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旭化成ネットワークス株式会社

概要

宮崎県延岡市に本社を置く旭化成ネットワークス株式会社は、旭化成グループの一員であり、地震が少なく、主要都市から適度な距離があるといった地の利を活かし、延岡インターネット・データセンターを運営している。その旭化成ネットワークスが、データセンターに求められる高度な情報漏洩対策を実現するためのソリューションとして、サンのシンクライアント・ソリューションであるSun Rayを採用。それまで使っていたクライアントPCをオフィスから一掃することで、個人情報保護にかかわる第三者認証制度「JIS Q 15001準拠プライバシーマーク(Pマーク)」などが容易に取得できたという。

システム構築面での最大の特徴は、Microsoft Windows Server 2003のターミナルサービスに加え、オフィスから一掃されたクライアントPCをサーバ・ルームに格納してSun Rayサーバに接続したこと。リース期間が残るIT資産を無駄にしないための工夫である。さらにサーバ・ルーム内に無線LANアクセス・ポイントを設置することにより、ノート型のSun Ray 2Nをシステム管理や構成管理用の端末としても使えるようにした。

また、Sun Ray環境を自ら構築したことで、構築ノウハウを蓄積。同社の顧客がリモートでデータセンター内のサーバにアクセスするときにSun Ray端末を利用するといったサポートも可能になった。Sun Ray環境が、同社のサービス充実にも活かされているのである。

主な課題
得られた結果
  • 情報漏洩対策の強化
  • Pマークの取得
  • 社員が安心して使えるクライアント環境の構築
  • データセンター内で動きやすいように、無線LANに対応したクライアント環境の構築
  • 情報漏洩対策が確立できた
  • Pマークの取得などが容易になった
  • リース期限の残るクライアントPCの有効活用ができた
  • 低消費電力でかつ、高いパフォーマンスを得られた
  • ノート型のSun Ray 2Nをデータセンター内のサーバのコンソール端末として利用することで、移動しながらメンテナンスが可能になった
  • ノート型のSun Ray 2Nをデータセンター内の無線LAN接続で利用することで、移動しながらメンテナンスが可能になった

旭化成グループの一員である旭化成ネットワークス株式会社は、「延岡インターネット・データセンター」を運営するIT企業である。同社が営業を開始したのは、2004年8月。ハウジング、コロケーション、マネージドなどのサービスは、宮崎県延岡市にある広さ1,700㎡のファシリティを通じて提供されている。顧客には、旭化成グループの企業のほか、官公庁や一般企業も多い。

旭化成ネットワークスのビジネスは、顧客のデータやIT設備を預かることにあるため、データセンターに対しては特に高度のセキュリティが要求される。外部からの侵入を排除することはもちろん、内部からの不法なデータ持ち出しを防ぐための対策も不可欠。その対策の1つとして、同社は当初からシンクライアントを第一の候補に位置づけていた。

「シンクライアントを検討するにあたって、最初はデータセンターの共有モニターとしてSun Ray端末を3台導入しました」と語るのは、旭化成ネットワークス 代表取締役社長の岡本幹夫氏。データセンターでは24時間365日の連続業務になるので、システム運用管理を担当するシステム・エンジニアやオペレータごとにPCを用意するのではなく、個人ごとのICカードで共有端末を切り替えて使う運用方法を試すことにしたのである。

このトライアルを通して、同社はシンクライアント方式にはセキュリティ対策以外にも多様な活用法があることを確信。社内に設置されていた全てのクライアントPCをシンクライアントに置き換えることを前提に、候補となる機種の調査を開始した。

調査を担当した旭化成ネットワークス サービス企画・営業部 部長の天沼宏幸氏は、Sun Rayシステムの採用に至った経緯を次のように語る。

「いくつかの方式と機種を調べたところ、ブレードサーバでクライアントPCを動作させる方式のソリューションより、Sun Rayの方がトータル・コストを低く抑えられると分かりました」

また、岡本氏は、Sun Rayシステムが10年以上の歴史を持つ方式であること、使い勝手がしっかりしていること、技術情報がオープンに公開されていること、サポートが充実していることなども高く評価。最終的に、Sun Ray端末を同社のシンクライアント端末として正式採用することに決めた。そして、Sun Rayシステムの構築は、ノウハウの蓄積などを目的に、旭化成ネットワークスが自ら手がけていくことになる。

延岡インターネット・データセンターへのSun Rayシステムの導入は、二段階のステップで行われた。最初の正式導入は、2007年5月。

「データセンター内のオペレータ・ルームと事務室に10台のSun Ray端末を導入し、バックオフィス業務やドキュメント管理で使うことにしました」と、旭化成ネットワークス センター運用部 部長の磯部敏朗氏は話す。

その後、2008年3月までに、他の部門が置かれている事務棟にも38台のSun Ray端末が順次導入されていった。段階を踏んで導入したのは、2007年12月に予定されていた個人情報保護にかかわる第三者認証制度「JIS Q 15001準拠プライバシーマーク(Pマーク)」の取得申請手続きに合わせて作業を進めたため。天沼氏は「Pマークの取得申請書類には、どのようなセキュリティ対策を行っているかを記入する欄があります。全社レベルでSun Ray端末を導入した結果、審査もスムーズに進みました」と振り返る。

