製造からメンテナンスまでの販売系データを一元的に管理する仕組みが完成したことにより、設計、生産、営業などの社内の各部署が同じデータを共有できるようになりました。
Oracle RACとの親和性の高さと信頼性の高さでSolaris OSを選択 ![]() 新販売システムを支えるSun Fireと
Sun StorEdge このような構想に基づく新販売システムの開発プロジェクトは、2006年5月にスタートした。開発にあたっては、まず、システム基盤のOSをSolaris OS、アプリケーション・サーバをOracle Application Server、データベース・サーバをOracle Data baseと想定した。 この前提に基づいて業務アプリケーションの設計・プログラミング作業を進めつつ、システム・テストが始まるまでに具体的なハードウェア/ソフトウェア製品を決めて導入するという進め方にした。 その後設計を進めるうち、データベース・サーバについては、業務アプリケーションの可用性・拡張の柔軟性への影響等も考慮し、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)でいくことに最終決定した。 Solaris OSを採用した第1の理由は、メインフレーム並みの信頼性が得られることにある。 「オープン系にもいろいろなOSがありますが、『基幹系システムにはUNIX』というのが弊社の方針です。新販売システムは、いわゆる事務系のシステムでしたから、UNIXの中でも信頼性と汎用性の両面で優れるSolaris OSを選びました」と、南氏は語る。 第2の理由は、高いスケーラビリティと高い信頼性を低コストで実現するOracle Gridとの親和性。「システム拡張に備えた柔軟性を確保するために、ぜひOracle Gridを使いたいと思っていました。そこでユニアデックスと相談して、最終的にSolaris OSに決定しました」と南氏は経緯を話す。 国内初の取り組みとなったOracle RACの6ノード構成 さらに、Oracle RACサーバでは複数ノードの構成が想定されたこと、世界中からの利用にいつでも応えられることが前提とされたことなどから、データベース・システム全体の可用性を確保する必要があった。そのため、クラスタ管理ソリューションとしてSun Clusterを採用した。Sun Clusterをダイハツディーゼルに推奨したのは、本稼動用の基盤となるハードウェア/ソフトウェアのシステム・インテグレーションを担当したユニアデックス株式会社 関西ICTシステムサービス統括部 ソフトウェアサービス部 担当部長兼DB&Unix統括プロジェクトリーダーの三宅 権氏。 「Oracle RACとの組み合わせ実績はSun Clusterが圧倒的に多く、さらにストレージ、ソフトウェアのバージョン、ノード数などあらゆる角度から調査、検討した結果、最も信頼性があり、最も自信を持って推奨できる組み合わせと判断しました」と、三宅氏は振り返る。 また、ユニアデックスの営業部門としては、「サーバやOSと同じサンのミドルウェアを採用することにより、運用や将来的な対応も容易になると考えられます」(ユニアデックス 関西営業統括部 営業部 副部長の西中康弘氏)という判断もあったようだ。 新販売系システムは、ビジネスロジック層からデータアクセス層、運用管理にいたるあらゆる階層でのグリッド・コンピューティングを実現している。その機器構成が固まったのは、2007年2月のこと。ビジネスロジック層のOracle Application ServerにはSun Fire V245、データアクセス層のOracle RACサーバ(6ノード構成)にはSun Fire V490を配し、販売系の全データをSun StorEdge 9985上で集中管理するアーキテクチャが最終的に選ばれた(図)。 ![]() 図:新販売システムの基盤の構成
データベースのバックアップには、Sun StorEdge 9985のShadowImage機能を活用している。ストレージの機能だけで瞬時に正ボリュームから副ボリュームへデータを同期し、さらに副ボリュームを論理的に切り離す。その後で副ボリュームから、バックアップ・サーバ経由でテープにバックアップを取得する。大規模データベースのバックアップが業務システムに影響を及ぼさないよう、ディスク・トゥ・ディスク・トゥ・テープ(D2D2T)方式が採用されている。 Sun ClusterとOracle RACの6ノードという構成は、トランザクション処理系とバッチ処理系データベースの組み合わせ、データベース構造と対応する業務アプリケーションなどを様々に試行錯誤した後、最適解としてそこに至ったという。6ノードの内訳は、トランザクション処理系4ノードとバッチ処理系2ノードであり、トランザクション処理系のノードに障害が起きた時にはバッチ処理系のノードが利用されるHAクラスタ構成になっている。これらが結果的に国内初の事例となった。 販売系データを一元化 今後は経営分析にも活用 新販売システムが稼動を開始したのは、2007年5月。システム基盤の導入は同4月に始まり、およそ1か月という非常に短い期間で本稼動へと至っている。 2007年6月からは業務システムを順次乗せ替える作業に取り組んでおり、補給部品システムの移行が完了する2008年4月をもって最終ゴールを迎えた。 新販売システムが同社のビジネスにもたらす効果について、南氏は「製造からメンテナンスまでの販売系データを一元的に管理する仕組みが完成したことにより、設計、生産、営業といった社内の各部署が同じデータを共有できるようになりました。業務システムの仕様には、エンドユーザのニーズを可能なかぎり反映させましたから、半年から1年後にはその効果が出てくるものと信じています」と語る。 最重要視していたシステムの信頼性については、「ハードウェア障害が発生したとしても、Sun Clusterによって自動的にカバーされますから、業務システムの障害にはつながりません」と、南氏は満足している。 基幹系システムのオープン化と販売系データの一元化に道筋を付けたダイハツディーゼルは、そのデータを経営分析にも活用していこうと考えている。「販売データと需要分析を比較できるようにしたり、工場の稼動状況をリアルタイムにモニタリング可能にしたりすることによって、経営層が業務を可視化できるようにしなければなりません」と南氏。新販売システムのデータベースは、その基礎データとしても使われていくことになる。 また、災害復旧(DR:Disaster Recovery)や事業継続性(BC:Business Continuity)の確保も対応が急がれているテーマの1つ。まずはデータベースのコピーを外部サイトに待避しておくことから始め、ゆくゆくは短時間での業務再開ができるシステム作りを目指していく。 信頼性と可用性の高さに加え、Oracle RACとの親和性でも選ばれたSolaris OSとSun Cluster。24時間365日、一時も停止させることができない業務システムで実績を残しつつ、今後もダイハツディーゼルの発展を支えていくのである。 関連事例
|
製品/ソリューション
インテグレーター
関連情報関連業種
| |||||||||||||||||||||||||||