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東京理科大学

概要

少子化の影響により、大学間の学生獲得競争は激しくなっている。こうした社会的な背景がある中で、東京理科大学は同校の魅力や取り組みなどを広く伝え、優秀な学生を集めるための情報発信メディアとして、公式Webサイトの利便性向上と、コンテンツの充実に注力してきている。東京理科大学は、長年のSunSITEの運営を含め、これまでも同校の公式Webサイトでは、サンのサーバを使用してきた。

今回、その刷新にあたり重視したのは、5年先のトラフィックの増加にも対応するパフォーマンス/拡張性があること、オープンソースのアプリケーションが稼働すること、加えて、地球環境への配慮がシステム設計に取り入られた省消費電力で「環境パフォーマンス」に優れたシステムであることの3点。これらを検討した結果、Webサーバ用途に優れたパフォーマンスを発揮する省消費電力のUltraSPARC T1を搭載したSun Fire T2000、そしてDB/LDAPサーバには、AMD Opteron搭載のSun Fire X4200及びSun Fire X4100が採用された。

また、そのアプリケーション環境は、実績のあるUNIX OSであるSolaris 10とオープンソースのApache、MySQL、PHPの組み合わせによる柔軟性に優れた「SAMPプラットフォーム」で構築されている。

主な課題
得られた結果
  • 5年後のトラフィックの増加にも耐えうるパフォーマンス/拡張性に優れたシステム環境
  • オープンソースのアプリケーションが稼働すること
  • 環境パフォーマンスに優れたサーバの採用
  • 動画コンテンツなどの充実
  • 運用コストの低減
  • Solaris OSとApache/MySQL/PHPによる最適なSAMPプラットフォーム
  • 運用コストの軽減
  • 省消費電力化のSun Fireサーバによる環境パフォーマンスに優れたシステム構築
  • メンテナンス性の向上
  • ウイルス対策が容易に

東京理科大学は今年、創立125周年を迎えた。理科系私大の雄として、これまで産業界に多くの人材を輩出しており、もちろんIT業界にも卒業生は数多い。このような確固たる実績がある一方で、これからの少子化時代を迎えるにあたって、東京理科大学では既にその対策にも取りかかっている。そうした中で、公式Webサイトは大学の魅力を広くアピールするツールの1つとして欠かせない存在である。また、受験シーズンは合格発表に使われるなど、その用途は単なる情報発信にとどまらず、拡大の一途をたどっている。

東京理科大学の公式Webサイトは、アクセス数が1か月平均で2,000万縲鰀3,000万。それが受験シーズン、特に合格発表の季節になると1時間で100万アクセスを超えるほどのトラフィックが集中するという。そのため、Webシステムはコンテンツを充実させて情報発信のキーとするだけでなく、急激に増加するトラフィックにも対応しなければならない。

デベンドラ・ナラヤン氏
東京理科大学
総合情報システム部
情報開発課
デジタルメディア室 室長
デベンドラ・ナラヤン 氏
古川英一 氏
ソニーブロードバンド
ソリューション株式会社
テクニカルソリューション部
インターメディアソリューション課
テクニカルマネジャー
古川英一 氏

それまでのシステムも、サンのサーバとSolaris OSを使ったシステム構成だったが、2006年3月、システムの刷新に着手することにした。「システムの能力的には問題はなかったのですが、5年後の想定トラフィックやコンテンツの多様化に対応できる柔軟なシステム構成に変えることを決めたのです」と東京理科大学 総合情報システム部 情報開発課 デジタルメディア室 室長のデベンドラ・ナラヤン氏は語る。

2006年11月1日に稼働した新システムでは、以前は備えていなかったDBサーバ機能を導入し、DBにMySQLを採用。そこではSun Fire X4200を2台設置した。また、HTMLコンテンツ用のWebサーバにはSun Fire T2000を2台、動画コンテンツを配信するストリーミング・サーバにSun Fire V240を1台、LDAPサーバにSun Fire X4100を1台備える柔軟性と拡張性に優れた強固なシステム構成とした。

サンを選択した理由についてナラヤン氏は、「毎年20縲鰀30%程度のペースでWebサイトへのアクセス数が増えています。さらに動画のストリーミング配信をはじめ、コンテンツを充実させていく計画があることから、今まで以上にアクセス数が増大し、サーバの負荷が増えることは確実です。そうした条件をクリアし、しかもコスト的にも環境的にも有利だったのがサンでした」と語る。特に消費電力を抑え、省スペースであり、発熱が少ないといった「環境パフォーマンス」に優れていることは、地球環境への配慮がなされているという点で高く評価された。

さらにもう1つの理由として「私自身、長年にわたってSun製品でシステム開発をしてきた経験があり、扱いやすさを知っていることに加え、とても信頼性が高いことも実感しています」というように、ナラヤン氏の技術者としての視点においても、Sun製品が最適だと判断されたのである。

