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楽天証券株式会社

概要

日本で初めてのインターネット専業証券会社「楽天証券」

プロ野球への新規参入で話題を呼んだ楽天グループ。1999年に日本で初めてのインターネット専業証券会社として開業された楽天証券(旧社名:DLJディレクトSFG証券)は、常に新しい分野にチャレンジしている同グループの象徴的存在といえる。

楽天証券では、インターネットとi-モードなどのモバイル・サービス、さらには音声自動応答(IVR)サービスの3つのチャネルに加え、インターネットを通じてユーザがダウンロードし、インストールすることで利用できる『マーケットスピード』=<Webアプリケーションとクライアントが連携するサービス>を提供している。取扱商品も国内株式(現物・信用取引)を筆頭に、ETF、REIT、ベンチャー・ファンド、優先出資証券、先物・オプション、海外株式、新規公開株式などを豊富に取り揃え、1日72,628件、アプリケーション・サーバ1台あたり5,587件のアクセス数を数え、月間約73,781件の取引が行われている。

主な課題
得られた結果
  • 運用コストの削減
  • 容易な拡張
  • より柔軟で信頼性が高いシステム構築
  • 運用コストの大幅削減
  • 拡張が容易なスケーラビリティ
  • 負荷分散によるシステム全体の可用性向上

楽天証券では、従来『マーケットスピード』を複数のSun Enterprise 420Rによる負荷分散方式で運用し、『インターネット・トレーディング・システム』をHewlett-Packard(HP)社製の中規模UNIXシステムで運用してきた。しかし、執行役員情報システム本部長兼システム企画部長である原田勉氏は、その状況に疑問を感じていた。「設立当初のシステム検討では、中規模から大規模のサーバで全てをまかなうという選択肢になっていたようです。

しかし、私が入社後に立ち上げた『マーケットスピード』は、サンのワークグループ規模のサーバを複数台使用した負荷分散型のシステムとして構築しました。なぜ、サンを選んだのかというと以前から証券業に関わっていた中で、その信頼性を十分理解していたからです。実際に、『マーケットスピード』は、ユーザビリティもさることながら、パフォーマンスが良いとお客様からご好評をいただいております。」少数台の高可用性サーバか?複数のサーバによる負荷分散型のシステムか。それは、あらゆる企業で議論が分かれることになる。

特に、インターネット専業の会社となるとシステムの停止は、会社の心停止を意味する。原田氏はどういう観点から負荷分散システムを選択したのだろうか。「『マーケットスピード』は、以前はSun Enterprise 420Rを使っていたのですが、今はSun Fire V210にリプレイスしています。低コストのワークグループ・サーバを並べることで分散処理を行う、つまりはスケールアウトが可能な構成になっているのです。これにより、一台のサーバの障害は全体にはそれほど影響を与えないので、保守契約も大規模サーバのようなグレードの高いものに加入しなくてもすみます。」(原田氏)

実際に、『マーケットスピード』は約80台のサーバで構成されており、万一の故障時にも翌日の夜までに修理されていれば、十分という話である。一方、HP 製のサーバで運用されていた「インターネット・トレーディング・システム」サーバはどうだったのだろうか?「従来のWebシステムは、中規模から大規模のサーバでHA(ハイ・アベイラビリティ)構成を組んでいました。そのため、壊れたらすぐに直さなければならないという状況で保守契約も年契約でグレードの高いものに加入し、コストもかかっていました。」(原田氏)

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楽天証券株式会社
執行役員
情報システム本部長
兼システム企画部長
原田 勉 氏
楽天証券株式会社
システム企画部
次長
千振 万里子 氏

そうした状況の中、Webサイトのデザイン・リニューアルを機にWebのシステムそのものを見直そうという動きが起こり、従来の「インターネット・トレーディング・システム」の見直しによる、サンのワークグループ・サーバに移行するプロジェクトが開始された。

「今回の変更は、外から見える部分では、Webサイト・デザインのリニューアルという風にしか見えないかもしれません。しかし、バックエンドでは、中規模サーバで運用していた「インターネット・トレーディング・システム」を、サンのワークグループ・サーバへと移行する作業が行われました。まず、第一フェーズとして、今回、国内株式に関するサーバ群を2004年10月に移行しました。そして第二、第三のフェーズを経て、全面的に移行する予定です。」(原田氏)

では、なぜサンだったのか? 他に検討したシステムはあるのか?

