Skip to Content Java Solaris コミュニティ パートナー 開発者 マイ・アカウント ご購入について (0120-33-9096) Japan Worldwide

千代田区

概要

千代田区は、他の多くの自治体と同様、業務(部門)ごとに情報システムを導入してきた。そのような場合、個別には最適化されているものの、どの業務にも共通する機能が複数のシステムに実装されていたり、同じ情報が複数のシステムに格納されていたりするため、メンテナンスが煩雑になるという問題がある。

千代田区においても例外ではない。そこで千代田区は、この問題の解消に向けて「共通基盤」を導入した。共通基盤に実装したのは、電子決裁/職員認証/システム連携の3機能で、職員が業務システムにアクセスするためのポータル機能も組み込んでいる。構築にあたって千代田区の政策経営部 IT推進担当課は、要件をとりまとめた提案依頼書(RFP)をみずから作成し、各社からの提案を検討した結果、株式会社フライトシステムコンサルティングをはじめとしたコンソーシアムの提案によるSolaris 10 OSをベースとした共通基盤を採用した。

2007年1月に利用可能となった共通基盤は、データベース・サーバ/アプリケーション・サーバ/認証サーバ/プリンタ・サーバの4種類のサーバ群で構成され、各サーバにはすべてx86サーバを使用し、基幹部分をSolaris 10 OSで動作させている。可用性を確保するために、データベース・サーバはフライトシステムコンサルティングの「FLIGHT Total Cluster」でクラスタ・システムを実現している。また、千代田区は今後、2007年度に職員グループウェアと財務会計システム、その後は文書管理システムと庶務事務システムを共通基盤上で稼動させる予定である。

主な課題
得られた結果
  • ポータル/電子決裁/職員認証/システム連携の機能を提供する共通基盤の構築
  • 共通基盤のシステム停止を防止
  • ポータル/電子決裁/職員認証/システム連携の4機能を提供するJavaアーキテクチャの採用による汎用性に優れた共通基盤が完成
  • 適切なサイジングにより導入コストの抑制を実現
  • Solaris 10 OSによりx86サーバの安定稼動を達成
  • データベース・サーバの可用性を確保

東京都23区の中央に位置する千代田区は、典型的な都市型の自治体である。千代田区 政策経営部 IT推進担当課 主査(住民情報担当)の勝島 強氏は「人口は約45,000人ですが、昼間人口は85万人に達します。そのため、情報システムは昼間人口に合わせて構築しなければなりません」と語る。

千代田区が自前でコンピュータ処理を導入したのは、1988年のことである。最初に稼動したのはメインフレーム上で動作する住民基本台帳システムであり、その後、保険/年金/税金などの業務を含む総合的な住民情報システムへと発展していった。2001年にはオープン系への移行を決め、2003年5月にメインフレームは撤去されている。また、庁内事務が対象となる内部事務システム系では、UNIX®OSベースの財務会計システムが1999年に稼動している。

オープン系クライアント/サーバ・システムの全面採用は、ITコストの抑制に大きな効果を上げたが、その一方で新たに生じた問題もあった。当時、住民情報システムの運用を担当していた政策経営部IT推進担当課 主任の金田智穂氏は「どの業務にも共通するような機能が複数のシステムに実装された結果、プログラムのメンテナンスはかえって煩雑になってしまいました」と振り返る。

そうした弊害を取り除く目的で打ち出されたのが、千代田区の共通基盤構想だ(図1)。電子決裁/職員認証/システム連携の3機能は共通基盤が受け持ち、業務システムにはそれぞれの業務に特有の機能のみを持たせることによって、共通機能の重複実装を避けるのである。また、職員ポータル画面を表示したりすることも共通基盤の役割である。

勝島 強 氏
千代田区
政策経営部 IT推進担当課
主査(住民情報担当)
勝島 強 氏
金田 智穂 氏
千代田区
政策経営部 IT推進担当課
主任
金田 智穂 氏

図1. 千代田区の共通基盤構想

さらに、共通基盤の導入によって、その後のシステム調達やシステム運用管理にもよい影響が出るものと期待された。「共通機能を外部にくくり出すことにより、業務システムごとに最適なソリューションや製品を別々のベンダーから調達できるようになります。また、セキュリティなどのポリシーをコントロールするのも容易になります」と金田氏は話す。

