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NTTドコモ

概要

iモード[R]以来、携帯電話サービスの分野においてモバイル・マルチメディア市場を牽引し続けている株式会社NTTドコモ。ケータイでは世界有数のアクセス数を誇るiモードだが、端末の機能が高機能化し、音楽や映像などマルチメディア・コンテンツを持ち歩くなどのニーズが拡大している一方で、(iモードの)Webを使わないライトユーザもまだ多いという。そこで、iモードのさらなる利用促進をはかるために、アドビ社(旧マクロメディア社)のFlashCastを世界で初めてケータイサービスに導入したプッシュ(配信)型の新サービス、「iチャネル[R]」を開発。そこには、開発の当初からSunのプラットフォームが活用されている。
主な課題
得られた結果
  • 誰もが簡単に利用できるiモードサービス
  • 優れたユーザ・インタフェースを持ったサービスの開発
  • iモードの利用促進
  • プッシュ(配信)型のiモードサービス(iチャネル)
  • 予想を遥かに上回る、驚異的なサービス加入者の増加

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iチャネルの利用イメージ

NTTドコモでは、従来も年4回のペースでiモードの新しいソフトウェアをリリースしていた。しかしiチャネルの導入にあたっては、iモードの利用を促進するという命題を背負い、従来のプル型サービスでなくプッシュ型サービスを導入することになった。その経緯を株式会社NTTドコモ プロダクト&サービス本部 プラットフォーム部長 青山明彦氏はこう語る。「iモードをあまり利用していないユーザにとって、使い方が難しいということがネックとなっています。見たいホームページを見つけるまでに必要な数回の操作が、心理的なバリアになっていたのです。そこで、ユーザが簡単なインタフェースで使えるプッシュ型のサービスの導入を検討しはじめたのですが、ちょうど同時期にアドビ社(旧マクロメディア社)がFlashの技術を利用したプッシュ型の技術「FlashCast」を開発していることを知り、採用を決定しました。」

そうして誕生したのが、ケータイの待ち受け画面にテロップが流れ、その情報に興味を持ったとき、ボタンを押すだけで、より詳細な情報が見られる「iチャネル」である。

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iチャネルのシステム概要図

NTTドコモでは、端末が他社に先駆けてFlashのアニメーション・コンテンツに対応した実績があった。FlashCastはその技術の延長線上で使えるため、端末側の変更は最小限で済む。しかし、まだ誰も実用化したことのない配信技術の開発と実装プラットフォームの準備を同時に進めなければならなかったため、いろいろと苦労も多かったようだ。開発開始間もない当時の状況を青山氏はこう振り返る。「最初にアドビ社から送られてきたβ版プログラムでは、当初の目標パフォーマンス数値に遠く及ばない状況でした。」

しかし、アドビ社がFlashCastの開発をSolaris OSをベースに行い、NTTドコモがSunのプラットフォームを長年採用し続けてきた実績が、その状況を打破するキッカケとなった。当時、偶然にもインターンシップで米国 Sunに出向いていた株式会社NTTドコモ プロダクト&サービス本部 プラットフォーム部 ビジュアルサービス開発第一担当 木邨拓哉氏は、こう証言する。

株式会社NTTドコモ
プロダクト&サービス本部
プラットフォーム部長
青山 明彦 氏
株式会社NTTドコモ
プロダクト&サービス本部
プラットフォーム部
ビジュアルサービス開発第一担当
課長
工藤 順也 氏
株式会社NTTドコモ
プロダクト&サービス本部
プラットフォーム部
ビジュアルサービス開発第一担当
木邨 拓哉 氏
株式会社NTTドコモ
プロダクト&サービス本部
プラットフォーム部
ビジュアルサービス開発第一担当
佐藤 洋平 氏

「当時、私がタイミング良くインターンで出向いていて、FlashCastの開発そのものがSolaris OSをベースで行われていたこともあり、アドビ社と共同でSunのラボに疑似環境を構築し、システムを導入するユーザの立場から開発に加わって3社が一同に問題を解決していくことができました。ミドルウェアには、J2EE[tm](Java 2 Enterprise Edition)を採用しているので、Javaアーキテクチャの実装がスムーズに進められるという面でもSunの優位性は高かったと思います。」

さらに、株式会社NTTドコモ プロダクト&サービス本部 プラットフォーム部 ビジュアルサービス開発第一担当 佐藤洋平氏はこう続ける。

「実際に、JVM[tm](Java Virtual Machine)のチューニングなどにおいて、アドビ社でも、我々NTTドコモでも分からない部分をSunのJava開発者に直接きくことができたのが良かったと思います。我々から見てブラックボックス的な部分を払拭することもできました。」

