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厳しい経済情勢の今、IT部門は何をすべきか、何が出来るか?
Bob Worrall(ボブ・ウォラル)

不安定な市場、予測のつかない景気情勢、そして迫りくる予算削減などの状況に直面しているIT部門が、どうすれば前進し続けていけるのかをご紹介します。

Inner Circle読者の皆様、こんにちは。サンのCIO、ボブ・ウォラルです。

読者の方々の多くが、市況の上下を不安な思いで見守り、この状況が来年は自社のIT部門にどのような影響を及ぼすのだろうと思っていることでしょう。そこで、今年最後となるこのコラムでは、自社がこのような経済情勢の先行きを予測し、それに備えて対処するために、私たちITのプロができる対策について考えてみたいと思います。

自社及び自社の顧客に影響を及ぼす市場の状況を把握しておくことは、CIOとIT部門に課せられた責務です。今日の金融不安を考えると、IT部門の管理職が社内の他の管理職の人たちとひざを交えて話し合い、市況がビジネスにどのような影響をもたらすと予測されるかを理解することが、きわめて重要になります。そうすることで、IT部門は適切な体制を維持し、変化の激しい状況にも迅速に対応することが可能になります。

同業者の中には、専門的なリソースを必要とするIT部門への投資を削減するという、近視眼的とも思われる判断をしているCFOやCEOを多く見かけます。多くのエグゼクティブは、コストを削減してすぐに財務上の効果が見られると満足します。

しかし6ヵ月もたてば、解雇したエキスパートや人材がいないままに、最初からやり直さなければならなくなるものです。そのときに再度人員を採用するのは時間がかかります。一度下した決定は、スプレッドシートの1行よりもはるかに大きな影響をもたらすのです。

多くのCIOの方々には、社内で定期的に行われる戦略会議や製品企画会議に出席できるという利点があります。このような会議では通常、市場の現状が把握されています。したがって、短期的なコスト抑制戦略を考えている場合であれ、あるいは暗い市況に直面して長期的な利益のある戦略的プログラムを続けようとする場合であれ、とにかくCIOは社内の上級管理職の人たちと徹底的に話し合うことが必要です。市場がこのような状況にあるときには、IT部門とビジネスの足並みが完璧に揃っていることがきわめて重要です。

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では、どうしてもコスト削減をしなければならない場合には、どうすればよいでしょうか。

IT部門は、財務上の見直しが行われたときにその対象となりそうな比較的大規模なプログラムについて適切に文書化し、具体的な企業目標に結びつくようにしておくことをお奨めします。

そうすることで、それらのプログラムへの投資を削減するとどのような事態になるかをCFOやCEOが理解することができます。会社の収益や目標に直接影響しないITプロジェクトは、財務的に厳しい状況になると真っ先にコスト削減の対象となります。

では、IT部門には何ができるのでしょうか。まず、自社のコンピューティング・インフラをじっくり観察することです。コスト削減の可能性は、従来とは異なる形態の中に見つけることができます。そして、

電話システムはどうでしょうか。誰もが携帯電話を持つようになった今、はたしてデスクの上にも電話が必要でしょうか。社員が自宅勤務できる環境を拡大すれば、設備、オフィス、ITインフラストラクチャのコスト削減を進めることができます。ワイヤレスの音声通信やVoIPなども、従来の固定インフラストラクチャを削減またはなくすための1つの手段となります。

IT業界の財務担当者の人たちは、何事についても徹底的にROI分析をすることが大好きです。しかしIT投資に単純な財務測定基準をあてはめることは困難です。IT投資の成果は、定量化が困難なことがよくあるからです。例えば、新しいアプリケーションの導入によって複数の旧式なアプリケーションの使用を止めることができたとします。その本数を数えて定量化することはできます。

しかし、その変更が社員や業務の生産性向上にもたらした影響を正確に定量化することはほとんど不可能です。それらの影響は質的なものだからです。

サンでは、会社の戦略的な計画や戦術的なイニシアティブに影響を及ぼさない投資計画については、延期する機会があれば延期します。しかし多くの企業にはある種のジレンマが起こりえます。例えば、営業、財務、人事などの間接部門で人員削減を行うと、自動化の必要性が高まります。人員が少なくなれば、必要なシステムが増えます。しかしIT予算を削減すると、そのシステムは購入できません。そこで、私が先ほど指摘したように、IT関係者たちが社内の”エコシステム”の中でより多くの人々と会話することが重要になるのです。

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金融・財政危機に良い面があるとすれば、それは人々がさらにコスト効率向上の機会を探すようになる、という点です。仮想化、オープンソース、SaaSなど、少ない設備投資で利用できるテクノロジーは、そのような機会を提供します。

サンでは社内のアプリケーション・スタックの大半を仮想化し、サーバその他の資産の使用率が大幅に向上しました。

SaaSを導入すれば、企業の財務状況に応じてサービスを調整することが可能になります。SaaSプロバイダは技術的な研究やシステムのアップグレードも行っているため、ユーザ企業は利用した分についてのみ支払えばよく、資産が使われないままになる状態を避けることができます。

企業の文化によっては、もう1つできることがあります。それは、という試みです。サンは4,000人の社員が勤務していたあるオフィスを全面的に閉鎖し、その社員全員を自宅勤務としました。

これにより数百万ドル規模の運営コスト削減を達成し、生産性の低下を招くこともありませんでした。金曜日のみ社員を自宅勤務とし、オフィスの照明を消して空調を切るだけでも、相当なコスト削減となります。もはやコスト削減と環境対策は、相反するものではありません。

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憶えておいていただきたい重要な点は、金融危機と市況は常に循環しているということです。IT部門の責任者は、プログラム再開の許可が出たらすぐに対応できるようにしておかなければなりません。

私たちは誰もが、いわば専攻にかかわらず市場という学校の学生なのであり、景気が上昇傾向、下降傾向どちらにあっても、機敏に対応できる者が勝利をおさめるのです。

では皆さん、どうぞよいお年をお迎え下さい。そして新年にまた、ITについて皆さんと意見交換ができることを楽しみにしております。

Bob Worrall(ボブ・ウォラル)
CIO
Sun Microsystems, Inc.
cio@sun.com

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