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情報システム部長の皆さん、お悩みは何ですか?
~未曾有の経済危機におけるIT部門の動向を読む~
Bob Worrall(ボブ・ウォラル)

Inner Circle読者の皆様、こんにちは。サンのCIO、Bob Worrall(ボブ・ウォラル)です。

先月のコラムでは、オフィスの外に出て、顧客、パートナー、利害関係者と話をすることの重要性についてお話ししました。私自身もこの数ヵ月、そのような機会をかなり多く持ちました。そして、私が聞いた話の中からいくつか重要な点を皆様と共有できれば面白いだろうと考えていました。これらのような考え方が皆様に受け入れられるかどうか、そして皆様が利害関係者から聞いた話について知りたいと思っていました。

私の場合、これらの訪問には複数の目的があります。目的の1つはサンが行っていることを相手に説明することですが、それよりも興味深いのは、同僚や顧客と話をして、その人たちの課題と、その課題にどのように対処しているかを学び知ることです。私は、必ずサンに戻って利用できることを学んでいます。

通常、これらのミーティングでは、サンでのITを対象範囲とした課題について話し合います。特定のイニシアティブや課題について世界中で数百回ものテストを行った後、CIOはみな、同じ問題に直面していることがわかりました。優先順位は変わる場合がありますが、課題はほぼ共通です。このような意見交換によって、CIOレベルでの継続的な対話が形成されます。連携やコミュニケーションの扉が開かれ、営業を超えたコミュニケーション・チャネルがCIOにもたらされます。この話し合いは、いつでも非常にためになります。これらの関係や話し合いの多くは数ヵ月あるいは数年の間続いています。

発展途上国へのアウトソーシングは、注意深く

これらの話し合いの中から一定のトレンドが現れてきています。疑いなく、現在のキー・トレンドは、景気後退によってCIOが直面している予算に関する課題です。IT部門の予算をどのように削減するか苦闘しており、この課題は、ドットコム・バブルが崩壊した8年前よりもさらに困難であるように思われます。

当時は、多くの企業がコスト削減のためにアウトソーシングに向かいました。現在は、そのような方法はあまり確実性が不透明になってきています。例えば、インドへのアウトソーシングは、コストの上昇や、インド大手ITアウトソーシング企業のSatyamの巨大粉飾決算といった問題が浮上し、一時期の勢いはありません。その代わりに、他の地域に業務を広げて、ソーシング戦略を多様化しようとしています。さらには、顧客満足度に大きな影響がある業務については、国内に戻そうともしています。

私が話をしたある企業は、南米に業務の大部分をアウトソースしました。インドに移管する場合よりもコストを大きく節約できると考えたのです。そしてこれは功を奏しました。給与コストが25%削減されました。しかし、この業務を現地に移管する前に確認できなかったことがありました。南米が基本インフラの不足に苦しんでいたことでした。このため、IT業務をこの場所に移管したものの、コールセンターはネットワークが利用できないので、取り止めとなるでしょう。

したがって、マルチ・ソーシング戦略、場合によってはマルチ・ジオグラフィ戦略は、世界のあらゆる政治的混乱に備えて、注意深く考え、検討する必要があります。インドのような市場の成熟度と、南米や東欧のような市場でのコスト削減とのバランスを慎重に検討する必要があります。今回の場合、予算の課題を解決することはさらに複雑です。私は、人員削減と、アウトソーシングやプロジェクトの延期とを組み合わせることになると考えています。

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もう一つのトレンドは、ウォール街の崩壊を受け、サーベンス・オクスリー法に従って、CIOがコンプライアンスに関する問題でさらに新たな展開に直面するという懸念です。CIOの多くは、さらに多くの時間とエネルギーがコンプライアンス業務に費やされることを懸念しています。私もこの懸念は妥当であると考えています。米国では、法規制を強化する傾向が強く、ウォール街での問題と合わせると、このことはほぼ確実であると思われます。

また、インドでのSatyam社の粉飾決済事件によって、法規制が米国外にも打撃を与えると考えざるを得ません。最終的に、財務調査やそのほかの何らかの手段がとられたとしても、結局は、コンプライアンス問題は、ITに帰結するでしょう。

賢明なCIOが今フォーカスすべき点は、社員へ意識を集中することだと私は思います。ほとんど全てのシナリオで、私が説明した内容を組み合わせてコストを削減することが現実的です。しかし、それでも自社の社員に大きく依存することになるでしょう。景気後退で社員が不安になっていても、コミュニケーションを保ち、全員参加のミーティングや実際に顔を合わせて行うミーティングを、社員が会って、話して、安心できるような時間帯に開くことが重要です。

予算が厳しく、移動のコストが高いことは承知しています。そこで、高品質なテレビ会議を使用することもひとつです。もっとも、社員が直接顔を合わせて話し合うことに代わるものはありません。現在は、そのような話し合いが従来よりも重要になっています。

CIOはツライですね・・・

世界中のたくさんのIT部門のお客様とのミーティングの後で、はっきりしたことは、ほとんどのCIOが「上役が自分の仕事を理解してくれていない」という同じ不満を抱えていることです。世界でもっとも先進的で規模の大きな企業でも、ITがその時間を何に費やしているかについて基本的な理解の欠如があります。その結果、多くのCIOはもどかしさを感じています。彼らが複数の指令に引っ張られているからではなく、それが職務であるからです。

しかし、目に見える結果を出し続けることが最も重要なことであるとすれば、彼らは新しいビジネスを十分に推進できていないことを責められます。好景気下で、ITに投資をしようと経営陣の気持ちが向いているときは良いのですが、今のようにコスト削減の大号令がかかると、ITは金食い虫の扱いになったり、その存在意義が見えにくくなることもあります。まさにCIOにとっては、受難の時代です。

今回の景気後退で明らかなことは、これがまさに世界規模であるということです。景気後退は米国から始まったかもしれませんが、全ての経済の相互依存関係の下では、米国で始まったことが少しずつアジア、インド、ヨーロッパに伝わっていくのです。世界の出来事から影響を受けないように自分たちを守ることは、もはや不可能でしょう。良い面があるとすれば、回復するときもまた世界規模であるという点です。回復は米国から始まるかもしれません。ヨーロッパから始まるかもしれません。しかし、世界中に広がるでしょう。そのときがなるべく早く訪れることに期待しましょう。

ではまた次号でお会いしましょう。

Bob Worrall(ボブ・ウォラル)
CIO
Sun Microsystems, Inc.
cio@sun.com


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