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サンの自社IT大統合プロジェクトを公開します
~サンの仮想化技術の集大成が自社データセンターに~
![]() Inner Circleの読者の皆様、明けましておめでとうございます。サンCIOのボブ・ウォラルです。皆様は、英気を養い新たな挑戦への気力に満ちて2008年を迎えられたことと存じます。私も、今月から興味深い挑戦が始まるのを楽しみにしています。 これはSun Integrated Business Information Solution(IBIS)プログラムと呼ばれ、サンにおけるITプロビジョニングの方法や、ユーザのIT接続方法の変革をもたらします。今、世界中のサンの社内では、このIBISの話題で持ちきりです。 これらの取り組みの基本となるのが、仮想化です。サンが仮想化によってこれまでにどのような成果を達成してきたか、また今後仮想化をどのように活用していこうとしているのか、その概要を皆様にお伝えするために、今回はサンの首席インフラストラクチャ・アーキテクトであるChuck Hellier(チャック・ヘリア)を招いています。テクノロジの実装方法を長期的な視野に立って考えていくのがチャックの任務です。サンが仮想化によってどのような領域で著しい成果を達成してきたか、また仮想化がIBISプロジェクトの成功にどのような効果をもたらすかを語るには、まさに最適な人物です。 では、さっそくチャックに話を始めてもらいましょう。 従来のデスクトップ・コストを削減するSun Rayシンクライアント ボブもたびたび述べているように、仮想化あるいは統合化ソリューションの成果は、技術資産の効率化だけではなく、従業員の生産性向上など、技術資産以外の資産価値が向上することでも実証されています。今月号の特集記事もぜひあわせてお読み下さい。デスクトップの仮想化が従業員の生産性をコスト効率よく維持するのに多大な効果をもたらすことをご理解いただけるでしょう。 サンのような規模の組織でステートレスなSun Rayクライアントによるシンクライアント環境を導入したことは、過去6年間に絶大な効果をもたらしました。サンのIT部門では、世界170カ国の技術エコシステムをサポートし、50,000人のユーザに対応しているため、個々のデスクトップ・システムを管理しようとすれば気の遠くなるような作業になります。 ![]() しかし、サンのユーザはアクセスの容易なSun Rayシンクライアントを使用して、どのようなデスクトップ環境にでもログインすることが可能です。このSun Rayシンクライアントは、約1200のアプリケーションが稼働する950台のサーバに接続されています。ノートPCも含め、ほとんどのPCからサーバへのアクセスを可能にする仮想化機能を活用することで、サンの従業員やパートナー企業のユーザはより多様な業務形態が可能になり、しかもIT部門に負担がかかることはありません。 ハード・ドライブにアプリケーションを格納したスタンドアロンのデスクトップ・システムというスタイルが選択される余地はほとんどありません。そのようなシステムの維持管理には膨大なコストと手間がかかるからです。Microsoft Windowsマシンに依存している大規模企業では、通常デスクトップ200台につき1名のシステム管理者が必要になります。 しかしサンでは、サンのネットワークを利用する全ユーザのSun Rayシステムをサポートするサーバの維持管理を、わずか7名のシステム管理者で行っています。もしサンがWindowsシステムを利用する企業であったなら、数千台に上るスタンドアロンのPCを管理するために243名のシステム管理者を増員しなければならないところです。 金額に換算すると、サンでは、それら243名のシステム管理者の人件費として年間約2,100万ドルを削減し、またエネルギー効率に優れたシンクライアントの導入で電力費を年間約280万ドルの削減を実現しています。 SolarisコンテナとSolaris Zoneを活用する統合化の取り組み サンの7名のSun Rayシステム管理者は、PCの管理ではなくリソースの再割り当てに多くの時間を割き、エンド・ユーザができるだけ効率的に各自の業務をこなせるように務めています。これらの専門家たちは、280テラバイト余りのデータを格納する5,000台のデータセンター・サーバという大規模なインフラストラクチャを管理する、IT部門の他の担当者たちと協力して業務を行っています。このインフラストラクチャは、1日あたり600,000ヒットを上回る440万以上の社内Webページ、500万件の電子メール、2,200万件のJavaダウンロードを支えています。 ITの需要が増加の一途をたどる中で、サーバ・ベースのアプリケーションも増え続けています。サンのIBISプログラムでは、スタッフの増員やサーバの追加を行うのではなく、Solaris 10 OSに組み込まれたSolarisコンテナとSolaris Zoneを利用して、インフラストラクチャ要件を削減します。 IBISは大胆な統合化の取り組みであり、現状のデータセンターのサーバ・コスト375万ドルを2008会計年度末までに225万ドルに縮小しようというものです。