クライアントに専用端末や専用ソフトが不要、ブラウザだけで活用できる点が魅力でした。また、撮影した講義の映像は、めんどうな編集作業などをすることなく配信できます。「英語の津田塾」は英語力アップをシステム面からもサポート
同ソリューションのコアとなるnice to meet youは、主に映像配信の機能を担っており、録画された講義は編集工程を必要とせずに、画像データをサーバにアップするだけでオンデマンドの映像配信を実現する。また、講義中に講師が使用するプレゼンテーション画面を、学生の座席に設置されたパソコンに映し出す機能も持つ。 今回導入したハードウェアは、アプリケーション・サーバとしてSun FireTM X2100 M2が2台とコンテンツ・サーバとしてSun Fire X4100 M2が1台。これまでもサンのハードウェアを活用する経験のある津田塾大学は、「サンのシステムはファイルサーバや認証基盤などで永年使用している実績があり、とても安定的に稼動しています。非常に信頼性が高いシステムだと評価しています。e-Learningシステムの運用においても、トラブルは起きていません」(石井氏)という。 受講生の半数以上がe-Learningシステムを活用 ![]() 情報科学英語の授業風景。学生達が研究成果を英語で発表していた。写真中のカメラで授業風景を撮影し、授業終了後にその映像を配信する
e-Learningシステムを活用しているのは、情報ビジュアライゼーションを研究する「情報科学英語」という専門科目である。その背景を、今回のe-Learningシステムの導入を主導した津田塾大学 学芸学部 情報科学科 教授の青柳龍也氏は、次のように語る。 「津田塾大学では、2006年度から全学科を対象にメディアスタディーズ・コースを設置しました。マルチメディアやインターネットなど、メディアが重要なポジションを占める時代に、文系や理系を問わず、ここでは高い英語力が求められます。英語で専門知識をより深く理解してもらえるようにする工夫が必要となります。このような経緯からe-Learningシステムのような仕組みが必要だと考えるようになりました」 情報科学英語の講義は英語のみで行われるため、受講生にはTOEICテストが600点以上というハイレベルな英語力を前提としている。とはいえ、日常的に使っている日本語とは勝手が違うため、講義内容を聞き逃したり、専門用語が聞き取れなかったりすることもある。そのため、「学生は講義を聴き直したり、講義で使われたプレゼンテーション資料を見直したり、講義で出された課題を確認したり、といったことにe-Learningシステムを使っています」と、情報科学英語を担当するトニー・マレン(Tony Mullen)氏は利用状況を説明する。 運用を開始したばかりのe-Learningシステムだが学生への浸透度はすでに高く、受講者のうち半数以上が活用しているという。 学生はカメラ撮影が入ることを特に意識しておらず、講義への影響もないという。ただ、「データとして残ってしまうので、私は間違ったことを言わないように注意しています(笑)。それはともかく、e-Learningシステムに最適な講義のあり方は追求していきたいと考えています」とマレン氏は意欲的に話す。 e-Learningの有効性を実感 新たな講義のあり方も検討へ ![]() e-Learningソリューションを支えるサンのサーバ群
nice to meet youを核とした津田塾大学のe-Learningシステムは、現在のところ、学内のネットワーク上に設置されたパソコンのみを画像配信の対象としており、学外からのアクセスは制限している。将来的には学外に解放することも検討していくが、石井氏は現時点では慎重な姿勢を示している。 「1つの理由として、講義では多くの文献や映像や図表などの資料を使うケースがありますが、それをインターネットに載せた場合の著作権をどのように扱うべきか、学内にとどまらない大きな懸案です。また、システム的にも、学生のアイデンティティ管理と講義画像へのアクセス権限を連携管理するなど、様々なセキュリティ対応策が学外からの利用に向けた今後の課題ですね」 一方で、他の講義への拡張には取り組んでいく考えだ。青柳氏は「社会人として活躍する卒業生から、学生時代にもっと英語をやっておけばよかった、と聞くことがあります。津田塾大学出身だと、英語力を期待されることが多いですから。そう思わずに済むようにするためにも、e-Learningシステムをもっと広く活用させていきたいですね」と語る。 また、石井氏は「nice to meet youにはライブ配信機能もありますから、その機能を利用した講義も検討していきたいですね」と期待を寄せている。 青柳氏も「英語強化目的のみならず、Face to Faceの講義を補完する学習ツールとして他の教員にとってもメリットのあるシステムだと思っています。情報科学英語での成果を通じて、そのメリットを見せていきたいですね」と語り、自身も時間のあるときには情報科学英語の講義へ足を運び、今後の展開に向けた考えをめぐらせているという。 英語授業の復習用として始まった津田塾大学のe-Learningシステム。専門科目を英語で理解するという当初のゴールは達成しつつあるようだ。今後は新たな講義形態を生むきっかけのツールとしても、活用されていくことになりそうだ。 関連事例
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