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「総合的な音楽エンターテインメントの発信」というコンセプトの第一弾としてジュークボックスを企画 その第一興商が新しい音楽サービスの検討を始めたのは、2006年夏のことだった。翌2007年春のリリースを目指して企画/開発が進められていた新商品「Premier DAM(プレミアダム)」向けに、斬新なサービスを探していたのである。 第一興商 開発本部 DAMシステム運用部 システム課 課長の永田明峰氏は「最初は映像を含む情報サービス系のメニューを増やすプランもあったのですが、ビジネスの現実面を考えると、弊社の原点である音楽に集中すべきという判断に落ち着きました。そこで、『ビッグエコーなどのカラオケ店舗を総合的な音楽エンターテインメントの発信地にする』とのコンセプトに基づき、カラオケと着メロ以外の音楽メニューを増やそうと考えたのです」と、当時を振り返る。 その有力案として浮上したのが、ネットワーク配信型のジュークボックスだ。通信カラオケ用にアレンジされたものではなく、市販の楽曲をそのままPremier DAMに配信することによって「新曲を聴いて練習したい」「オリジナル曲をその場で確認したい」という利用者の声に応えることが、そのねらいである。 ただ、そうした音楽ソースは権利関係が複雑で、第一興商といえども自前で楽曲データを集めてビジネスに乗せるのは容易ではない。早期に実現させるには、既存の楽曲配信サービスと提携する方が賢明であることは明らかだった。 その相手として第一興商が選んだのは、株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズの「JUQUest(ジュークエスト)」である。JUQUestは2005年7月にスタートしたジュークボックス向けネットワーク配信サービスで、当時すでに約5,000種類のコンテンツをそろえていた。 ![]() 高可用性のシステムの開発をスモール・スタートで進める ネットワーク配信型のジュークボックスを実現するには、楽曲検索と楽曲再生の2機能とそのためのデータが必要になる。このうち、検索用の楽曲情報については、ソニー・ミュージックコミュニケーションズとの交渉の結果、第一興商のデータセンターに蓄積することが可能となった。楽曲データは、利用者が購入するつどダウンロードする方式である。 楽曲検索と再生指示を行うシステムの開発にあたって、第一興商は「スモール・スタート」(小さく始めて大きく育てる)を基本方針とし、以下の3つの目標を掲げることにした。
高い可用性が求められる理由を、永田氏は「通信カラオケのビジネスでは、24時間365日、いつでもアクセスできることが大前提となります」と説明する。楽曲検索/再生指示機能の障害が原因となって利用者がJUQUestから配信を受けられなくなる事態だけは避けなければならなかったのだ。 同社では、それまで、DAMシリーズ用のすべてのシステムを信頼性に優れたSPARCサーバとSolarisの組み合わせで稼動させている。しかし、開発コストを抑制するために、このシステムについてはサーバも限定しないこととした。 信頼性第一の観点からSolaris OSベースのシステム提案を採用 ![]() このようなシステム要件の提案招請に応じた数社の中から選ばれたのが、Solaris 10 OS on x86とPCサーバを組み合わせた株式会社フライトシステムコンサルティングのシステム提案である。 「Linuxにも興味はありましたが、信頼性第一の観点から、弊社の使い慣れたSolaris OSをベースとするシステム提案を選びました」と、永田氏は採用決定の理由を語る。 DAMジュークボックス・システム(仮称)は、5台のPCサーバと2基のストレージで構成されている(図)。可用性を確保するために、3台のWebサーバはロード・バランサーによって、2台のデータベース・サーバはフライトシステムコンサルティングのクラスタ製品「FLIGHT Total Cluster」によって、それぞれ冗長化された。楽曲情報を格納するOracleデータベースは、定期的に行われるファイル転送処理によって常に最新の状態に保たれる。 検索と再生指示の処理は、Webアプリケーション方式で行われる。利用者がカラオケ店舗などにあるDAMステーションの画面でジュークボックスを選ぶと、それを受け取ったWebアプリケーション・サーバは検索画面を返す。アルバム名/楽曲名/アーティスト名などを指定した検索の結果はDAMステーションに返送され、利用者がそれを購入すると、JUQUestから楽曲データがPremier DAMに送り込まれて再生が始まる仕組みだ。 今後はコンテンツを増やして10万曲のジュークボックスへと拡張 完成したDAMジュークボックス・システムは、Premier DAMの発売に合わせて、2007年4月19日に本稼動を開始。当初の提供コンテンツは洋楽のみだが、曲数は約7,000と多い。「これで、総合的な音楽エンターテインメントの発信を実現するためのツールが1つそろうことになりました」というのが、サービス・インにあたっての永田氏のコメントだ。 提供されるコンテンツは、今後、さらに拡張されていく。邦楽の追加はすでに既定の方針となっており、2年後には洋楽邦楽合わせて10万曲達成を目標としている。システム・リソースはこの規模に合わせて設計されているが、足りなくなるようなら、サーバやストレージを追加していけばよい。また、同じ仕組みを使って、ジュークボックス以外のコンテンツをDAMステーションから利用できるようにしようという構想もあるとのこと。 総合的な音楽エンターテインメントの発信を目指す第一興商の夢を、これからもSolaris OSは力強く支えていく。 |
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