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株式会社NTTデータ

概要

多くの企業で情報セキュリティを高める取り組みが進められている。それだけコンピュータ・システムに迫るリスクが増大し、データの保護に対する危機意識が高まっているということだ。株式会社NTTデータは情報漏洩防止やウイルス対策を主な目的として、シンクライアント・システムを導入した。

このシステムを検討するにあたって重視したのは、Microsoft Windowsの脆弱性から開放されたいということ、一方で、業務を考慮するとMicrosoft Windowsアプリケーションが使えること。また、ユーザ個々人の使用環境を考慮し、使い慣れたキーボード配列が選択できることや業務内容に応じたデュアル・モニタのサポートなども選定条件とした。そして、これらの要件に応えたのがSun Ray Virtual Display Clientsだった。NTTデータでは、シンクライアント端末を会議室にも設置しているが、これによりノートPCやデータを持ち歩く必要がなくなり、会議ではペーパーレスも実現している。そして、IC内蔵の社員カードをSun Rayの認証用として利用しているため、セキュアな環境が利便性を損なわずに構築できている。

主な課題
得られた結果
  • 情報漏洩の防止
  • ウイルス対策
  • OSの脆弱性の回避
  • セキュアな環境の構築
  • クライアント環境変更に際してユーザの利便性を重視
  • 管理の効率化
  • 社員カードをID認証に活用し管理を一元化
  • セキュアでクリーンなオフィス環境の実現
  • パフォーマンスの向上
  • メンテナンス性の向上
  • 移行後の作業効率を考慮しキーボードの選択肢を用意
  • 業務特性に応じてデュアル・モニタを導入
  • 会議室でも個人の作業環境が利用可能な機動性を活かした、より効率的な業務推進
  • ペーパーレスなどの環境への配慮
  • 構築/運用の自社ノウハウを新ビジネスへ展開

NTTデータの基盤システム事業本部は、社内の各事業部に対して技術支援を行う立場にある。システムに関するノウハウ、スキルが集積されている組織であり、その基盤システム事業本部がセキュリティ対策のために出した答えがSun Rayシステムの導入であった。

「クライアントPCをネットワーク接続する方法では、情報漏洩やウイルスに感染する危険性などが常に存在します。そうした危険性を排除するには、シンクライアント・システムの採用が最も近道です」と、NTTデータ 基盤システム事業本部 システム方式技術ビジネスユニット 第二技術統括部 第二システム方式技術 課長の横溝誠氏は語る。それもPCをシンクライアントとして使うのではなく、専用クライアントの方がより安全というのがSun Ray Virtual Display Clientsを選択した理由だ。

基盤システム事業本部 システム方式技術ビジネスユニットでSun Ray導入の検討を開始したのは、2005年3月。同年6月にはSun Rayによるシンクライアント・システムを構成する機器の調達が始まり、同年12月には本格的な使用が始まった。

横溝 誠 氏
株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
システム方式技術ビジネスユニット
第二技術統括部
第二システム方式技術
課長
横溝 誠 氏
山本 晋 氏
株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
システム方式技術ビジネスユニット
第二技術統括部
第二システム方式技術担当
山本 晋 氏

「Sun Rayの導入を決めた理由の1つは、その認証にICカードを使ってアクセスするということです。当社の社員カードをそのままシンクライアントにアクセスするためのIDとして活用するようにしました」とNTTデータ 基盤システム事業本部 システム方式技術ビジネスユニット 第二技術統括部 第二システム方式技術担当の山本晋氏は語る。

社員カードを端末に差し込めば、ネットワークに接続でき、サーバにあるアプリケーションやデータをすぐに使用できる。クライアントPC上の作業ではないため、自席のPCを使うといった発想がない。空いている任意の席のクライアントでも自分の業務ができる。PCやデータを持ち出す必要もなく、紛失や盗難などの危険性も排除できる。

