※Sun Java System Identity Manager 7.0は日本では近日発表の予定です。
※サンとAccentureとの提携については日本での展開は未定です。

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