岡本幹夫 氏
旭化成ネットワークス株式会社
代表取締役社長
岡本幹夫 氏
天沼宏幸 氏
旭化成ネットワークス株式会社
サービス企画・営業部
部長
天沼宏幸 氏
磯部敏朗 氏
旭化成ネットワークス株式会社
センター運用部
部長
磯部敏朗 氏
渡邊 洋 氏
旭化成ネットワークス株式会社
センター運用部
渡邊 洋 氏
セキュアなSun Ray端末は、社員からも安心して使えると高く評価されている
セキュアなSun Ray端末は、社員からも安心して使えると高く評価されている
データセンターでサーバのコンソール端末として使用されているノート型のSun Ray 2N
データセンターでサーバのコンソール端末として使用されているノート型のSun Ray 2N

導入が完了した時点でのシステム構成は、図1のようになっている。2台のSun Fire V20z上で動作するSun Rayサーバは、データセンターのサーバ・ルームに置かれていて、Microsoft Windows Server 2003のターミナルサービスとMicrosoft Windows XPの操作画面をSun Ray端末に向けて送信。DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバとしては、Sun Fire V100がデータセンターと事務棟に1台ずつ置かれている。データセンター及び事務棟の事務室と会議室に置かれているSun Ray端末は、Sun Ray 2N、Sun Ray 2、Sun Ray 1の三機種。ユーザの業務特性に合わせて、使い分けが図られている。

ユニークなのは、ターミナルサービスを動作させているサーバだけでなく、社員が使用していたMicrosoft Windows XPベースのPCもSun Rayサーバに接続していること。その理由を、岡本氏は「リース期間が満了していなかったことから、PCをサーバ・ルームに移してSun Rayサーバに接続することにしました」と説明する。

図1 延岡インターネット・データセンターに導入されたSun Rayシステムの構成
図1 延岡インターネット・データセンターに導入されたSun Rayシステムの構成

社員はそれまで使っていたPCへSun Rayからログインするようになっただけ。つまり、Sun Rayの画面上には、使い慣れたPCの画面と環境が、そのまま利用できるようになっている。

また、ポータビリティに優れるノート型のSun Ray 2Nは、サーバ・ルーム内でシステム管理や構成管理を行うための端末としても使われている。この目的でサーバ・ルームには無線LANのアクセス・ポイントが用意されていて、Sun Ray 2NとLANケーブルなしでの接続を実現。

「オペレータやシステム・エンジニアはラックの前にSun Ray 2Nを持って行き、ファイル・サーバの共有フォルダにアクセスして、フロア・レイアウト図、ラック内レイアウト図、設定マニュアルなどを参照しながら管理作業をしています」と、旭化成ネットワークス センター運用部の渡邊 洋氏は言う。

Sun Rayサーバとして導入されたSun Fire V20z
Sun Rayサーバとして導入されたSun Fire V20z

Sun Rayシステムを導入した結果、旭化成ネットワークスは情報漏洩対策に留まらない効果を実感している。

「データセンター専業である当社の売り物は、セキュリティです。お客様からはセキュリティ対策について頻繁に聞かれますが、クライアントPCを全てSun Ray端末に置き換えたことをお話しすると、『セキュリティ対策がしっかりしているデータセンターだ』と理解していただけます」と岡本氏。

さらに「導入時にイニシャル・コストはある程度かかりましたが、これからはクライアントPCを頻繁に買い換える必要もなくなりますから、トータルのITコストは下がると見込んでいます。今にしてみれば、なんで、もっと早く導入しなかったのかと思うぐらいですね」と付け加える。

また、磯部氏は「以前データセンター内で使っていたクライアントPCでは、USBポートを使用不能にするといった作業にかなり苦労しました。Sun Ray端末はそうした設定も簡単に行うことができ、手間がかかりません」と評価している。

社内のシンクライアント化を自らの手で構築した旭化成ネットワークスは、その経験を活かし、今後はSun Rayシステムを同社のサービスにも展開していくことを考えている。

「例えば、延岡インターネット・データセンターのお客様向けにSun Ray端末ベースのリモート接続サービスを提供することも予定しています。VPN(仮想専用線)で接続し、Sun Ray端末からお客様のシステムの設定変更などをセキュアに行っていただくサービスです。それとは別の話になりますが、コンタクト・センターや派遣事業者など、個人情報を数多く取り扱っている企業からセキュリティ対策について相談されることがよくあります。その時に、Sun Rayシステムをベースとしたソリューションをご提案できればとも考えています」と岡本氏。

データセンターに求められる高度なセキュリティ対策として始まったSun Rayシステムの導入は、オフィスでの手軽な情報保護ソリューションとしても重宝され、そして同社のサービスとして新たな展開を迎えようとしている。

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