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日本航空

パフォーマンスの追究に、サンのオープンシステムが応える。

概要

より利用しやすい運賃をはじめ、各種割引、マイレージ・サービスの充実、チケットレス搭乗など、顧客重視のサービスを次々と展開しているJAL。日本を代表するエアラインとして、また世界の都市をネットワークするグローバル・キャリアとして、そのサービスの質と量は群を抜いている。リーディング・カンパニーならではの充実ぶりを誇る顧客サービスは、一方で多種多様なサービスを各所へ展開するための大容量かつ高信頼なシステムが要求される。この分野でJALはチケット予約/発券と各種サービス対応マニュアルの閲覧を集約した「JALNAVI」を構築し、1996年より顧客サービスに活用してきた。そして今回、お客様への更なるサービスの向上をめざし、このJALNAVIもシステムの見直しを実施することとなった。
主な課題
得られた結果
  • より多くの拠点で均質なサービスを提供すること
  • 従来のクライアント/サーバシステムのシンプリフィケーションを行うこと
  • 全国各地80拠点150台にもおよぶPCサーバのコンソリデーションを実施すること
  • 従来以上のパフォーマンスをWebシステムで確保すること
  • 海外展開なども容易な柔軟性と拡張性
  • 従来よりもスピードとレスポンスに優れた操作性
  • Web環境下における優れたセキュリティ
  • 最適なサイジングによるシステム移行

JALNAVIは全国のJALカウンターやコールセンターなどで、JALスタッフに利用されているシステムだ。

ホストコンピュータと連携してチケットの予約から発券までを行う機能に加え、常に連携のとられたデータベースに登録されたサービス・マニュアルを参照する機能が統合されている。つまりJALNAVIは、チケットの予約から、それに付随する各種サービスや付帯事項の確認、そして発券までを端末操作で可能としている。

最近では、サービスの多様化にともない、お客様からの問い合わせが多岐にわたってきた。整備すべきマニュアル情報は増加し、今やその数はコンテンツにして2万件、1日に10万ページビューにもおよんでいる。

「この搭乗日の運賃はいくらか」「このサービスは、このサービスと併用できるのか」「この荷物は機内持ち込みできるのか」といったご案内に必要なサービス情報をすぐに取り出し、発券カウンターや電話でお問い合わせいただいているお客様に対して迅速な対応が要求される。JALNAVIはこれまでに改良を重ねられ、現在ではJALスタッフから「これがないとサービスできない」と絶大な信頼を寄せられるまでに成長してきた。

JAL

その一方で、種類も対応数もサービスは今後とも増加が予想されること、より広範囲にサービス提供するために国内外で更なる拠点展開をめざす、といった新たな目標も浮かび上がってきた。つまり、サービス向上のために、JALNAVIに対してより高いパフォーマンスと、より柔軟な拡張性が求められたのだ。これら課題への対応を視野に、JALNAVIの新たなステップアップが検討されることとなった。

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「Simplification:シンプリフィケーションというキーワードのもとに、弊社ではお客様へのサービスを分かりやすくしていこう、もっと快適にJALをご利用頂けるようにしましょう、といった活動を全社的に行っています。私たちの仕事の場合も同様で“もっとスピードを早く、もっとシンプルに情報提供できるように”を目標としています。現在稼動している“JALNAVI2”も、もちろん、この流れに沿って企画されました。」と語るのは、今回のプロジェクト・リーダー 近藤 繁氏(株式会社日本航空インターナショナル ITセンター 旅客システム マネジャー)。

従来のJALNAVIは、クライアント/サーバ構成による構築であったため、各所に150台のサーバが点在していた。また、将来のサービス向上を考えた場合には柔軟性やメンテナンス性に関して改善の余地を残していた。今回の新しいJALNAVI2のシステムではこれをWeb化することで、一気にシンプリフィケーションすることが図られたのである。

そしてパフォーマンスの点では、従来システムと同等かそれ以上が目標とされた。従来のクライアント/サーバ環境と同等以上の性能を、Web化されたシステムで実現することが求められたのだ。

