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株式会社三菱東京UFJ銀行

概要

株式会社三菱東京UFJ銀行は、東京三菱銀行とUFJ銀行が2006年1月1日に合併して発足した。口座数は約4,000万あり、それゆえ、社会的な影響は大きく、システム統合には万全を期した対応が必須であった。システム統合の手順としては、合併時は東京三菱銀行とUFJ銀行の既存システムを並行稼動させながらデータ連携を進める対応(Day1)を採り、その後、システム本格統合対応(Day2)として、インフラの増強、機能差分の開発、新システムへのデータ移行を順次実施し、2008年12月までに完了している。

Day2プロジェクトは、世界最大規模のシステム構築プロジェクトであり、その規模は総予算2,500億円、総工数は11万人月という途方もない巨大さであった。新システムに求められる処理性能は旧システムの最大3倍に達することから、その膨大なデータを格納でき、快適に活用できるストレージ環境が不可欠であり、Day2プロジェクトにおいて大きなカギを握っていた。その構築を支えたのが、サンの仮想テープシステム・ソリューションである。

主な課題
得られた結果
  • 合併によりシステム統合後はデータ量と処理量が3倍になる
  • 大量のデータを高速に処理できる基盤を構築する
  • 社会的な影響が大きいメガバンクのシステム統合をトラブルなく完了させる
  • 膨大なデータをトラブルなく円滑に処理できている
  • 業務処理に影響のないレスポンスを確保し、今後のデータ量増加にも対応できる基盤が構築できた
  • システム統合を順調に完了させることができた

導入された主な製品

Sun StorageTek SL8500
Sun StorageTek SL8500モジュール構成ライブラリシステムは、その信頼性、...
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Sun StorageTek Virtual Storage Manager System
Sun StorageTek Virtual Storage Manager(VSM)sy...
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大規模な金融機関の統合が続いた中で東京三菱銀行とUFJ銀行の合併は、その規模だけではなく、システム統合という点でも大きな注目を集めていた。

日本を代表するメガバンクの誕生であるがゆえに、合併に伴う作業は過去に例がないほど大規模なものになるからである。

そのため、システムをどう統合するかは、三菱東京UFJ銀行のシステム担当はもとより、システム構築にかかわったメーカーやSIベンダーなどにとっても、これまでに経験のない大きなプレッシャーであったことは想像に難くない。

そうした中でシステム統合のカギを握るものの1つが、膨大なデータを格納するストレージである。

ちなみに、処理量の多さを示す1つの指標として、テープライブラリのマウント数で表現するなら、三菱東京UFJ銀行の場合は、ピーク時間帯で1時間当り約10千マウントにも上るという。

これだけ膨大なデータ量ともなると、その影響は三菱東京UFJ銀行内に留まることはない。

黒沢三智也 氏
株式会社三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室長 兼 多摩ビジネスセンター所長
黒沢三智也 氏
佐々木三男 氏
株式会社三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 運用管理グループ 次長
佐々木三男 氏
古川次男 氏
株式会社三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 運用管理グループ システム管理チーム チームリーダー
古川次男 氏

「システムが止まったら銀行業務が成り立たないだけでなく、社会インフラとしても絶対に止められないシステムと言えます」と、三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室長 兼 多摩ビジネスセンター所長 黒沢三智也氏はその影響を語る。

しかも、システム統合によって、新システムでは旧システムと比較して約3倍のデータ量へと一気に拡大することになる。

データ量が3倍になるということは、すなわち、処理されるジョブの件数も相応に3倍になることを意味し、夜間バッチのスピードは改善しなければならないことを意味する。

「本番システムを稼動させつつ、3倍のデータ量、処理量に対応させるよう拡張もしていくというのは、ゼロから構築する作業と比べ、非常に大変な作業です」と、三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 調査役 本多 弘氏が語るように、システム統合と一口で片付けられないほどの規模を相手にする作業であった。

阿部哲也 氏
株式会社三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 上席調査役
阿部哲也 氏
本多弘 氏
株式会社三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 調査役
本多弘 氏
図1 システム構成図
図1 システム構成図

システムの中枢となるメインフレームとデータを保管するテープライブラリの間には、データを格納するストレージと、そのストレージ上に構築した仮想テープシステムが置かれている。前述のピーク時間帯10千マウント/hというのは、並列化された仮想テープシステムがあってこそ実現できる数字であり、物理的なテープライブラリだけでは到底処理できるものではない。

システム統合で構築した仮想テープシステムの基本的な仕組みは、3倍のデータ量と処理量への対応を除けば、システム統合前の旧システムと変わらない。以前から、Sun StorageTek Virtual Storage Manager(VSM)System及びSun StorageTek Virtual Tape Control Systemなどを中心とするサンのストレージ・ソリューションにより、仮想テープシステムを実装していた。そして今回も、サンのストレージ・ソリューションを採用している。

その背景について、三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 運用管理グループ 次長の佐々木三男氏は次のように語る。

「データ量が増えれば当然、処理件数も増えます。データ量が3倍になるからといって、処理に3倍の時間がかかるということは絶対に許されません。サンのソリューションはこれまでも実績があり高く評価していましたが、何より、当行の規模とスピードを満たすことができるのは、サンの仮想テープシステムしかありませんでした」

