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株式会社NTTデータ(保険・共済事業本部)

概要

生損保業界向けに「NTTデータ保険会社共同ゲートウェイ」という情報サービスを提供している株式会社NTTデータ 金融ビジネス事業本部 保険・共済ビジネスユニット。同ビジネスユニットは、共同ゲートウェイにおいて、本番環境・開発環境などそれぞれのシステム環境にアクセスする必要があることから、セキュリティや利便性などの向上をねらい、システム維持管理端末のシンクライアント化を企図。シンクライアント・ソリューションの領域で豊富な実績を持つ同社の基盤システム事業本部に機種選定を依頼した。

基盤システム事業本部はまず、シンクライアント端末として、高度なクライアント認証をICカード内蔵の社員証で行えるSun Rayを選択。システム更改の際などに接続する環境が増えることを見越し、1枚のICカードで管理対象システムを切り替えられるようにと、VMware Viewとの組み合わせを提案した。VMware ESX上で稼動する管理コンソールを、Sun Ray SoftwareからSun Ray Connector for VMware Viewを経由して利用する形態である。

約1か月の設計・構築期間を経て、Sun RayとVMware Viewによるシンクライアント環境は2009年3月末に完成した。今後については同ビジネスユニットの他のチームへの展開が期待されている。

主な課題
得られた結果
  • システム維持管理端末のセキュリティ強度をさらに高めること
  • 管理対象の増加に応じて専用端末も増えることが想定されていた
  • システム維持管理端末のセキュリティ強度のさらなる向上
  • 1枚のICカードで複数の環境を利便性よくセキュアに管理
  • 机上スペースが空き、作業しやすくなった
  • Sun Ray+VMware View環境の実用性を証明できた

導入された主な製品

Sun Fire X4150
Sun Fire X4150サーバは、クアッドコア インテル Xeon プロセッサを搭載し...
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Sun Ray Server Software 4
Sun Rayソフトウェアは、Microsoft Windows/Linux/Solari...
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Solaris 10 OS
1000種類以上のx86プラットフォームやSPARCプラットフォームでサポートされており、...
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IT業界のリーダーとして、様々な業種や業界向けに多種多様な情報サービスを提供している株式会社NTTデータ。生損保業界向けに提供されている「NTTデータ保険会社共同ゲートウェイ」も、その1つ。保険の販売代理店が複数の生損保会社にシングルサインオン(SSO)接続できるようにする基盤システムだ。

この保険会社共同ゲートウェイの開発と運用を担当する金融ビジネス事業本部 保険・共済ビジネスユニットでは、これまでシステム維持管理端末にPCベースのものを専用端末として独立した形で使ってきた。

もちろん、PC環境は標準装備のままで使っていたわけではない。

「PCはごく普通のものですが、暗号化ソフトウェアと操作ログ取得ソフトウェアを組み込み、各種ポートやリムーバブル・メディア用のポートに機能制限を加えるなど、セキュリティ対策を施してあります」と語るのは、NTTデータ 金融ビジネス事業本部 保険・共済ビジネスユニット 保険ネット担当・課長代理の高宮一彦氏。

「社内のセキュリティ監査にもきちんとパスしており、システム維持管理業務を遂行するうえでセキュリティ面の懸念は全くありませんでした」とも付け加える。

高宮一彦 氏
株式会社NTTデータ
金融ビジネス事業本部
保険・共済ビジネスユニット
保険ネット担当 課長代理
高宮一彦 氏
中村健雄 氏
株式会社NTTデータ
金融ビジネス事業本部 保険・共済ビジネスユニット
保険ネット担当
中村健雄 氏

その一方で、保険会社共同ゲートウェイのビジネスにおいては、よりセキュアな環境による運用体制を整え、これまで以上に大きな安心を顧客(生損保会社/保険販売代理店)に提供していく必要もある。

このように判断した保険・共済ビジネスユニットは、システム維持管理のための端末として、シンクライアントの調査と検討を開始した。

内部にデータを一切保存しないシンクライアントは、情報漏洩リスクをきわめて小さくできるほか、たとえ端末に障害が発生してもデータが失われることがなく、端末の配布や管理に要するコストも小さいといった長所がある。