「お客様へのサービス向上を目的としたシステム移行ですから、このパフォーマンスに関しては、絶対条件でした。その他、Web化システムである以上はセキュリティの確保も必要ですし、また操作性や信頼性、そして容易なサポート、さらに妥当なコストなどを重点項目としました。」と近藤氏。

こうして、JALの次代のサービスを担う新しいシステムとして、JALNAVI2の構築が目指された。

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株式会社日本航空インターナショナル
ITセンター 旅客システム
マネジャー
近藤 繁 氏
株式会社日本航空インターナショナル
ITセンター 旅客システム
アシスタントマネジャー
山本 剛 氏
株式会社日本航空インターナショナル
ITセンター 旅客システム
アシスタントマネジャー
英 稔彦 氏
株式会社JALインフォテック
エアライン事業本部
e-Bizシステム事業部
e-国際グループ 次長
佐々木 雅規 氏

JALNAVI2となって変わったのは、このサーバの台数だ。

全国80箇所に点在していた約150台のサーバを、2台の情報管理サーバと18台の情報サーバに集約。チケット予約/発券のためにホストコンピュータと接続するサーバやシステム管理サーバなど、追加された新機能や冗長構成を実現しつつ全てを合計してもわずか6箇所40台のサンサーバに集約してしまったのだ。これらのサーバで、全国2,000台以上のクライアントに対して、2万件/10万ページビューの情報を従来と同等の性能で提供している。サンならではの優れたパフォーマンスと安定性があればこそといえる。

また今回のシステム移行では、海外拠点への展開が視野に入れられて検討された。「ワールドワイドにビジネス展開しているサンであれば、どの国でも同じ仕様のハードウェアとOSが短期間で調達できます。また、どの国でも均一な保守サービスの利用が可能です。こうしたことも、サンを選択した理由のひとつにあげれられます。まさにシンプリフィケーションです。」と、今回のプロジェクト・メンバーのひとり、英 稔彦氏(株式会社日本航空インターナショナル ITセンター 旅客システム アシスタントマネジャー)は語る。

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「“使いやすく、セキュリティに優れたシステム”というのが、今回の目標のひとつでもありました。」と、近藤氏は語る。通常、セキュリティを重視すると、認証が何度も必要となったり、あるいはデータの参照が著しく制限されるなどスタッフにとって使いにくいものとなってしまう。反面、それら操作性を高めようとするとセキュリティがどうしても甘くなる。こうした二律背反をできるだけなくし、どちらも向上させることを狙った、というのだ。

今回、Webを利用したシステムであること、加えてお客様の個人情報を守るという観点から、高いセキュリティの確保は大前提であった。だからといって、サービスの質や内容の低下があってはならない。

そのためJALNAVI2ではセキュリティ用の管理サーバを設置し、端末IDやログインID、パスワードなど認証のための情報は、このサーバが一元管理する仕組みとした。クライアントにJALNAVI2のシステムをインストールする際、必要な情報は全て管理サーバの認証を受けてダウンロードされる。

システムを利用する際は、ログインIDとプロファイルを融合したセキュリティ・キーを用いて、優れたセキュリティと操作性を同時に実現している。

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JALNAVI2の端末には、ホストからのチケット予約/発券情報と、データベースからの各種マニュアル情報の、2つの情報が同時に表示されている。それら情報をJALスタッフがモニタ上で閲覧しながら、空席などの便情報の他、運賃や割引キャンペーンなど充実したサービス情報を利用者に同時に提供している。

こうした情報の検索と表示にかかる時間は、効果の顕著なものでは従来の3秒からわずか1秒へと、JALNAVI2は大きな進化を遂げた。サンの圧倒的なパワーと、独自に開発されたサーバ・ソフトウェアの相乗効果で、この優れたパフォーマンスを引き出している。迅速な対応が重要な予約/発券サービスの現場にとって、これは大きなメリットといえる。