こうした開発者の努力のかいあって、構想段階から数えても1年足らず、実質的には半年という短期間で2005年9月9日、当時の新ケータイ701iシリーズの発売とともに、iチャネルのサービスが開始した。iチャネルは、サーバで画像ファイルをFlash変換・送信し、携帯端末のFlashプレイヤーでFlashを再生できるプッシュ型サービス。ケータイで簡単に最新ニュースや情報が見ることができる。利用イメージは、下記の通りだ。

まず、ケータイの待ち受け画面に、最新情報がテロップで流れる。ユーザが興味のあるテロップを見たとき、専用ボタンであるiチャネルボタンを押すと、チャネル・コンテンツ一覧画面が表示され、そこで見たいチャネルを選択すれば、より詳細なコンテンツが表示されるようになっている。

テロップもチャネル・コンテンツも定期的に更新されるので、常に最新の情報がユーザの手元に届けられるのだ。

チャネル・コンテンツには、ドコモが提供する「お天気」「ニュース」「スポーツ・芸能」「占い」「おすすめサイト」など、あらかじめ利用できる5種類のチャネルと、コンテンツ・プロバイダが提供するチャネルがあり、ユーザが自分で好みのチャネルを設定できる。

当初の目的通り、ユーザが煩わしさを感じることなく直感的に利用できるサービスとなっている。iチャネルサービスは、利用者の間で大好評、順調に加入者を増やしている。

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Sunのプラットフォームは、iチャネルだけでなくiショットやiモーションなど、NTTドコモのさまざまなサービスのプラットフォームとして利用されている。

株式会社NTTドコモ プロダクト&サービス本部 プラットフォーム部 ビジュアルサービス開発第一担当課長 工藤順也氏に通信プラットフォームとしてのSunの優位性を聞いた。

「我々のサービスは、端末の発売日にあわせて開始日が設定されるので、予定が遅れるということは絶対に許されないことです。Sunの技術やノウハウは、いちはやく新しいサービスを開発し、予定通りに開始するために役立っています。また、加入者の増加やコンテンツの増加に応じてパフォーマンスを上げていかなければならないので、CPUのバイナリ互換性が保たれ、サーバを追加するだけで対応できるのも良いと思います。信頼性も高くiチャネルのユーザが大幅に予想を上回った現在でも、大きなトラブルも無く安定してサービスを提供できています。」

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最後に青山氏へ今後のサービスの展望とSunへの期待について聞いてみた。

「まず、2006年夏には、FOMA N902iX HIGH-SPEEDの発売と同時にミュージックチャネルというサービスの開始を予定しています。これは、高速な受信スピードを誇るHSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)を活かし、深夜寝ている間に高音質・大容量の音楽番組が自動でダウンロードされ、何もしなくても良い音楽に出会えるサービスです。これはユーザ・インタフェースの優れたiチャネルと同じような考え方にそっており、プラットフォームにも同じくSunを採用しています。今後も世界No.1のワイヤレス・インターネット・プロバイダとして、映像や音楽などアミューズメント性の高いコンテンツに力を入れ、来るべき4G時代(第4世代:HSDPAは、3.5Gと位置づけられている)にふさわしいサービスを提供していきたいと考えています。」

「もちろん、新しいサービスを開発し提供していくには、スケーラビリティが重要でサーバなども、新しいものをどんどん投入していく必要があります。Sunには、今までも新しいアーキテクチャを活用するための提案を常にいただいていますが、低価格で高品質、高性能なサーバを開発してもらいたいと考えています。端末やコンテンツの大容量化に対応し、ユーザの体感パフォーマンスの高い快適なサービスを提供するパートナーとして期待しています。」

2006年10月中には、ナンバーポータビリティ(使っている電話番号を変えずに、携帯電話会社を変更できるサービス)の導入を控え、新規事業者がサービス参入に名乗りをあげるなど、競争激化が予想される携帯電話市場において、他社に先駆けた革新的サービスの投入をにらむNTTドコモ。

今後も、Sun CoolThreads[tm]テクノロジーを採用したUltraSPARC[R] T1に代表されるチャレンジングな技術と高いセキュリティと高度なRAS(信頼性、可用性、保守性)機能を装備したSolaris OSに代表される信頼性の高い技術が、SunとNTTドコモのパートナーシップを強くしていくだろう。


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