あります。それはデータの種類とタイミングの問題です。小売業者にとって危険な時期は、注文が殺到する休暇シーズンの前でしょう。アメリカでは感謝祭から新年までの期間は、データ侵害が急増することがあります。また、戦略的な計画や機密性の高い知的財産の侵害によって、業界全体が壊滅的な打撃を受けることもあります。統廃合する銀行では貴重な口座データが失われる可能性があり、その結果、まさに銀行の回復や成長を助けてくれるはずの顧客を失うことにもなりかねません。通貨と情報に関しては、タイミングが全てです。
米国ではほとんどの州でブリーチ・ノティフィケーション法(Breach Notification Law)が定められており、この法律について、ヨーロッパやその他の国々でも活発な議論が行われています。クレジット・カード番号、PIN、社会保障番号などのデータは、極めて高いリスクをもたらすことがあります。そしてそのリスクによる被害額は甚大なものとなります。
例えば、そのようなデータが格納されたノートパソコンを紛失した場合を考えてみましょう。または、あるデータセンターのディスク・アレイが故障して、データの保護対策を行わないまま修理に出したとしたらどうでしょう。数十万、あるいは数百万規模のアカウントを失うことになりかねません。そのような事態を引き起こした企業は、データを提供した各顧客に対し、法律上の義務として、また文化的な期待によって、信用保護のための支払いを2年間にわたって実施しなければなりません。その金額は顧客1人当たり約90ドルと聞くとさほど多額とは思われないかもしれませんが、顧客100,000人分となればどうでしょうか。さらに顧客100万人分となれば、恐ろしい金額になります。
現在、実際にこのようなことが起きているのです。しかもこの金額には、そのようなデータ侵害が発生した際に多くの時間とコストを費やすことになる弁護士、監査役、コンサルタント、広報会社、及びブランド回復のための専門家に支払う費用は含まれていません。データの損失が過失または悪意によるものであったと裁定されれば、懲役を科されることもあります。 |