- Solaris 10 のコンテナとリソース利用には、どのような新機能がありますか。
Solaris 10 オペレーティング・システムに統合された機能の 1 つである Solaris Container は、ソフトウェアで定義される柔軟な境界を用いて、ソフトウェア・アプリケーションとソフトウェア・サービスを分離します。仮想化とワークロード管理を行うための画期的なアプローチである Solaris Container を使用すると、多くのプライベートな実行環境を、Solaris OS の 1 つのインスタンス内に作成できます。各実行環境はそれぞれ個別のアイデンティティを持ち、使用しているハードウェアから分離されていますが、専用のシステム上で動作しているかのように振る舞うため、シンプルで整合性に優れた、セキュアな統合を実現します。
重要なことは、Solaris 10 では、Solaris Container が、アプリケーションおよびワークロードの管理に重点をおいていることです。Solaris Container は、CPU やメモリ使用量、IP アドレス、ユーザといった適正な属性を持つ固有の環境においてアプリケーションを分離するツールを提供します。これにより、共有システム上にアプリケーションを簡単に配備できます。
- Solaris Container の利点は何ですか。
Solaris Container には次のような利点があります。
- 統合の簡素化によるシステム・リソース使用率の向上
- 複数のアプリケーションが 1 つのシステムを共有しながら、互いに完全に分離された環境を実現
- オペレーティング・システム全体を再起動する必要がないため、コンテナの迅速な再起動が可能
- コンテナ管理者が特定のアプリケーション向けにカスタマイズ可能な環境を、システム管理者が作成可能
- Solaris Zone とは何ですか。
Solaris Zone とは、セキュリティとアプリケーション障害を封じ込めるための仮想環境です。この環境は、そこで実行されるアプリケーションに合わせてカスタマイズ可能な固有の名前空間を持ちます。Solaris Zone には、固有のノード名、IP アドレス、ユーザ、グループ、ディスク領域、ネットワーク・ポート、ネームサーバなどを与えることができます。Solaris Zone におけるセキュリティと障害の封じ込めとは、ネットワークや共有ディスクを介して他のシステムにアクセスする場合を除いては、セキュリティを侵害したり、あるいは外の環境を見ることさえもできないことを意味します。
- Solaris Container と Solaris Zone の違いは何ですか。
Solaris Zone は Solaris Container の一部であり、セキュリティ、アプリケーション障害、名前空間の分離を実現します。Solaris Container に Solaris Zone の機能を追加することで、アプリケーション向けにフルにカスタマイズされた Solaris Container の作成が可能になります。
- Solaris Container のその他のコンポーネントについて教えてください。
Solaris Zone 以外のコンポーネントとして、Solaris OS のリソース管理ツールがあります。これらのツールは、CPU サイクル、物理メモリ、ネットワーク帯域幅など、アプリケーションに割り当てられるリソースの量を制御します。また、アプリケーションの使用率を計測する場合にも使用されます。これは、健全性の監視、容量計画、および課金や請求にも使用できます。
- Solaris Zone はいつリリースされますか。
Solaris Zone は、Solaris 10 の一部としてすでに使用可能です。
- コンテナを実行することによって発生するオーバーヘッドはどの程度ですか。
オーバーヘッドは一般に極めて低く、Solaris Container 1 つにつき 1% 未満です。
- コンテナは複数のマシンにまたがって存在できますか。
いいえ。Solaris Container は、複数の Solaris インスタンスにまたがって存在することはできません。
- Sun Cluster ソフトウェアは、Solaris Container を認識しますか。
Sun Cluster ソフトウェアは現在、Solaris Container のリソース管理機能をサポートしています。アップデート版では、Solaris Zone もサポートされる予定です。
- Solaris Container を利用するスケジュールを、時間帯によって変更するように作成できますか。
はい。設定は、コマンドライン・インタフェースから直接、またはスクリプトか cron を使用して、いつでも変更できます。
- Solaris Container 同士で互いに直接やり取りできますか。
各 Solaris Container は、異なるシステム上に存在するかのように、ネットワークまたは共有ディスクを介してやり取りします。たとえば、コンテナ同士がネットワークを介してやり取りする場合、システムは、ある Solaris Container が別のコンテナと通信していると認識するため、通信はネットワーク・スタック経由で行われます。Solaris Container 間の通信は、パケットがシステムから出たり、ネットワーク・インタフェース・カードを経由することもないため、非常に高速です。
- Solaris Container と N1 Grid Container の違いは何ですか。
違いはありません。N1 Grid Container は、Solaris 10 のコンテナ機能の旧名称です。N1 Grid Container から Solaris Container に名称が変更されました。
- Solaris Container と Trusted Solaris オペレーティング・システムの違いは何ですか。