「今回のシステム移行の目的は、ビジネス・ロジックの一元化にありました。今までは、例えば新しいサービスを始めましょうということになっても、『マーケットスピード』と「インターネット・トレーディング・システム」で別々のロジックが存在していたため、二重開発などの問題がありました。サンのサーバを選択することで、それを一元管理できるというメリットがあったわけです。パフォーマンスの面でも、『マーケットスピード』が優れていましたが、サンを選んだ理由は、『マーケットスピード』で培ってきた優れたビジネス・ロジックの構築という実績に他なりません。また、国内株式を第一フェーズに選択したのは、ネット証券という性格上、国内株式の取引が8割を占めているという背景からです。我々は、多くのお客様へ使いやすいサービスを提供することを第一に考えていますから。」(原田氏)

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従来、楽天証券では保守を含めて高額な運用コストがかかっていたという。しかし「従来のHP A500、N4000、L1000、L2000、rpシリーズを30台のSun Fire V210に切り替えたことで、運用コストだけを考えても現状3割減(約2億円)のコスト削減効果が見込めます。運用コスト削減だけでなく、『マーケットスピード』と「インターネット・トレーディング・システム」の計80台のサーバに同一のビジネス・ロジックを採用し、同一プラットフォームに統一したことで、大幅な運用方式の簡素化がはかれました。万一の障害時にも、2つのサービス間で、相互に補完できるというメリットもあります。」(原田氏)

実は、今回のシステム変更は、楽天証券創業以来、初めてのことである。

このような大規模なシステム変更にもかかわらず、その作業はスムーズに進み、たった4ヶ月。サービスを停止することなくシステムの移行が完了したという。果たしてご苦労はなかったのだろうか?

今回のシステム移行プロジェクトのリーダーであるシステム企画部 次長 千振万里子氏に伺った。「一部HP-UXの旧システムが残っているのでその連携という意味では神経を使いました。弊社のサービスはログインしてご利用いただく会員制のサービスなので、一度ログインしたお客様が新システムのサービスと旧システムのサービスを連続して利用されることも多いわけです。新旧のシステム間で、ログイン後のセッションを維持したまま連携させることが必要でした。」

SolarisとHP-UXのシステムが混在せざるを得ない第一フェーズにおいては、セッション管理、暗号化管理という点に配慮が必要だった。それでも 4ヶ月の短期間で作業を完了できた要因としては、サンのハードウェア/ソフトウェアに一貫して貫かれているオープン・アーキテクチャが貢献したようだ。さらに、この経験は結果的にうれしい副産物を生み出すことになった。

12月より金融機関による証券仲介業務が解禁され、楽天証券はいちはやく新生銀行との提携を発表している。新生銀行もネットでの顧客サービスを積極的に行っている金融機関だが、そのネット口座との連携において、強いアドバンテージを示せたのだという。

「実際に先方のシステムとどのように安定したシステム連携ができるのか?という点で、今回の経験が役立ったと思います。まぁ、プロジェクト・リーダーである千振のプレゼンテーションがうまかったのかもしれませんが(笑)」(原田氏)

ここでサンのサーバによるシステム構築の優位性についてまとめの言葉をいただいた。

「メリットとしては、障害時の対応、さらに負荷が増えたときの増設も容易という面があげられます。加えて、千振と私に共通するものとして、大規模なサーバは持たず、パフォーマンスはハードウェアの性能だけでなくOSやアプリケーションの組み合わせを含めたシステム全体で実現するものだという考えがあります。『マーケットスピード』構築時からサンのワークグループ・サーバを選んでいる理由は、実績に基づく自信といえるかもしれません」(原田氏)

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「今後の展望として、証券仲介業用のDBを複数台のサンのサーバで動かすなど、移行プロジェクトの第二、第三フェーズに向けたパフォーマンス検証も行っています。また、Solaris 10 OS の新機能Solaris Zonesや、セキュリティとパフォーマンスの向上も含め、その採用も検討しています。われわれインターネット証券のミッションは、インターネットを利用した証券取引に対するお客様のハードルを低くすることだと思っています。そのために、今後も国内株式をメインに一般信用取引などにおいて、お客様にとって使いやすく安全な優れたサービス提供を充実させていく予定です」(原田氏)

日本最初のインターネット証券会社、楽天証券はサンのシステムを基盤に、今後ますますマーケットをリードしていく意欲に満ちておられる。


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