これは、150万ドルのコスト削減となります。ハードウェア投資の統合化と要員の作業時間短縮が、このコスト削減の主要な柱となります。 短期的には、現在サンで使用している1200のアプリケーションの半数、すなわち600を、50に減らします。ビジネス・プロセスを見直した結果、サーバのストレージ容量を占有し、常にIT部門の管理が必要となるこれら1200のシステムは、どうしても維持しなければならない状況にはなかったからです。IBISの初回の削減対象に含まれない残りの600本のアプリケーションは、開発に使用されるレガシー・システム用のものです。これらのシステムは、今後数年間で統合される予定です。 経理、製品開発、その他のビジネス・プロセスの効率を改善するため、サンはIBISで見直し対象となっている当初の600本のアプリケーションを、2008年1月には72のモジュールで構成されるOracleプロセスに入れ替える予定です。人事関連を除き、ほぼ全てのモジュールがOracleから提供されたものです。これらのモジュールが、サンのほぼ全てのビジネス・アプリケーション及びWebアプリケーションの基盤となります。 そのため、サンでは現在IT環境の再構築を進めており、Solaris コンテナの仮想化機能を利用してWebサーバ、データベース・サーバ、アプリケーション・サーバを運用することを目指しています。これらの仮想化機能により、システム・リソースの制御が可能になり、またSolaris OS内で分離されたスタンドアロンのサーバとして動作する複数ゾーンも利用可能になります。 Sun IBISプログラムでは、特定のアプリケーションやシステムを特定のゾーンに割り当てて効率を最適化します。例えば、Webサーバ・アプリケーションを特定のゾーンに割り当て、Oracleデータベース・システムは別のゾーンに割り当てます。また、同一ホスト上の複数のゾーンでアプリケーションの実稼働用インスタンスと非実稼働用インスタンスを使い分けることも可能であるため、負荷管理に費やす時間を削減できます。このような統合化はハードウェアの設置面積を減らすことにもなり、運用に要するスペースとコストが削減されます。
将来に目を向けた統合化を可能にするロジカル・ドメイン サンのIBIS戦略には、サーバの無秩序な増加や使用率の低さなどの問題に対応するだけでなく、変化を予測して仮想化の機会についての計画を立案することも含まれています。サンのロジカル・ドメイン(LDoms)仮想化テクノロジは、完璧に機能する仮想マシンの構築を可能にするものであり、データベース・サーバのセキュリティ強化と多様なアーキテクチャへの対応に利用されます。
Sun UltraSPARC T1またはT2プロセッサ、あるいは間もなく発表されるサンのxVM、VMware ESX、Xen仮想化レイヤなどに組み込まれたハイパーバイザー、すなわち仮想マシン・モニター上に構築されるLDomsは、タイプ1仮想マシン(VMM1)と呼ばれます。VMM1モニターはシステムのベア・メタル上で実行されるソフトウェア・デバイスです。これにより、ホスト・コンピュータの単一のコンピューティング・プラットフォーム上で複数のオペレーティングシステムを同時に実行することが可能になります。サンでは、このような機能を持つLDomsとSolaris Zonesを利用して、仮想化された環境内にさらに仮想化環境を構築し、最大限のスケーラビリティを実現する計画です。 VMM2環境はオペレーティングシステム内で稼働します。Parallels Desktop、VMware Fusion、Microsoft Virtual PCなどはその一例です。 また、物理ドメインは通常、複数のCPU及びギガバイトのメモリを必要としますが、LDomは単一スレッドと1ギガバイトのメモリというごくわずかなリソースで構成できます。サンはいずれ、VMM1環境を使用して、システム・アーキテクチャに依存しないアプリケーションやシステムの展開を行う計画です。これにより、既存のアプリケーションが将来のアーキテクチャ上でも稼働できるようになります。サンはIBISプログラムの開発に合わせ、UltraSPARCプロセッサ搭載サーバに組み込まれたLDomsのネイティブ機能を利用する準備も進めています。 IBISプログラムでは、将来レガシーなサーバ及びストレージにも対応可能になるため、LDomsの機能拡張により、サンのITインフラストラクチャの全てのコンポーネントを統合することが可能になります。各LDomは完璧な機能を備えた仮想マシンであり、これを利用することでIT部門は大半のアプリケーション・プロビジョニングを自動化できます。 マウスをわずか数回クリックするだけでアプリケーションのプロビジョニングを完了でき、データベース・サーバ、アプリケーション・サーバ、MySQLデータベースをWebページから設定できるようになるのも間近であるとサンは考えています。そのような自動化機能を導入することで、サンは迅速なデータ・アクセスとデータ管理によって生産性を高めつつ、技術資産の価値を大幅に向上させることが可能になると考えます。
Bob Worrall(ボブ・ウォラル) |
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