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コンシューマ・テクノロジをあなどるなかれ!
~消費者向けの技術を企業ビジネスの武器にする~
ITのイノベーションは従来、企業と政府系機関の領域でした。高価な超高速大型コンピュータ、インターネット、そして、パーソナル・コンピュータさえも、その起源は、多額の助成金を受けた大規模な公的機関や民間機関による研究活動でした。さらに、法人向けのITともなれば、今日存在する技術基盤の開発に大いに貢献したのは、企業や政府の研究機関でした。
パーソナル・コンピュータの起源はIBMやXerox PARCにまでさかのぼりますが、ひとたびPCが家庭に入り込むと、プロセッサをはじめとするPCのコンポーネントは低価格化しました。このことがなぜ重要かというと、プロセッサが安価になれば、大量に売れるようになり、大量に売れれば、性能が向上するためです。そして、今日、消費者市場で生まれたx86プロセッサが、数多くの企業でサーバ実装の基礎をなしています。 これは一例に過ぎません。今日の企業では、携帯電話やポッドキャスト、それにGmailやYahoo! Mailなど、消費者を対象としたサービスの利用が進んでいます。今日の企業が、コンシューマ・イノベーションの急拡大の影響を受けていることに議論の余地はありません。そこで、次の疑問が生まれます。企業はコンシューマ・テクノロジがもたらす脅威 竏驤 そしてチャンス 竏驤 にどう対応すべきでしょうか。 企業はなぜコンシューマ・テクノロジに抵抗するのか 企業は長らく、新たなコンシューマ・テクノロジに懐疑的なまなざしを向けていました。1つには、こうしたテクノロジが、企業システムと同じように高度なセキュリティで保護することができないためです。いくつかの点で、企業にとっては、すでに認定された一連のテクノロジに限定したほうが、楽であり、実際的なのです。 ノートパソコンを例にとってみます。以前は、多くの企業が、IT部門でソフトウェアやネットワーク接続の設定を済ませたノートブックPCを従業員に支給していました。組織でこれらのノートブックPCをコントロールしようと考えていたのです。しかし、このやり方はセキュリティ上の脆弱性をもたらすことになりました。従業員がノートブックPCをオフィスの外へ持ち出したり、自分のノートブックPCを職場に持ち込んだりするようになったためです。 この方式の危険性は、数百万人もの退役軍人に関する機密情報が入った米国退役軍人局のノートブックPCが盗難された事件が注目を集めたことで、浮き彫りになりました。もちろん、日本でも機密情報や個人情報が入ったPCが盗難や紛失に遭って外部に流出する事件が後を絶たず、企業や役所は、その対応に頭を悩ませています。
会社の情報保護担当責任者は、カメラ付き携帯電話の使用に関するポリシーを制定する必要に迫られるというわけです。カメラ付き携帯を禁止する企業が増えたため、カメラがついていない“法人用”バージョンも販売されるようになりました。
エンタープライズ対応コンシューマ・テクノロジの出現 企業も今、岐路に立っていることを自覚しています。コンシューマ・テクノロジの利用を制限することでセキュリティを維持しようとするやり方は、消費者 竏驤 つまり、自社の従業員 竏驤 が依存している携帯電話やその他のデバイスが大量に普及していることを考えればおかしな話です。さらに企業は、コンシューマ・デバイスの使用を制限することによって、これらの技術が組織にもたらす可能性のあるメリットも放棄しています。 企業は、新たなコンシューマ・テクノロジをむやみに拒絶するのではなく、こうしたテクノロジを受け入れ、有効活用するための方策を考えるべき時期に来ています。
iPodはインターネットに直接接続できないことから、受動的なデバイスとみなされるかもしれませんが、そのメモリ内に機密情報を保存することが可能なため、やはりセキュリティ上の課題は避けられません。とはいうものの、モバイル化を推進する試みの中で、多くの企業がiPodの可能性に門戸を開き、潜在的なセキュリティ・リスクを進んで受け入れようとしています。 企業に浸透したコンシューマ・デバイスは、iPodが最初でもなければ、最後でもありません。例えば、ブロードバンド・インターネット・アクセスが消費者に普及し始めた当初のプロバイダは、ネットワーク・トラフィックを抑えるため、企業による利用を禁止しようとしました。しかし、iPodの場合に、最終的に携帯性と柔軟性に対する要求が勝利を収めたのと同様に、人々は今では自宅のブロードバンド接続を仕事と遊びの両方に活用しています。 さらに現在、一般家庭では、セットトップ・ボックスやゲーム機など、異なる名前のついた強力なコンピュータの普及が進んでいます。こうした強力なグラフィックス・エンジンが企業にも浸透すると予想することは突飛な考えでしょうか。その答えが「ノー」であることはすでに明らかになり始めています。
おそらく、コンシューマ化の傾向がもっとも顕著に現れている分野は、『SaaS』(software as a service:サービスとしてのソフトウェア)でしょう。ソーシャル・ネットワーキングや知識共有サービスなどのエコシステムそのものは、GmailやYahoo! Mailなどのようなサービスの成功例を基に出現しました。 こうしたサービスを、会社のウィキやMySpaceとして活用する組織もしだいに増えています。社内研修用のビデオを、自社のファイアウォールの内側で掲載するために、セキュリティの手順を定め、リソースを厳重に管理するよりも、同じビデオをYouTubeに投稿するほうがずっと簡単なことに組織は気づいています。
ITのコンシューマ化への対応における企業戦略 コンシューマ化は不可避の流れです。したがって、これに適切に対処し、活用する方法について戦略を練ることが企業にとっての最重要課題です。防衛や国家安全保障などの機密事項を扱う分野の企業、あるいは業務が基本的に9時縲鰀5時のスケジュールで行われ、柔軟で可動性の高い労働力に対するニーズが低い小規模な組織においては、消費者指向型のモバイル・テクノロジの利用を制限する排他的なポリシーを採用することにも意味があるでしょう。 しかし多くの企業にとって、可動性の高い、ネットワークに接続された労働力は、コストの削減、生産性の改善、競争力の強化を実現するために有効です。こうした企業では、あらかじめ時間をかけて、どのデバイスやサービスが重要か、及びそのデバイスやサービスをサポートするためのエンタープライズ・クラスのセキュリティ・プロトコルは何であるかを特定しておくべきです。例えば、モバイル環境でのEメール・アクセスが重要であれば、デバイスはIMAPやSSLに対応している必要があります。 コンシューマ化にオープンに対応することのメリット 消費者指向型のテクノロジが実現する携帯性や柔軟性による恩恵は、従業員と経営者の双方にもたらされます。勤務の形態や場所を自由に選ぶことができるようになれば、従業員の満足感は高まり、生産性は向上し、これが労働の質の向上にもつながります。サンの従業員は一様に、当社の『Open Work Practice(フレキシブル・オフィス制度)』に言及します。これは、従業員の自宅勤務を支援する制度で、サンでももっとも有益で評価の高いプログラムの1つです。
サンでは、Open Work Practiceを通じて数百万ドルを節約できました。サンの従業員のうち半数以上は、オフィス・スペースを割り当てられていませんが、誰も不便に感じている人はいません。むしろ社員は、通勤時間を節約でき、自由な時間を創出できることに満足を感じています。
iPodから携帯電話まで、そしてウィキからWebまで、コンシューマ化は浸透しています。企業は、ネットワーク化が進む世界にどう対応すべきかを真摯に検討し、携帯性、柔軟性、接続性の拡大がもたらすメリットを理解すべき時期を迎えています。 |
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