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シンクライアント・システムのユーザ認証にはIC内蔵の社員カードを使用
「Sun Rayの導入を決めた理由の1つは、その認証にICカードを使ってアクセスするということです。当社の社員カードをそのままシンクライアントにアクセスするためのIDとして活用するようにしました」とNTTデータ 基盤システム事業本部 システム方式技術ビジネスユニット 第二技術統括部 第二システム方式技術担当の山本晋氏は語る。 社員カードを端末に差し込めば、ネットワークに接続でき、サーバにあるアプリケーションやデータをすぐに使用できる。クライアントPC上の作業ではないため、自席のPCを使うといった発想がない。空いている任意の席のクライアントでも自分の業務ができる。PCやデータを持ち出す必要もなく、紛失や盗難などの危険性も排除できる。 また、会議の際にも会議室にあるクライアントにICカードを差し込めば自分のデスクトップ環境となるため、会議用の資料をコピーするといったこともなく、かつプロジェクタに最新の自分のファイルが表示できるというメリットがある。 「副産物になりますが、会議の資料を人数分プリントアウトする必要がなくなり、ペーパーレスにもつながっています」(横溝氏)と、“環境に優しい”面も現れている。 以前よりも処理速度が向上Sun Rayには駆動部分がないことからオフィスが静かになった
導入したシステムの構成は、クライアントにSun Rayを約150台、サーバはAMD Opteron搭載のSun Fire X4100をSun Ray ServerとMicrosoft Windows Terminal Server用にそれぞれ2台ずつ、1台のSun Fire X4200をMicrosoft Windowsのバックアップ用に使用する構成になっている。 「従来は、それぞれのクライアントPCでさまざまなOSバージョンを使用していましたが、OSが今回のシステムで統合されたことから、全体的なパフォーマンスとメンテナンス性も向上しています。管理上CPUやメモリのリソースやパフォーマンスをモニタリングし分析していますが、まだ余裕があります。利用者もほとんどが以前より処理が速くなったと感じてくれています。クライアント自体も安価ですから、TCOは大幅に下がっているのではないでしょうか。それと導入後に全員が実感したのは、オフィスが静かになったということです」と横溝氏が語るように、意外な効果もあった。Sun Rayには駆動部分が全くないため騒音が出ないのである。 とはいえ、基盤システム事業部は、いわばITプロフェッショナルの集団。Microsoft WindowsのクライアントPCを使用していたころは、ほとんど全員が自分でMicrosoft Windowsアップデートなどのメンテナンスを行ってきた。個々人のメンテナンス時間の累積を考えると全体の工数削減につながっている。管理者が全社のPCクライアント1台1台の管理を行う一般の企業では、管理工数の削減にさらに効果が期待できる。シンクライアント・システムの導入にあたって「自分で管理権限のない端末を持つことに対する抵抗感もあったようです」(山本氏)とのこと。ただし、これも複数のOSやアプリケーションのバージョンを必要とする開発者への運用面での配慮に加え、利便性やパフォーマンス改善といったトータル面での評価から、結局は重要な問題にはならなかった。 同部は2006年9月に社屋を豊洲に移転した。金曜日の夜間まで業務を行う社員がいる中での土日2日間の移転である。月曜の朝からは通常どおり社員が出社と共に移転先の環境で業務に取り掛かかれた。移転を経験した管理者であれば、ご理解いただけるだろう。Sun Rayシステムの優れたなメンテナンス性の実力を。 社外で使うモバイル環境からもシンクライアント・システムへのアクセスが可能に 今後の対応として、NTTデータは社外からのアクセスへの対応を考えている。外出先や出張先からのモバイル・アクセスや、在宅勤務によるワークスタイルの変遷。それに対応しようというわけだ。 従来のクライアントPCなら簡単にデータごと持ち帰ることもできるが、それでは盗難や紛失の危険もあり情報漏洩のリスクが高い。セキュリティを高めるためには、そもそもデータを持ちだせないように企業として配慮するべきだし、それがシンクライアント・システムのポリシーでもある。また、NTTデータでは、Sun RayのUSBポートを使用不可に設定しているため、一切のデータを持ち出すことができない。 そこでNTTデータは、シンクライアントから社内ネットワークにモバイル・アクセスするトライアルに取り組んでいる。すでにその環境を試行している横溝氏によれば「これでオフィスに行く必要があるのかと思ってしまう」ほど、違和感なく使用できるという。この試行は全社規模で行われており「第一段階では30人程度がモバイル環境でシンクライアント・システムを利用できることになります」(山本氏)。 自社での導入経験を生かし顧客のニーズに合わせソリューションとして提供していく 企業は情報セキュリティを高めながらもTCOを削減し、さらにあらゆる利用シーンに対応するなど、矛盾をはらんだ要件に対応する情報システム環境を構築していかなければならない。今回構築したシンクライアント・システムは、そうしたニーズに最適な環境だとNTTデータは評価している。導入から1年。システムは停止することなく稼動している。NTTデータは今回の自社システム構築の実績を活かしシンクライアント・ソリューションとして、顧客への提供をすでに開始している。 |
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