導入された主な製品
これまでの3倍の規模になるデータを従来と同じように全くストレスなしに扱いたい。それは我々としても経験したこともない未知の分野にチャレンジすることでした。統合により一気にデータ量と処理量が3倍に
膨大なデータ処理にマッチしたサンの仮想テープシステム システムの中枢となるメインフレームとデータを保管するテープライブラリの間には、データを格納するストレージと、そのストレージ上に構築した仮想テープシステムが置かれている。前述のピーク時間帯10千マウント/hというのは、並列化された仮想テープシステムがあってこそ実現できる数字であり、物理的なテープライブラリだけでは到底処理できるものではない。 システム統合で構築した仮想テープシステムの基本的な仕組みは、3倍のデータ量と処理量への対応を除けば、システム統合前の旧システムと変わらない。以前から、Sun StorageTek Virtual Storage Manager(VSM)System及びSun StorageTek Virtual Tape Control Systemなどを中心とするサンのストレージ・ソリューションにより、仮想テープシステムを実装していた。そして今回も、サンのストレージ・ソリューションを採用している。 その背景について、三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 運用管理グループ 次長の佐々木三男氏は次のように語る。 「データ量が増えれば当然、処理件数も増えます。データ量が3倍になるからといって、処理に3倍の時間がかかるということは絶対に許されません。サンのソリューションはこれまでも実績があり高く評価していましたが、何より、当行の規模とスピードを満たすことができるのは、サンの仮想テープシステムしかありませんでした」 しかし、メガバンクのシステム統合という膨大なデータ量に対応するストレージ・システムを構成するのは、サンにとっても挑戦であった。 「システムを統合し、これまでの3倍の規模になるデータを従来と同じように全くストレスなしに扱いたい。それが仮想テープシステムのDay2です。これは我々としても経験したこともない未知の分野にチャレンジすることでした。そのため、サンにもあらゆる知恵を絞り出してもらいました」と黒沢氏。こうして仮想テープシステムのDay2対応は、三菱東京UFJ銀行とサンの二人三脚で進められたのである。 パフォーマンス向上と可用性を重視し業務毎に仮想テープシステムを3分割 膨大なデータ量を相手にパフォーマンスを確保するのは簡単ではなかった。 「取り組んだのは、『パフォーマンスの維持』『障害の極小化』『フェイルセーフ機能の充実』の3つの課題でした。中でも最も大きな課題は、やはり、パフォーマンスでした。そこでサンの日本法人だけでなく、米国本社も加わってもらって対策を練りました」と話すのは、三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 運用管理グループ システム管理チーム チームリーダーの古川次男氏。 それぞれの課題に対して三菱東京UFJ銀行のシステム部とサンは、急ピッチで対応策を検討することになる。サンの米国本社へ出向き、また四半期ごとには米国本社の製品開発部隊のエンジニアが来日するなどして、同行の要件を満たすため協議と改善を重ねていった。こうした継続的な日米サン一体となってのサポートにより、課題は解決した。 「最終的には、貸付/外為システム、預金/為替システム、そして全てのデータが集中する情報系システムの3システムが、それぞれで仮想テープシステムに接続する3分割方式を採用しました。3分割にしても各システムからVSMを共有できることも確認できましたし、これにより、パフォーマンスの課題を解決できました」と話すのは、三菱東京UFJ銀行 システム部 ITサービス室 上席調査役の阿部哲也氏。 これらの対応で、サンのテクノロジーの可用性が改めて評価され、また日米協働のサポート体制などサンに対する信頼は深められていった。これらは、Day2という巨大プロジェクトを完成させるために重要なポイントとなった。そして本番稼動以降、問題は発生していない。黒沢氏の言う「新たな領域へのチャレンジ」を完遂するのに貢献したというわけだ。 想定した業務スピードを維持し安定稼動を継続 ![]() Day2のパフォーマンスを支える仮想テープシステム Sun StorageTek Virtual Storage Manager System
仮想テープシステムの3分割等の対応により、Day2以前のパフォーマンスを維持するという当初の課題をクリアしたうえ、各システムのマウント時間はおおむね1秒以内で処理が完了するという高パフォーマンスを実現している。 仮想テープシステムへのマウント処理の遅れが全ての業務の遅延を引き起こすことにつながるため、所定のパフォーマンスを達成できたことで大きなハードルの乗り越えたというわけだ。 Day2で構築した仮想テープシステムは、Day2で増強対応した預金/為替システム、貸付/外為システム、情報系システムの他にも、海外系システム、災害対策サイトのシステム等も導入しており、世界最大規模の台数を誇る仮想テープシステムとなっている。 また、テープ装置にはSun StorageTek SL8500 Modular Library System、Sun StorageTek PowderHorn 9310 Automated Cartridge Systemを各々のシステムに複数台を採用されている。 これだけの規模にもかかわらず、前述のとおり、本番稼動後はトラブルを起こしていない。その一方で、従来にも増して稼動状況のチェックや分析は綿密に行っている。 「事前に打てる手は打つということで、より詳細にチェックや分析を実施しています」と黒沢氏。古川氏は「Day2の進行中も現在でも、よりきめ細かなデータをもとに分析しています。Day2の進行中はサンのサポートとして月2回の分析を依頼していましたし、今後もデータ量の増加、環境変更等、システムは変化していくので、定期的な分析をお願いしています」と、稼動状況の分析は継続していくと語る。 巨大プロジェクトであるDay2を完了し、安定的に統合システム稼動を実現している今、その道のりを振り返り「Day2を完了するまでの間、サンの米国本社にも協力体制を組んでもらい、チームワークを発揮して乗り越えることができました。これからも同様にサポートが重要だと認識しています」と黒沢氏は、メーカーならではのサポートを評価する。サンプロフェッショナル・サービス部門は、システムの構成設計、導入支援サービスに加え、稼動後はパフォーマンス監視・分析報告、及びモデリングなどのサービスを提供し、システムの安定的な継続稼動を支援している。 また、今後の拡張について佐々木氏は、「Day2で構築した仮想ストレージ・システムで、当面予想される年率5%程度のデータ量の増大には安心して対応していくことができます。もはや、2倍や3倍になるようなことはないとは思いますが、今後も引き続き新サービスの提供などによるデータ量の増大に備えて、システム面でも運用面でも万全の体制を維持していく予定です」。 今後同行は、海外システム及びディザスタ・リカバリ(DR)システムなど、ビジネス展開に伴うシステム拡張も計画しているという。黒沢氏は「積極的な取り組みを可能にする基盤ができたので、将来、新システムを開発する際もこの基盤を上手に活用していきたい」と語る。日本を代表するメガバンクは、サンのテクノロジーとサポートに今後も大きな期待を寄せている。 導入された主な製品
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