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TIS株式会社

概要

「ソフトウェア開発」「アウトソーシング・サービス」「ソリューション・サービス」をビジネスの三本柱とするTIS株式会社は、セキュリティ強化、生産性向上、TCO削減を目指し、クライアント環境をPCからSun Rayへと移行を推進している。2005年4月にスタートした導入検討/評価プロジェクトでは、まず、20種類以上のシンクライアント製品を調査し、サーバ集約型のSun Rayに注目した。試行導入期間を経て、業務の効率化・標準化とセキュリティ強化の両立、そして運用等のコスト削減が図れると判断し、2006年2月から1事業部に対してSun Rayクライアント約300台の段階的な導入を開始している。

利用者は「業務遂行にも特に支障がなく、セキュリティ・パッチ適用等のわずらわしさから解放され、業務環境の維持にかかる工数が減った」と評価している。長期的には55%のTCO(機械費と運用費)削減効果が試算されるなど、コスト面での定量効果も確認できた。TISは自社導入の経験を基にシンクライアント・ソリューションを展開している。

主な課題
得られた結果
  • セキュリティの強化
  • 生産性の向上
  • TCOの削減
  • セキュリティレベルが向上した
  • 長期的にはTCO内の機械費と運用費を55%削減できると試算
  • これまでと同様の業務環境をシンクライアント環境で実現
  • 端末管理や資産管理の負荷を大幅に削減
  • 端末からの騒音と発熱が低減
  • オフィスの気温が一定に保ちやすくなった/オフィスの体感温度が下がった

1971年設立のTIS株式会社は、「ソフトウェア開発」「アウトソーシング・サービス」「ソリューション・サービス」を事業の三本柱とする大手システム・インテグレーターである。本社は東京都港区と大阪府吹田市で、2006年3月31日現在の従業員数は2,475名を数える。

TISにとって、セキュリティ対策は以前からビジネスの根幹にかかわる課題であった。顧客と交わした機密保持契約を守るためにも、信頼されるシステム・インテグレーターであり続けるためにも、データ流出などのセキュリティ事故は絶対に避けなければならないからだ。

その一方で、従来のクライアントPCには解決すべき課題が多いと、TISには映っていた。同社で基盤フレームワークを担当していた小林千恵氏(現:営業推進本部 営業企画部)は、具体的な課題として次のようなものを挙げる。

「システム・インテグレーターである当社では、プロジェクト・チームごとに業務の進め方が異なります。そこで、クライアントPC管理の一部は部門のIT基盤担当者や利用者自身に任せていました。しかし、頻繁に発行されるセキュリティ・パッチへの対応など、各PCの管理負荷が高まっていました。また、外出の多い営業担当者などのPCのセキュリティ対策レベルが低下することも考えられ、抜本的な見直しが必要になっていました」

川口 利恵子 氏
TIS株式会社
営業推進本部
営業企画部
主任
川口 利恵子 氏
小林 千恵 氏
TIS株式会社
営業推進本部
営業企画部
小林 千恵 氏

これらの課題を「セキュリティ強化」「生産性向上」「TCO削減」の3点に整理したTISは、クライアント側をPCからシンクライアントに切り替えることによる解決を志向した。ハードディスクを内蔵せず、リソースを集約できるシンクライアントなら、ウィルス感染やデータ流出などの問題が原理的に発生しないからである。

2005年4月に始まった調査・検証フェーズでは、機能、操作性、運用性、可用性とデータ保護などについての比較検討が20種類以上のシンクライアント製品について行われた。その結果、候補として選ばれたのがSun Rayである。同社にてシンクライアントの営業推進を担当する川口利恵子氏は、選定の理由を「当社の要件を満たすのは、サーバでリソースを集約する方式でした。SunRayは、その方式の中でも、運用の管理性、管理品質、運用工数の削減などの項目で最も期待できるソリューションでした」と語る。

続く7月から9月までは30人規模の試行環境を構築し、Microsoft Office、Lotus Notes、自社開発のクライアント/サーバ型業務アプリケーションといった全社共通アプリケーションだけでなく、TISのメインビジネスの1つであるアプリケーション開発での利用に向けた検証を実施。業務がPCと同様に行えるか、操作は快適か、などの評価が行われた。