Trusted Solaris は、ラベリング機能やすべての強力な root の削除など、特定のセキュリティ追加機能によって、極めて厳しいセキュリティ認証レベル B1 に合格しています。これは、Common Criteria では、LSPP (Labeled Security Protection Profile) に相当します。Solaris 10 では、これらの機能がオペレーティング・システムに組み込まれており、その一部が Solaris Container の構築に使用されています。Trusted Solaris の次のリリースは、Solaris Container によって導入された新しい機能を基盤として構築される予定です。
Solaris Container の目的はアプリケーションのための仮想環境を構築することであり、Trusted Solaris の目的は B1/LSPP レベルの認証を受けたオペレーティング・システムを提供することです。
- Solaris Container のホワイトペーパーはありますか。
はい。Sun からホワイトペーパーが公開されています。
- Solaris Zone のパーティショニング技術は、Solaris 9 で導入された Solaris 9 Resource Manager 機能と共存できますか。
はい。Solaris Zone と Solaris リソース管理機能は、どちらも Solaris Container の一部であり、一緒に使用できるように設計されています。
- Solaris Container はどのような種類の分離を実現しますか。
Solaris Container は、セキュリティ、アプリケーション障害、名前空間の分離を実現します。つまり、Solaris Container 内で作業を行うと、ネットワークや共有ファイルシステムを介するなどの通常の方法を除いて、コンテナのセキュリティを侵害したり、あるいは Solaris Container の外を見ることさえもできなくなります。また、名前空間の分離によって、Solaris Container は、固有のユーザ、および自身の Solaris Container 内でのみ root 権限を持つ固有の root ユーザを持つことができます。
- すべての Solaris Container は固有の root ユーザを持つことができますか。
はい。Solaris Container の root ユーザは、自身の Solaris Container 内に対してのみ変更や構成を行う権限を持ちます。
- すべての Solaris Container は固有のネームサーバを持つことができますか。
はい。Solaris Container ごとに異なるタイプのネームサーバからの応答を待機させることもできます。たとえば、ある Solaris Container は NIS サーバからの応答を待機し、別の Container は LDAP サーバからの応答を待機するといった具合です。
- Solaris Container にログインする方法を教えてください。
telnet、rlogin、ssh といった標準のプロトコルを使用してログインします。基本オペレーティング・システム (グローバルゾーンと呼ばれる) 内からは、zlogin と呼ばれる新しい方法でもログインできます。zlogin を使用すると、Solaris Container に直接ログインできます。
- Solaris Container にソフトウェアをインストールする方法を教えてください。
インストール・プロセスに変更はありません。Solaris Container 内でも、通常と同じツールとプロセスが使用できます。ただし、Solaris Container 内では、特定のコンテナにインストールするのか、システム全体にインストールするのかを選択できるようになります。
- Solaris Container からシステムにパッチをあてる方法を教えてください。
パッチ適用手順に変更はありません。
- Solaris Container は raw デバイスにアクセスできますか。
はい。ただし、これはデフォルトの動作ではありません。というのは、raw デバイスにアクセスするとセキュリティの分離を侵害することがあるためです。グローバル管理者は、raw デバイスを Solaris Container に個別に追加することができます。
- Solaris Container と動的システムドメインの違いを教えてください。
動的システムドメインはハードウェアに基づく機能です。動的システムドメインは、ドメインごとに異なるバージョンのオペレーティング・システムを稼働できる、物理的な分離を実現します。ドメインの数はシステムごとに制限されます。一方、Solaris Container はソフトウェアに基づく機能です。Solaris Container は、それぞれに同じオペレーティング・システムを稼動できる、論理的な分離を実現します。Solaris Container のスケーラビリティは非常に高く、ハードコーディングされた制限はありませんが、OS イメージごとに最大 8000 個のコンテナを作成できます。これは、現在、通常必要とされている数をはるかに上回る数です。
- 動的システムドメインと Solaris Container はどのように使い分ければよいのでしょうか。
動的システムドメインには、ハードウェアのホットプラグ機能、ドメインごとに異なるバージョンの Solaris オペレーティング・システムを稼働する機能が含まれています。一方、Solaris Container を使用すると、アプリケーションの実行や参照を非常に詳細に管理することができます。独立したオペレーティング・システムで提供されるようなタイプの分離をアプリケーションが必要としている場合は、動的システムドメインを使用するべきです。それ以外の場合は、Solaris Container を使用できます。真の利点は、動的システムドメイン内で Solaris Container を使用すると得られます。