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Sun Inner Circle for information technology leaders

今、情報システム責任者に求められていること
~アメリカのCIOアンケートから学ぶ考察~
Bob Worrall(ボブ・ウォラル)

Inner Circle読者の皆様、こんにちは。

CIO Magazineの2009年度版「State of the CIO」アンケートをご覧になった方も多いのではないでしょうか。このアンケートは、私と同じCIOという立場の方々がどのような感覚を持っているのかを知り、どの程度同じような課題に直面しているのかを把握するのに役立つため、私自身も楽しみにしています。アンケートでの調査内容については頷ける点が多いのですが、一部の内容については、そのような分類ができない意見を持っていることも事実です。今回は、アンケートの内容の中でも、説得力があると感じられたものについて私の解釈を述べさせていただきます。

アンケートからの引用:「会社を存続させる上で最も重要な要素、つまり"顧客"に対してあまり時間を割いておらず、影響力も持っていないという報告を数多く受けています。」

中心となるITサービスの機能を保ちながら、新たなビジネス・ニーズに対応する

顧客への配慮が最優先事項であることは、誰にとっても明らかです。景気が後退している局面では、少ない顧客の取り合いになります。ただし、ここで私が懸念するのは、この問題に対するCIOの役割分担が大きすぎる場合があるということです。このような場合、同じくらい重要なその他のCIOの業務を犠牲にすることになります。好むと好まざるとにかかわらず、CIOの日常業務というものは、CEOから多大な評価を受けることはあまりありません。

しかし、ITの機能をビジネスで要求されるレベルに保つことは、新たな顧客を生み出すことと同じくらい重要であると私は考えています。CIOは、新たに発生するビジネス・ニーズや戦略的なニーズに慎重に対応しながら、中心となるITサービスの機能が損なわれることのないように注意を払う必要があります。テクノロジーは、新しい顧客を見つけ、ふるいにかけ、顧客からの関心を引く上で重要な要素です。ただし、そのような仕事へのCIOの役割分担が大きすぎると、従来から持ち合わせていた能力を機能させ続けることが疎かになります。

アンケートからの引用:「企業の製品や競争的優位性にとって、テクノロジーが重要な役割を果たすという考えに異論を唱える企業リーダーはいません。しかし、CIOが考えているほど、ITがこのような役割を十分に果たしているとは思っていないことも事実です。」

CIOの中には、自身のプロジェクトや優先事項、プログラムに集中しすぎて、広い視野を持てなくなっている方が数多く見られます。新たにCIOに就任した方の中には、IT全体について、ビジネス・パートナーからの視点を持つことを忘れている方が多いというのは、紛れもない事実でしょう。これは、勤務評価のようなものと考えることができます。

評価を正しく行うには、同僚や上司、幹部、利害関係者からのフィードバックが不可欠です。これと同じことを、CIOの役割として実行しなければなりません。現在の状況を読み取るには、直属の部下だけでなく、CEOやCFO、場合によっては営業の責任者や戦略的パートナーからの意見にも耳を傾ける必要があります。ITへの影響という視点から景気後退について認識し、それに従った計画を立案するのがCIOの責務と言えるでしょう。

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アンケートからの引用:「調査対象となった企業幹部の49%が、ITのパフォーマンス(顧客の獲得または維持の面で)を"普通"または"低い"と評価しています。さらに、5%の幹部は、顧客の獲得または維持に関して、ITはまったく役に立っていないと評価しています。」

利害関係者に満足してもらえる基準を理解する

ITの役割について、上級幹部がCIOよりも低い評価を行うのは当然のことでしょう。私たちCIOは、自身のパフォーマンスを自身の基準に照らし合わせて判断してしまいがちです。しかし、サービスを提供する相手からは、異なる判断基準で評価されることを念頭に置く必要があります。利害関係者から自分たちの業務内容を理解してもらえないというのが、多くのCIOが抱える葛藤ではないでしょうか。

IT部門に身を置いたことがない限り、CEOやCFOが、ネットワーク管理とそれに伴う複雑な問題に理解を示すことはありません。そのため、成功の基準について考えた場合、2つの陣営が異なる考えに基づいて判断することになります。つまり、利害関係者や顧客の意見に常に耳を傾け、彼らが考える成功の基準について理解しない限り、独りよがりの評価しかできないことになります。

アンケートからの引用:「金融危機によって、CIOの検討課題はまったく異なるものになりました。すでに用意された手法を超えた高度な技術を積極的に取り入れ、ビジネスの目的に従って資本回収に貢献する必要があります。」