実は、NTTデータは各種のシンクライアントを一部部署で業務に使用しているユーザでもあり、また、それを組み込んだソリューションを販売しているソリューション・ベンダーでもある。

坂野雅子 氏
株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部 仮想化ビジネスプロジェクト
コーディネーター
坂野雅子 氏
青木成人 氏
株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部 仮想化ビジネスプロジェクト
コンサルタント
青木成人 氏
山本晋 氏
株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
仮想化ビジネスプロジェクト
コンサルタント
山本晋 氏

高宮氏はシンクライアント・ソリューションの開発と販売をしている基盤システム事業本部に連絡を取り、保険会社共同ゲートウェイ業務のニーズにあったシンクライアント端末を提案してもらうように依頼した。2008年冬のことである。

依頼を受けた基盤システム事業本部は早速、保険・共済ビジネスユニットの担当者に対するヒアリングを開始。要件を把握し、候補製品を選び出す作業にとりかかった。

「お客様にヒアリングをしたところ、管理対象となる各環境毎に運用端末が個別に存在し、運用管理者は自席に複数の端末を並べて、維持メンテナンス対応をなさっていました。ですから、(1)1台の端末で複数の環境の運用画面を操作できること。(2)物理的な端末に制約を受けることなく、誰でもどの端末からも同じ操作ができること。これらを実現し、セキュリティ強度を維持しつつ同時に利便性も向上するシンクライアント環境を構築する必要がありました」と語るのは、NTTデータ 基盤システム事業本部 仮想化ビジネスプロジェクト コーディネーターの坂野雅子氏。

図1 Sun Ray+VMware View環境で管理対象システムを切り替える方法。Sun Rayにログオン後、管理対象システム用の管理コンソールが稼動しているパーティションを選ぶ。(1)ICカードをSun Ray端末に挿入する/(2)ユーザーアカウント情報を入力する/(3)利用する仮想マシンを選択する/(4)Microsoft Windows XPの画面が表示される
図1 Sun Ray+VMware View環境で管理対象システムを切り替える方法。Sun Rayにログオン後、管理対象システム用の管理コンソールが稼動しているパーティションを選ぶ。

「Sun Rayシンクライアント端末を使えば、ICカードを換えることで別の環境にセキュアにアクセスできるため、1つめの要件は容易に満たせます」と坂野氏は説明する。

基盤システム事業本部 仮想化ビジネスプロジェクトでは、シンクライアントのソリューションとして仮想PC型シンクライアントを推奨している。シンクライアント端末として、Sun Rayを採用することで、スマートカード(ICカード)とさらにユーザID、パスワードによるユーザ認証で、高いセキュリティを確保できるうえ、離席時にはカードを抜くだけで画面の盗み見を防止できる点など、他のお客様からも評価されている。

Sun Rayでのユーザ認証は、ISO/IEC7816準拠のスマートカードで行う仕組み。社員証をSun Ray用のスマートカードと兼用することにより、ユーザIDとパスワードだけの組合せよりも一層高いセキュリティ強度を確保しつつ、より使いやすいクライアント環境を提供できる。管理対象の環境毎にそれぞれICカードを用意することで、管理者は1台のSun Rayから作業することができるというわけだ。

しかし、それだけでは不十分だった。

「Sun Rayはクライアント認証をスマートカードで行う方式ですから、複数の管理対象業務にセキュアにログオンしようとすると、複数枚のスマートカードを使い分けなければなりません。そのため、Sun Rayだけではせっかくの使いやすさが損なわれてしまうと考えました」と、NTTデータ 基盤システム事業本部 仮想化ビジネスプロジェクト コンサルタントの青木成人氏も語るように、複数枚のICカードを管理し持ち歩くことは、管理者の利便性低下につながりかねない。

Sun RayとVMware Viewの組合せならいけるのではないか、そう考えた坂野氏は、開発チームのスペシャリストに技術的な事項をチェックしてもらい、検討を詳細化していった。