加えて、JALスタッフの使い易さを向上するために、どのマニュアルをどのサイズで画面のどの位置で見せるかを詳細に検討。またマニュアルを表示するためのメニューもサブメニューとしてデータベース化し、カスタマイズを容易にした。こうした細部に配慮が行きわたった工夫によって、欲しい情報が誰でも瞬時に引き出せるようになった。すみずみにわたる工夫と改善によって、JALNAVI2は大きく進化した操作性を実現した。

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JALNAVI2がカットオーバーしてから1年あまり(取材時点)、その間、サービス停止は1度もない。これはチケット予約と発券系/マニュアル情報系/システム管理系など、それぞれの業務に最適な構成でサーバを分離したことが功を奏している。

またこうした分散配置に対しても極めて優れた安定性と、ネットワーク環境に威力を発揮するサンのハードウェアとSolaris OSがあったからこそ安定稼動が実現できているともいえる。特にチケットの予約/発券はJALにとっては基幹業務であり、その安定性と高信頼稼動率にサンのテクノロジが大きく寄与している。優れた信頼性はまた、より容易なシステムの維持管理も実現している。

「今までのアプリケーションは専用で作っていたため、現地に行って作業をしなければなりませんでした。そこでJALNAVI2ではインストールやバージョンアップに必要な情報は認証後にサーバからダウンロードされる、プッシュ型のようなシステムの構築を行い、ごく簡単な操作のみで対応を行なえるように変更しました。それ以降は何ら要員を必要とせずバージョンアップできるのですごく楽です。」と語ってくれたのは、山本 剛氏(株式会社日本航空インターナショナル ITセンター 旅客システム アシスタントマネジャー)。

予約/発券のためにはその年の祝日/休日/キャンペーンなどのカレンダ情報が欠かせない。従来はサポート・スタッフが用意したデータを配布し、各クライアント側でもメンテナンスが必要だったのだが、これも情報サーバにカレンダ情報をアップロードするだけですむようになった。「細かなことですが、毎日使うシステムですから、こうしたことも大きなポイントになるのです。」と山本氏は語る。

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「JALNAVI2のポイントのひとつは、“優れたプライス・パフォーマンス”にあると思っています。これだけ優れたパフォーマンス/操作性/信頼性を、適正なサイズと価格帯のエントリーレベル・サーバで構築できていることに関して、満足しています。」と、近藤氏。

実際、業務ごとのニーズに応じたサイジングと構成に対して、サンのエントリーレベル・サーバの豊富なラインアップから個々のサーバを適材適所で採用している。要件に対し適切なスペックとパフォーマンスの確保を主眼としたため、過剰投資が抑制され、コストが適正化できた。

また、各所での適正なパフォーマンス確保は、システム全体の安定稼動を支えるとともに、将来的なシステム拡充にも柔軟な対応を可能にしている。JALNAVI2は、現在のニーズ対応はもちろん、将来をも見越したグローバル展開も可能な柔軟性を持つシステムとなった。

加えて、クライアント/サーバ型のシステムからWebサービス型のシステムに移行したことで、データベースのライセンス・コストは1/5になっている。こうしたコスト削減効果も見逃せない。

「今回の更新にあたっては、佐々木氏をはじめとするJALインフォテックのスタッフのお力をお借りしたのですが、彼らの技術とノウハウはまさに“匠”という感じでしたね。」と山本氏は、実際のシステム構築を担当した株式会社JALインフォテックの技術水準の高さを称える。

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JALインフォテックは、JALの基幹系から各種業務にいたるまで各種システムの構築を行っているITパートナーだ。JALNAVI2ではHTTPサーバ・ソフトウェアのオリジナル開発をはじめ、パフォーマンスのテスティング、各種サーバの選定から構築まで、システム構築全般を担当した。

