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そうしたことから、スカパー!では早い時期から映像コンテンツのデジタル化、番組送出システムの自動化に取り組んできた。サンとスカパー!との関係が始まったのは、2002年に導入された初期のシステムからだ。 「当時、デジタルビデオ・アーカイブのソフトウェアには、米国フロント・ポーチ・デジタル社の製品以外に選択肢がほとんどありませんでした。この製品は当時、日本に代理店すらありませんでしたが、サンはフロント・ポーチ・デジタル社のビデオ・アーカイブ・マネージャのインテグレーションから、サポートまで一貫して請け負ってくれたのです。これは助かりました」と、スカパー! 技術・開発本部 技術1部 マネージャーの荒木崇成氏は振り返る。 ワールドワイドで事業展開するサンには、すでに海外においてフロント・ポーチ・デジタル社のビデオ・アーカイブ・マネージャの導入実績があり、世界のチームが日本をサポートした。こうして、当時の日本ではまだ希少だったデジタルビデオ・アーカイブ・システムの導入を成功させることができたのである。サンならではのサポート力に対する好評価も、新システム選定の重要な一要因となった。 国内最大級となるデジタルビデオ・アーカイブにサンのテープ・ライブラリ製品を採用 2002年、青梅放送センターに導入されていた初期の番組送出システムは、2005年ころには、番組送出システムの制御や性能面でまたチャンネル数増加への対応などにおいて、スカパー!にとって必ずしも満足のいくシステムではなくなっていた。新番組送出システムの導入プロジェクトがスタートしたのは、そのためである。 「新システムの導入にあたって、最も重視したのは信頼性です。放送事業者の財産である映像のデジタルコンテンツを安全に保管でき、かつ、番組の送出を安心して任せられなければ意味がありませんから。また、放送系のシステムなので当然、止めることはできません。そのため、停止しない信頼性の高いシステムが必要とされるのです」(スカパー! 技術・開発本部 技術1部 マネージャー 清水基至氏)
スカパー!では、新番組送出システム導入にあたって数社のストレージ・システムを比較したという。その結果、デジタルビデオ・アーカイブ・システムの根幹をなすライブラリー装置として採用されたのが、Sun StorageTek SL8500テープ・ライブラリだった。 「旧システムを導入した当時と違って、今ではストレージ・システムの選択肢が豊富になっています。テープだけではなく、ハードディスクで構成するシステムも可能になりました。そうした中からSun StorageTek SL8500を選んだのは、やはり、それまでのシステムでサンの製品を利用していた実績と、それに裏付けられた信頼性にあると思います。 例えば、我々の場合は、ストレージ単体で買えばよいというわけではありません。ストレージは、放送のアーカイブ・マネージャと連携して動作しなければならないのです。そういった意味では、サンには当社での導入実績がありましたから、安心して任せることができました。それと、これだけの規模のシステムでありながら、導入コストも想定の範囲内で抑えることができました」 新番組送出システムのキーになるのは、リクエストに応じてMPEG-2などで格納されたビデオ・データを呼び出すビデオ・アーカイブ・システムである。アーカイブ・システムは、MPEG-2データを保管する大規模ライブラリ装置、ライブラリから読み出したデータを一時保管するキャッシュ・ディスク装置、そして全体を管理するアーカイブ・マネージャからなる。 Sun StorageTek SL8500は、世界最大級のテープ・ライブラリ装置で、筐体の追加やパススルー・ポートを用いた連結が可能で、最大20万巻までスケーラブルに拡張できる特徴を持つ。 スカパー!では、テープのローディングから読み出しまでの所要時間などを考慮し、大容量テープは採用せず、長尺用に200GB/巻のSun StorageTek T9940Bを、また短尺用に40GB/巻のSun StorageTek T9840Cを採用、総計約1.2PB ―― 6,000巻構成、放送事業者から提供の映像で約15万時間分 ―― のビデオ・データが収容できるシステムを構築した。元の映像テープだけで運用した場合に比べると、スペース効率は数10倍以上だ。 また、テープ容量が長尺用と短尺用に分かれている背景には、放送システム特有の事情がある。 キャッシュ・ディスク装置には、同じくSun StorageTek Flexline FLX380を採用。4GBpsのファイバー・チャネルに対応したクラス最高水準のディスクアレイ・システムである。このStorage Tek Flexline FLX380では、ライブラリ装置とビデオ・アーカイブ・システム間のデータをキャッシュすることで高速な通信を可能にしている。 充実したサポート体制がもたらす高い信頼性 導入された新システムは、60チャンネルもの番組送出を行うものである。 以前は放送準備に係るオペレーター1名あたりの担当可能チャンネル数が2チャンネル程度だったが、新システムでは6チャンネルと大幅な効率化を実現している。またこのような大規模システムにもかかわらず、大きなトラブルに見舞われることもなく、順調に運用してきている。それゆえ、放送事業者に対しても、安定した信頼性の高いサービスを提供することができている。 順調な運用を実現した要因の1つとして、清水氏はサンの構築支援や保守などのサポートを高く評価している。 多チャンネル放送サービスを提供するスカパー!において、デジタルビデオ・アーカイブ・システムの重要性は、今後さらに大きくなることは間違いない。この傾向は、他の放送事業者にとっても同様ではないだろうか。スカパー!の新番組送出システムの実績は、放送業界にとっても貴重な経験になったと言えそうである。 |
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