ナラヤン氏の長年にわたる経験の中には、東京理科大学のサーバ上でSun製品のユーザやUNIX開発者が技術情報などを交換し合うコミュニケーションの場である「SunSITE」の運営実績も含まれる。このSunSITEは「1993年に始めたので、1994年に開設された東京理科大学の公式サイトよりも1年だけ長い」(ナラヤン氏)という歴史と実績がある。さらに当時、東京理科大学のサーバでは、イタリアやアルゼンチンなど各国大使館のホームページやノーベル財団など国際組織のミラーページのホスティングもしていたという。

SunSITEは現在「一時的に休止中」の状態にある。膨大な情報が集まるサイトを運営するための時間的な制約から、手が回らなくなってきたというのがその理由。ただし、ナラヤン氏自身は「技術者のコミュニケーションの場として、SunSITEは必要だと思っています」としており、今回のWebサーバのリプレースを機に「近い将来、再開することを検討していきたい」と語っている。

東京理科大学で新しいWebサーバ・システムの検討を開始したのが、2006年の受験シーズンを終えた3月。7月にはひととおりのマシンが運び込まれ、8月にはシステム構築に着手した。システム構築はソニーブロードバンドソリューション株式会社が担当し、9月には開発技術支援として株式会社ビーグッド・テクノロジーも加わった体制で推進した。OSにはSolaris 10、Webサーバ・ソフトウェアにはApacheを使い、DBには前述したMySQL、スクリプト言語はPHP。これらは「SAMPプラットフォーム」と呼ばれるように、Solaris 10 OSとオープンソースのソフトウェアの組み合わせは、それぞれの長所を活かすことができ、非常に親和性が高い。

「導入期間を短縮するという点では、パッケージを活用する方法も1つの選択肢です。今回はオープンソースを採用しましたが、もちろんコスト面だけで決めたのではありません。自分たちの使いやすいシステムを構築するには、パッケージでは難しい面もあるからです。オープンソースを採用することは、技術者がユーザの要求に合わせて自分の手でコードを変更しカスタマイズできるため、効率性に優れたアプリケーション・サービス環境を構築する上で非常に価値の高いことであると思います」と、ナラヤン氏はオープンソースを活用した理由を語る。

そして、「オープンソースをベースに開発していく中では、自分なりの工夫や改良を施すことができます。そうした個々人の改良部分を他のシステムや技術者が共有し、そのオープンソース・コミュニティが参加者と共に成長して行くことができるということは、すばらしいことだと思います」と、ナラヤン氏のシステム開発に賭ける想いは深い。

オープンソース・ソフトウェアを基幹システムに採用するにあたっては、もちろん入念なテストを実施した。「アクセス数の飛躍的な増大などの将来を見据えて、システム能力を最大限に発揮させることを想定し、複数回のテストを重ね、慎重にチューニングしていきました。さらに、コンテンツ内容の多様化や携帯電話といった現在と将来の配信チャネルの広がりも考慮して開発しています」と、ソニーブロードバンドソリューション株式会社 テクニカルソリューション部 インターメディアソリューション課 テクニカルマネジャーの古川英一氏は語る。

ハードの構成では、前述のとおりDBサーバにはSun Fire X4200を採用しているが、ここではAMD Opteronプロセッサを搭載したSun Fire x64サーバのコストパフォーマンスを重視したシステム選定を行った。そして、Webサーバでは、Web用途に最適なパフォーマンスを発揮するUltraSPARC T1プロセッサ搭載のSun Fire T2000を選定した。ナラヤン氏は「ハードの性能については、ベンチマーク結果も検討の指標として、また、両サーバとも環境パフォーマンスに優れており、適切な選択ができました」と満足している。そのうえで、5年後までの負荷の増大に耐えるシステム開発を目指したわけだが、今回の新Webシステム構築のノウハウが、東京理科大学の他のシステム開発に活かされたり、他大学のWebシステム開発にも応用されたりすることも期待している。

ネットワーク構成

本格的な受験シーズンを前に稼働し始めた東京理科大学のWebシステム。ナラヤン氏は「入試要項や合格発表だけでなく、東京理科大学の良さを多くの方にPRするためのコンテンツの充実を今まで以上に図っていきます」と語る。コンテンツ内容を考えるのは広報課の仕事になるが、システムの能力を背景に、最新機能の活用などを提案するのはデジタルメディア室の役割だという。すでに学校紹介などの動画配信は一部でスタートしたが「これからは学生の手による学生生活の紹介などの動画配信も検討していく」とのこと。

また、Webサーバには教員向けのポータル・サイトの開設、学生向けの情報発信の仕組みも拡充させていく考えだ。合格発表については、すでに携帯電話からのアクセスを可能にしていたが、今回導入した携帯向けのコンテンツ変換サーバにより、さらに多くの情報を携帯電話向けに配信していく準備も進めている。

「将来を見据えて構築したシステムですから、これからやることはたくさんあります。ひとまずホッとできるとすれば、入試の合格発表が終わってからですね」とナラヤン氏は語る。まずは、2007年度入試での合格発表において、新システムの高い性能が発揮されることになる。

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