VMware製品に長年かかわってきた青木氏は、Sun RayとVMware Viewの組合せを提案した理由を次のように説明する。

Sun Ray Connectorは
Sun Ray Connectorは"VMware Ready"認定を取得

「VMware Viewは、最もよく知られている仮想シンクライアント製品の1つ。VMware仮想化環境上でデスクトップOSを仮想マシンとして動作させるタイプのシンクライアントです。このVMware ViewとSun Rayを組み合わせると、1ユーザ複数デスクトップに対応したVMware View仮想化環境とSun Ray用スマートカードの認証による高いセキュリティを結合した、高度な仮想化環境を構築することができます」

ユーザはSun Rayシンクライアント端末にスマートカードを挿し、パスワードを入力する。端末から送られるアカウント情報をもとにView Managerサーバに接続され、次にView Managerの管理画面が表示される。ユーザはここで認証情報に基づいた接続先デスクトップを選択するという使い方ができ、複数枚のスマートカードを使い分けなくて済むのである(図1)。

そして、この組合せを可能にしたのが、Sun Ray Connector for VMware Viewである。

図2 Sun Ray+VMware View環境で稼動している保険会社共同ゲートウェイ業務用のシステム構成
図2 Sun Ray+VMware View環境で稼動している保険会社共同ゲートウェイ業務用のシステム構成

2009年2月、基盤システム事業本部は以上のような検討結果に基づく提案書を作成して、保険・共済ビジネスユニットに提出した。

「Sun Ray SoftwareからVMware ESXへの接続には、1月にリリースされたばかりのSun Ray Connector for VMware Viewを採用しました」と語るのは、VMware製品やSolaris OSのエキスパートであるNTTデータ 基盤システム事業本部 仮想化ビジネスプロジェクト コンサルタントの山本晋氏。「新しいプロダクトということもあり、当社としては初めての組合せでしたが、VMwareへの取り組みは7年以上の経験があり技術者も豊富におりますし、"VMware Ready"の認定を取得したSun Ray Connectorということもあり、自信を持って提案することができました」と振り返る。

システムの構築に要した期間は、わずかにおよそ1か月。2009年3月末には図2のようなシステムが完成した。

「当初は試行環境として使いたいとの要望でしたので、1台のSun Fire X4150にVMware ESX 3.5を組み込み、その上に構築したパーティションでSun Ray Software 4、VMware View 3.0.1、システム維持管理用の管理コンソールを動作させる構成にしました」と山本氏。

保険・共済ビジネスユニットに導入されたSun Rayシンクライアント端末は、Sun Ray 2とSun Ray 2FSがそれぞれ10台ずつ。その効果を、高宮氏は「これまでは、環境毎に専用デスクトップを複数台置く必要がありましたが、Sun RayとVMware Viewの環境ではシンクライアント1台で済むので、作業効率は格段にアップしました。端末にデスクを専有されるスペースもぐんと減ってすっきりし、広く使えるようになりました。将来的には社内OA環境の仮想化により、さらなる作業効率の向上を期待しています」と話す。

デュアルモニターで使用しているSun Ray 2FS。左側に作業手順書、右側にコンソールを表示するなどにより、問い合わせの対応がしやすくなったという
デュアルモニターで使用しているSun Ray 2FS。左側に作業手順書、右側にコンソールを表示するなどにより、問い合わせの対応がしやすくなったという

また、Sun Ray 2FSは、デュアルモニター対応であることを評価しての採用。システム維持管理にあたるNTTデータ 金融ビジネス事業本部 保険・共済ビジネスユニット 保険ネット担当の中村健雄氏は「左側に作業手順書、右側にコンソールを表示させています」と使い方を説明する。

Sun RayとVMware Viewによる仮想化とシンクライアントの環境は、保険会社共同ゲートウェイ業務での稼動状況をみながら、保険・共済ビジネスユニットの他のチームへの適用も検討していく予定だ。

さらに、長期的にはアプリケーション開発ツールを稼動させるための基盤としても使われる見通しである。「保険販売代理店へのシステム販売もありえます」と、高宮氏は言う。

高度なセキュリティと使いやすさを両立する、Sun RayとVMware Viewの組み合わせ。仮想化環境が加わることにより、NTTデータはSun Rayの可能性がより大きく広がったと実感している。

導入された主な製品

Sun Fire X4150
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