20種類以上のシンクライアント製品の中からリソース集約管理型のSun Rayソリューションを選択 これらの課題を「セキュリティ強化」「生産性向上」「TCO削減」の3点に整理したTISは、クライアント側をPCからシンクライアントに切り替えることによる解決を志向した。ハードディスクを内蔵せず、リソースを集約できるシンクライアントなら、ウィルス感染やデータ流出などの問題が原理的に発生しないからである。 2005年4月に始まった調査・検証フェーズでは、機能、操作性、運用性、可用性とデータ保護などについての比較検討が20種類以上のシンクライアント製品について行われた。その結果、候補として選ばれたのがSun Rayである。同社にてシンクライアントの営業推進を担当する川口利恵子氏は、選定の理由を「当社の要件を満たすのは、サーバでリソースを集約する方式でした。SunRayは、その方式の中でも、運用の管理性、管理品質、運用工数の削減などの項目で最も期待できるソリューションでした」と語る。 続く7月から9月までは30人規模の試行環境を構築し、Microsoft Office、Lotus Notes、自社開発のクライアント/サーバ型業務アプリケーションといった全社共通アプリケーションだけでなく、TISのメインビジネスの1つであるアプリケーション開発での利用に向けた検証を実施。業務がPCと同様に行えるか、操作は快適か、などの評価が行われた。 執務スペースのデスクだけでなく会議スペースにもSun Rayを設置
共有スペースにもSun Rayを置き、
会議のペーパーレス化を推進している
営業部門はフリーアドレス化し
Sun Rayを設置した 評価結果が良好であったことから、TISは、シンクライアント・システムの全社導入も視野に入れることができるようになった。そして2006年2月より、第一次導入として、Sun Rayクライアント約300台の段階的な導入を開始した。 構築したSun Rayシンクライアント環境は、液晶パネル一体型のSun Ray 170/Sun Ray 270、SunRay Server、Sun Secure Global Desktop Server、Terminal Serviceの各コンポーネントから成る(図)。Sun Ray Serverなどにかかわる部分はSunが、Microsoft Windows ServerのTerminal Serviceにかかわる部分はTISが、それぞれ構築を担当した。 ユーザが利用する際には、TIS独自デザインのSmar t CardをSun Rayに差し込んでからユーザIDとパスワードを使ってSun Rayシステムにログインし、そして既存の認証環境を経てWindows Terminal Server上の自分のデスクトップ環境が起動される。将来予定されているソフトウェア開発環境やデータセンタ運用保守環境としての利用では、SunSecure Global Desktop Server経由でメインフレームやUNIX/Linuxサーバに接続することもできる。 Sun Rayは、執務スペースのデスクだけでなく、会議室やミーティングスペースにも設置された。会議室のSun Rayは会議の効率化とペーパーレス化がねらいである。また、オフィス・スペースの利用効率向上を目指し、スマートカードのモビリティ機能を活用して営業部門のフリーアドレス化が図られた。 セキュリティ・レベルが向上し長期間使用によってTCOを大幅に削減する効果が見込める 第一次導入フェーズを締めくくるにあたって、TISは具体的な定性効果と定量効果の調査・測定も行った。 また、TCO削減に関しては、導入当初、従来の機械費、運用費より、55%削減できるとの試算が得られていた。端末のセキュリティ対策や資産管理等にかかる費用の大幅な低減、端末のリース期間の長期化などにより、中長期的な範囲での効果が明確になったためである。そして、第一次導入を経て、クライアントの集約率をより上げられることが実証されたため、機械費および運用費は当初試算よりも抑えることができる見込みである。 すでに使っている社員の間でも、Sun Rayの評判は非常に良いという。役員、管理職、一般社員を問わず「PCと同じように使えています」とか「室内が静かになり、端末が熱くならないので空調の利きもよくなりました」といったコメントが寄せられていると小林氏は話す。 2007年度以降全社規模へと拡大社員証ICカードとの統合もねらう 第一次導入フェーズを経て、TISはさらなるシンクライアント化推進を計画している。PCからシンクライアント端末にすることで、情報セキュリティ実施細則におけるクライアント端末のリスク値は大きく改定される予定だ。また、ソフトウェア開発を委託しているパートナー企業やオフショア開発向けの環境についても、シンクライアント化が検討されている。 さらに、TISが得意とするカード・ソリューションとの連携によって、Sun RayのSmart Card(接触式)を社員証ICカード(非接触式)と統合していく構想もある。現状では方式が異なるので2枚のカードを使い分けているが「1枚のカードで端末利用と入退室の両方を管理できるようになれば、セキュリティ強度をさらに高めることができます」と小林氏は期待をふくらませる。 自社へのSun Ray導入プロジェクトで得られたノウハウを基に、TISは「Sun Rayスタートパック」の外販を2006年7月より開始した。これは、ハードウェア、ソフトウェアおよびセットアップサービスを含み、SunRayのスタートパックとして、初めてMicrosoft Windows環境を実現したものである。そして、シンクライアントの導入検討から運用までトータルにサポート/提供するTISのソリューションに大きな関心が寄せられている。 関連事例
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