「パフォーマンスの確保に関しては、今回、一番神経を使いました。従来のJALNAVIですとクライアント60台前後に対して1台のサーバという構成でしたが、JALNAVI2ではこれが大体200台に1台程度になるという計画を立てました。そこで実際に200台規模のプロトタイプ・システムを構築し、テストを重ねました。計画の倍のクライアント数までは問題ないという確証は得ています。以前よりもWANのネットワーク環境は良くなっているとはいえ、これだけ多くの利用者によるトラフィックに十分対応できるかどうか、当初は心配しました。」と、構築を指揮した佐々木 雅規氏(株式会社JALインフォテック エアライン事業本部 e-Bizシステム事業部 e-国際グループ 次長)。

またソフトウェアに関しても佐々木氏は「今回のように非常に高い性能と信頼性を実現するシステムにおいては、ミドルウェアを独自に開発する必要もあります。」という経験から、HTTPサーバ・ソフトウェアを自社で開発。また管理系のソフトウェアはオープン・ソースの中から使い易さで定評のあるものをピックアップして採用。こうした選択肢が豊富で自由度の高い構成が基幹システム構築においても可能な点はオープン・システムのサンならではのことといえるだろう。

「最も重要な予約発券画面のインタフェースでは、レスポンスを重視した作り込みが必要でした。そのような独自性の高い部分とWEBサービスをひとつの基盤の中でいかに融合させるか、という点に関してかなり工夫しました。」と佐々木氏は語る。

近藤氏も「Webベースのターミナルは増えていますが、どちらかというと単機能だったり、あまり複雑な管理機能もないのが普通です。それが今回のシステムでは、まるで従来のクライアント・アプリケーションのように管理機能をしっかりと実現しつつ、レスポンスも画面の切り換えのスピード感も速く、操作性の良いシステムに仕上げることができていると思います。」と、その技術力を高く評価している。

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「JALNAVI2に限らず、サービス・フロントの業務に特化した専用性の高いシステム開発を行う際、最適コストと最大パフォーマンスの両方を実現するために、オープン・ソースを活用してミドルウェアを独自に作ることが多くあります。当然、開発するエンジニアに相当の技術力があることが前提となるのですが、できあがったソフトウェアを動かす器として、オープン・システムにおける実績があるサン製品とそのプロダクト・サポート体制はシステムの信頼性を確保する上で大変魅力的な選択になりました。」と近藤氏。つまり、サンならではのオープン性と信頼性、そして優れたパフォーマンスがこの新規システム実現の大きな原動力となったといえるだろう。

「それに、現在のようにシステムの信頼性が高いと、現状のシステム維持管理にかかる負担は最小限で済みますから、その分、よりよいサービスの将来計画や検討に時間を使うことができます。それが、更に良いシステム運営につながります。この“信頼性”ということは、戦略的にとても重要だと思います。そういう意味で、サンやJALインフォテックをはじめ、このシステムの構築に携わってくださった各社の方々には大変に感謝しています。」と近藤氏は語ってくれた。

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「JALNAVI2では、開発を始めた時期が早かったこともあってJavaは使わなかったのですが、次回ではぜひJavaの利用を再検討してみたいと思います。さらに機能の充実も図りたいですね。」と山本氏は次の展望を語る。

Javaは、その誕生から丁度今年で10周年を迎える。ポテンシャルが格段に進化し、ネットワークやハードウェアの環境もさらに進化した現在、基幹業務の開発にも十分に効果を発揮することだろう。その時にはまた、サンの存在感も今にも増して大きくなっているはずだ。

また業務に関しては「JALNAVI2は大規模と小規模、どちらの展開にも適しているという大変器用な面がありますので、海外も含めて、予約/発券サービスに携わる拠点には順次このシステムを導入していくプランです。国内拠点の他、ロンドンとロサンゼルスに展開していきますが、次にはまず香港に展開したいですね。中国は今、大きなビジネス・チャンスになっております。」と近藤氏。

お客様へのサービス向上活動に全社的に力を入れ取り組むJAL。そのグローバルなサービス・ビジネス展開を、サンはオープン性とテクノロジで支え続ける。

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