評価結果が良好であったことから、TISは、シンクライアント・システムの全社導入も視野に入れることができるようになった。そして2006年2月より、第一次導入として、Sun Rayクライアント約300台の段階的な導入を開始した。

構築したSun Rayシンクライアント環境は、液晶パネル一体型のSun Ray 170/Sun Ray 270、SunRay Server、Sun Secure Global Desktop Server、Terminal Serviceの各コンポーネントから成る(図)。Sun Ray Serverなどにかかわる部分はSunが、Microsoft Windows ServerのTerminal Serviceにかかわる部分はTISが、それぞれ構築を担当した。

ユーザが利用する際には、TIS独自デザインのSmar t CardをSun Rayに差し込んでからユーザIDとパスワードを使ってSun Rayシステムにログインし、そして既存の認証環境を経てWindows Terminal Server上の自分のデスクトップ環境が起動される。将来予定されているソフトウェア開発環境やデータセンタ運用保守環境としての利用では、SunSecure Global Desktop Server経由でメインフレームやUNIX/Linuxサーバに接続することもできる。

Sun Rayは、執務スペースのデスクだけでなく、会議室やミーティングスペースにも設置された。会議室のSun Rayは会議の効率化とペーパーレス化がねらいである。また、オフィス・スペースの利用効率向上を目指し、スマートカードのモビリティ機能を活用して営業部門のフリーアドレス化が図られた。


第一次導入フェーズを締めくくるにあたって、TISは具体的な定性効果と定量効果の調査・測定も行った。
定性効果としては、まず、セキュリティ・レベルの向上がある。「当社では情報資産のセキュリティ・レベルの測定を定期的に行っています。その結果、第一次導入フェーズの対象になった部門ではセキュリティ・レベルが高まったことが確認できました」と、小林氏は話す。また「部門でIT基盤担当を兼務している者が、緊急セキュリティ・パッチなどの対応から解放され、自分本来の業務に専念できるようになりました」(川口氏)というのも生産性向上における大きなポイントだ。

また、TCO削減に関しては、導入当初、従来の機械費、運用費より、55%削減できるとの試算が得られていた。端末のセキュリティ対策や資産管理等にかかる費用の大幅な低減、端末のリース期間の長期化などにより、中長期的な範囲での効果が明確になったためである。そして、第一次導入を経て、クライアントの集約率をより上げられることが実証されたため、機械費および運用費は当初試算よりも抑えることができる見込みである。

すでに使っている社員の間でも、Sun Rayの評判は非常に良いという。役員、管理職、一般社員を問わず「PCと同じように使えています」とか「室内が静かになり、端末が熱くならないので空調の利きもよくなりました」といったコメントが寄せられていると小林氏は話す。

TISの第一次導入フェーズのシンクライアント環境

第一次導入フェーズを経て、TISはさらなるシンクライアント化推進を計画している。PCからシンクライアント端末にすることで、情報セキュリティ実施細則におけるクライアント端末のリスク値は大きく改定される予定だ。また、ソフトウェア開発を委託しているパートナー企業やオフショア開発向けの環境についても、シンクライアント化が検討されている。

さらに、TISが得意とするカード・ソリューションとの連携によって、Sun RayのSmart Card(接触式)を社員証ICカード(非接触式)と統合していく構想もある。現状では方式が異なるので2枚のカードを使い分けているが「1枚のカードで端末利用と入退室の両方を管理できるようになれば、セキュリティ強度をさらに高めることができます」と小林氏は期待をふくらませる。

自社へのSun Ray導入プロジェクトで得られたノウハウを基に、TISは「Sun Rayスタートパック」の外販を2006年7月より開始した。これは、ハードウェア、ソフトウェアおよびセットアップサービスを含み、SunRayのスタートパックとして、初めてMicrosoft Windows環境を実現したものである。そして、シンクライアントの導入検討から運用までトータルにサポート/提供するTISのソリューションに大きな関心が寄せられている。

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