この共通基盤構想は、2005年度と2006年度に構築が進められた。

まず、2005年度は調査を中心とした。共通基盤導入の担当となった金田氏は、共通基盤導入に要する妥当な経費の調査に当たるとともに、すでに共通基盤に取り組んでいた札幌市(北海道)の事例等を調査/研究し、千代田区にふさわしい共通基盤の具体的な姿を固めていったのである。

続く2006年度には、Javaアーキテクチャによる共通基盤の構築に向けた作業が本格的にスタートした。IT推進担当課がRFPを書き上げたのは、2006年6月のことである。このRFPでは共通基盤に求める主要機能としてポータル/電子決裁/職員認証/システム連携の4つを挙げたうえで、以下の要件を盛り込んだ。

  • システムを極力停止させない
  • サーバなどの機器は庁舎外のデータセンターに設置しセキュリティを確保する
  • 関係するITベンダーに対する全体統制は契約者(フライトシステムコンサルティング)が行う
  • 稼動後のシステム運用管理は主契約者が行う

契約者に全体統制まで求めた理由を、金田氏は「先行導入した自治体では、業務アプリケーション開発者に共通基盤のルールを守らせることに苦労されていたようです。そのため、契約者にそこまでの役割を求めることにしました」と語る。

ITベンダー各社から提出された提案書のうち、千代田区が選んだのはSolaris 10 OSベースのシステムを提案した株式会社フライトシステムコンサルティングをはじめとするコンソーシアムだった。提案書の審査にあたって勝島氏は、同一仕様の共通基盤を稼動させていた鳩ケ谷市(埼玉県)を実地調査し、「動作もスムーズで、これなら千代田区に導入しても大丈夫」との感触を得たという。

2006年8月に発注を受けたフライトシステムコンサルティングは、構築作業を約5か月で完了させ、2007年1月には動作可能な状態にした。完成した共通基盤は10台のx86サーバと4台のストレージからなり、設置されているデータセンターと庁舎の間は広域ネットワーク回線で結ばれている(図2)。

図2. 千代田区の共通基盤のシステム構成

システム構築のポイントとなっているのは「システムを停止させない」という要件を満たすための仕組みだ。具体的には、ほとんどのサーバを「当社のこれまでのシステム開発で安定性の高さを確認済み」(フライトシステムコンサルティング)のSolaris 10 OSで動作させ、データ格納の中枢となるデータベース・サーバはフライトシステムコンサルティングが開発した国産クラスタ・システム「FLIGHT Total Cluster」で可用性を確保していることの2点がそれにあたる。

汎用性を確保するために採用された共通基盤のJavaアーキテクチャと、可用性を確保するためのFLIGHT Total Cluster。この組み合わせによるシステムを運用するためのOS環境にSolaris OSが最適であるという選択は、Solaris OSのソース・ライセンスを取得するフライトシステムコンサルティングの実績に裏付けされた提案であり、その実績は5か月という短期の構築期間にも現れている。

完成した共通基盤に対して勝島氏は「予想していた以上のものが出来上がりました」と評価している。そして、「今後は、共通基盤の連携を密にした業務システムの開発を進めるとともに、本格運用に向けてフライトシステムコンサルティングのさらなるサポートを期待したい」(勝島氏)というのが、今後に向けてのIT推進担当課の展望だ。

共通基盤上で動作する業務システムは、今後数年をかけて、順次整備させていく。ポータルの一環として導入された職員向けグループウェアはすでに利用可能な状態にあり、2007年3月末には新しい財務会計システムも稼動を始める。その後は、文書管理システム(2007年度)、庶務事務システム(2008年度以降)と続く予定だ。

それゆえ、ベンダー固有の技術による制約を受けることなく将来の新しいテクノロジーの登場やシステムの拡張要求の際にも対応でき、汎用性を確保するための「標準規格」に配慮した、安定性に優れた「共通基盤」を構築できたことの意義は非常に大きいのである。

ご意見・ご感想をお聞かせください
この記事は参考になりましたか?
     

コメントがございましたらご記入ください


PDF 609KB

製品/ソリューション
インテグレータ
  • 株式会社フライトシステムコンサルティング
  • 株式会社RKKコンピューターサービス
  • 株式会社アット東京
  • KDDI株式会社
関連業種

 

お問い合わせ 会社情報 ニュース 採用情報 プライバシー 利用規定 商標 Copyright  Sun Microsystems, Inc.