また、会議の際にも会議室にあるクライアントにICカードを差し込めば自分のデスクトップ環境となるため、会議用の資料をコピーするといったこともなく、かつプロジェクタに最新の自分のファイルが表示できるというメリットがある。

「副産物になりますが、会議の資料を人数分プリントアウトする必要がなくなり、ペーパーレスにもつながっています」(横溝氏)と、“環境に優しい”面も現れている。



導入したシステムの構成は、クライアントにSun Rayを約150台、サーバはAMD Opteron搭載のSun Fire X4100をSun Ray ServerとMicrosoft Windows Terminal Server用にそれぞれ2台ずつ、1台のSun Fire X4200をMicrosoft Windowsのバックアップ用に使用する構成になっている。

「従来は、それぞれのクライアントPCでさまざまなOSバージョンを使用していましたが、OSが今回のシステムで統合されたことから、全体的なパフォーマンスとメンテナンス性も向上しています。管理上CPUやメモリのリソースやパフォーマンスをモニタリングし分析していますが、まだ余裕があります。利用者もほとんどが以前より処理が速くなったと感じてくれています。クライアント自体も安価ですから、TCOは大幅に下がっているのではないでしょうか。それと導入後に全員が実感したのは、オフィスが静かになったということです」と横溝氏が語るように、意外な効果もあった。Sun Rayには駆動部分が全くないため騒音が出ないのである。

とはいえ、基盤システム事業部は、いわばITプロフェッショナルの集団。Microsoft WindowsのクライアントPCを使用していたころは、ほとんど全員が自分でMicrosoft Windowsアップデートなどのメンテナンスを行ってきた。個々人のメンテナンス時間の累積を考えると全体の工数削減につながっている。管理者が全社のPCクライアント1台1台の管理を行う一般の企業では、管理工数の削減にさらに効果が期待できる。シンクライアント・システムの導入にあたって「自分で管理権限のない端末を持つことに対する抵抗感もあったようです」(山本氏)とのこと。ただし、これも複数のOSやアプリケーションのバージョンを必要とする開発者への運用面での配慮に加え、利便性やパフォーマンス改善といったトータル面での評価から、結局は重要な問題にはならなかった。

同部は2006年9月に社屋を豊洲に移転した。金曜日の夜間まで業務を行う社員がいる中での土日2日間の移転である。月曜の朝からは通常どおり社員が出社と共に移転先の環境で業務に取り掛かかれた。移転を経験した管理者であれば、ご理解いただけるだろう。Sun Rayシステムの優れたなメンテナンス性の実力を。

今後の対応として、NTTデータは社外からのアクセスへの対応を考えている。外出先や出張先からのモバイル・アクセスや、在宅勤務によるワークスタイルの変遷。それに対応しようというわけだ。

従来のクライアントPCなら簡単にデータごと持ち帰ることもできるが、それでは盗難や紛失の危険もあり情報漏洩のリスクが高い。セキュリティを高めるためには、そもそもデータを持ちだせないように企業として配慮するべきだし、それがシンクライアント・システムのポリシーでもある。また、NTTデータでは、Sun RayのUSBポートを使用不可に設定しているため、一切のデータを持ち出すことができない。

そこでNTTデータは、シンクライアントから社内ネットワークにモバイル・アクセスするトライアルに取り組んでいる。すでにその環境を試行している横溝氏によれば「これでオフィスに行く必要があるのかと思ってしまう」ほど、違和感なく使用できるという。この試行は全社規模で行われており「第一段階では30人程度がモバイル環境でシンクライアント・システムを利用できることになります」(山本氏)。

企業は情報セキュリティを高めながらもTCOを削減し、さらにあらゆる利用シーンに対応するなど、矛盾をはらんだ要件に対応する情報システム環境を構築していかなければならない。今回構築したシンクライアント・システムは、そうしたニーズに最適な環境だとNTTデータは評価している。導入から1年。システムは停止することなく稼動している。NTTデータは今回の自社システム構築の実績を活かしシンクライアント・ソリューションとして、顧客への提供をすでに開始している。

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