上司からの指示を待っている余裕はありません。積極的に行動し、サービスを犠牲にすることなくコストを削減するソリューションについて、これまでとは違った視点で考える必要があります。ここで重要となるのは、景気後退とそれがビジネスに与える影響について自分が理解していることを、積極的に上司に認識してもらうことです。また、人員削減やサービスの低下よりも効果的なコスト構造に対する創意工夫について、自分自身ができることを提案します。これは、単に景気後退から身をかわし、解消するのを待つだけの方法とは異なり、経営上の効果が期待できる方法です。

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アンケートからの引用:「ITの予算は、最初の危機が訪れた時点で切り込まれることになります。ただし、深く切りすぎたり切り口を間違えたりすれば、次の危機に瀕したときに対応できなくなるでしょう。」

CIOは、単にCFOやCEOからの指示を受けるだけでなく、自ら先頭に立って中心的なインフラストラクチャのイニシアティブを取ることが重要です。これは長期的にビジネスを支える基礎となるものであり、短期的な予算の回復だけを目的としたものではありません。また、これは先ほど述べた過剰な役割分担にも通ずる問題です。ITはコスト・センターとして考えられる傾向があり、私たちCIOの認識とは異なり、我々の判断には物事の流れを変える効果などないという前提で話を進められてしまいます。そして、これこそが経営陣に主張する十分な理由となるのです。

このようなときこそ、CIOは自らの存在をアピールし、自分の考えを相手に納得してもらう必要があります。話の筋道と戦略は、明確なはっきりとした言葉で伝え、相手に納得してもらう必要があります。また、データも必要になるでしょう。貴重な予算を必要としているのはどの部署でも同じことです。しかし、相手に理解してもらえる言葉で意思を伝えることで、はじめて耳を傾けてもらえるのです。

アンケートからの引用:「経験が豊富で、変化をもたらすCIOとしてのイメージを展開します。このような要素としては、知識の広さや、自分の意見を売り込む能力とそれを裏付けるデータ、責務を引き受ける度胸などが挙げられます。」

変化をもたらすCIOとしてのイメージを前面に押し出す
  • 知識の広さ
    長期間にわたってCIOとしての役割を担えるのは、豊富な知識を持つ人物であることが多く、その業種に精通した方や、何らかのテクノロジーとビジネスのバックグラウンドを持つ方が担当する場合が多くなっています。ここで述べたいことは、CIOとして成功するためには、知識の幅を広げる必要があるということです。例えば、サンでは非常に意欲的な能力開発プログラムを用意しており、有能な社員の教育に努めています。各社員はIT部門の中でも様々な役割を担当することになり、ITとビジネスの両面で、より深い知識を得ることができます。
  • 説得力
    現在のような時代では、話し手としての能力が重要視されています。様々な意見の中で自分の意見に耳を傾けてもらい、予算について影響力をもつ意思決定者に対して明瞭かつ簡潔な方法で意思を伝える必要があります。
  • 数字に対する強さ
    この要素については、私自身も非常に重要視しています。ITに携わる人物は、本能的に数字や統計、計算などを好む傾向があります。財務用語やリスク用語、人事用語、サービス・レベル用語、意思決定の影響などは、統計を把握してはじめて理解できるものです。IT担当者が財務に関する深い知識を持っていることはまれですが、それを理解することは不可欠と言えます。
  • 度胸
    CIOには、積極的にデータを共有し、そのデータに確信を持ち、ビジネスの話し合いに参加する度胸が必要であるという見解には同意できます。運営委員会の考えには、完全に同意できるわけではありません。IT予算の優先順位については、話し合いに携わる機会が用意されています。しかし、文化的な理由や不安感から、重大な決定について委員会に委ねてしまい、過剰に依存しているCIOも多く見られます。意思決定のペースや実施の速さに懸念がある場合は、全てを運営委員会に委ねるのではなく、自分自身の意見を主張すべきです。

アンケートからの引用:「業務について理解し、ITによってどのような変化をもたらすことができるのかを主張して説明します。平等な視点を持つことが重要です。」

関われることには何にでも関わる

この見解には同意できます。一日中オフィスの中で過ごすのは良いことではありません。外に出て、IT部門の従業員たちと話をする機会を持つべきです。大きな企業の場合は、営業部門と話をしたり、客先や業界のイベントに出向いたりするよう心がけましょう。現在は、目的もなくオフィスに張り付いて、上からの指示を待つ時代ではありません。関われることには何にでも関わるという姿勢を持ちましょう。

来月のコラムでは、私自身が開催した、顧客や利害関係者とのミーティングから得られた成果についてお話しする予定です。

次回もぜひご覧ください。

Bob Worrall(ボブ・ウォラル)
CIO
Sun Microsystems, Inc.
cio@sun.com

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