しかし、メガバンクのシステム統合という膨大なデータ量に対応するストレージ・システムを構成するのは、サンにとっても挑戦であった。

「システムを統合し、これまでの3倍の規模になるデータを従来と同じように全くストレスなしに扱いたい。それが仮想テープシステムのDay2です。これは我々としても経験したこともない未知の分野にチャレンジすることでした。そのため、サンにもあらゆる知恵を絞り出してもらいました」と黒沢氏。こうして仮想テープシステムのDay2対応は、三菱東京UFJ銀行とサンの二人三脚で進められたのである。

膨大なデータ量を相手にパフォーマンスを確保するのは簡単ではなかった。

「取り組んだのは、『パフォーマンスの維持』『障害の極小化』『フェイルセーフ機能の充実』の3つの課題でした。中でも最も大きな課題は、やはり、パフォーマンスでした。そこでサンの日本法人だけでなく、米国本社も加わってもらって対策を練りました」と話すのは、三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 運用管理グループ システム管理チーム チームリーダーの古川次男氏。

それぞれの課題に対して三菱東京UFJ銀行のシステム部とサンは、急ピッチで対応策を検討することになる。サンの米国本社へ出向き、また四半期ごとには米国本社の製品開発部隊のエンジニアが来日するなどして、同行の要件を満たすため協議と改善を重ねていった。こうした継続的な日米サン一体となってのサポートにより、課題は解決した。

「最終的には、貸付/外為システム、預金/為替システム、そして全てのデータが集中する情報系システムの3システムが、それぞれで仮想テープシステムに接続する3分割方式を採用しました。3分割にしても各システムからVSMを共有できることも確認できましたし、これにより、パフォーマンスの課題を解決できました」と話すのは、三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 上席調査役の阿部哲也氏。

これらの対応で、サンのテクノロジーの可用性が改めて評価され、また日米協働のサポート体制などサンに対する信頼は深められていった。これらは、Day2という巨大プロジェクトを完成させるために重要なポイントとなった。そして本番稼動以降、問題は発生していない。黒沢氏の言う「新たな領域へのチャレンジ」を完遂するのに貢献したというわけだ。

Day2のパフォーマンスを支える仮想テープシステム Sun StorageTek Virtual Storage Manager System
Day2のパフォーマンスを支える仮想テープシステム Sun StorageTek Virtual Storage Manager System

仮想テープシステムの3分割等の対応により、Day2以前のパフォーマンスを維持するという当初の課題をクリアしたうえ、各システムのマウント時間はおおむね1秒以内で処理が完了するという高パフォーマンスを実現している。

仮想テープシステムへのマウント処理の遅れが全ての業務の遅延を引き起こすことにつながるため、所定のパフォーマンスを達成できたことで大きなハードルの乗り越えたというわけだ。

Day2で構築した仮想テープシステムは、Day2で増強対応した預金/為替システム、貸付/外為システム、情報系システムの他にも、海外系システム、災害対策サイトのシステム等も導入しており、世界最大規模の台数を誇る仮想テープシステムとなっている。

また、テープ装置にはSun StorageTek SL8500 Modular Library System、Sun StorageTek PowderHorn 9310 Automated Cartridge Systemを各々のシステムに複数台を採用されている。

これだけの規模にもかかわらず、前述のとおり、本番稼動後はトラブルを起こしていない。その一方で、従来にも増して稼動状況のチェックや分析は綿密に行っている。

「事前に打てる手は打つということで、より詳細にチェックや分析を実施しています」と黒沢氏。古川氏は「Day2の進行中も現在でも、よりきめ細かなデータをもとに分析しています。Day2の進行中はサンのサポートとして月2回の分析を依頼していましたし、今後もデータ量の増加、環境変更等、システムは変化していくので、定期的な分析をお願いしています」と、稼動状況の分析は継続していくと語る。

巨大プロジェクトであるDay2を完了し、安定的に統合システム稼動を実現している今、その道のりを振り返り「Day2を完了するまでの間、サンの米国本社にも協力体制を組んでもらい、チームワークを発揮して乗り越えることができました。これからも同様にサポートが重要だと認識しています」と黒沢氏は、メーカーならではのサポートを評価する。サンプロフェッショナル・サービス部門は、システムの構成設計、導入支援サービスに加え、稼動後はパフォーマンス監視・分析報告、及びモデリングなどのサービスを提供し、システムの安定的な継続稼動を支援している。

また、今後の拡張について佐々木氏は、「Day2で構築した仮想ストレージ・システムで、当面予想される年率5%程度のデータ量の増大には安心して対応していくことができます。もはや、2倍や3倍になるようなことはないとは思いますが、今後も引き続き新サービスの提供などによるデータ量の増大に備えて、システム面でも運用面でも万全の体制を維持していく予定です」。

今後同行は、海外システム及びディザスタ・リカバリ(DR)システムなど、ビジネス展開に伴うシステム拡張も計画しているという。黒沢氏は「積極的な取り組みを可能にする基盤ができたので、将来、新システムを開発する際もこの基盤を上手に活用していきたい」と語る。日本を代表するメガバンクは、サンのテクノロジーとサポートに今後も大きな期待を寄せている。

導入された主な製品

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