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ユーザ導入事例
 
 
株式会社キャスコ
http://www.casco.co.jp/
PDF 543KB
HIGHLIGHTS
Country:
日本
Company:
株式会社キャスコ
Industry/Market:
金融
Application:
出入金を伴う
勘定系業務システム
Hardware:
サーバ:
Sun Fire 4800
Sun Fire 280R
ワークステーション:
Sun Blade[tm] 100
ストレージ:
Sun StorageTek[tm] A1000
テープ・ライブラリ:
Sun StorageTek L20
Software:
勘定系業務システム
Sun[tm] Mainframe Transaction Processing
Sun Mainframe Batch Manager
Solaris[tm]オペレーティング・システム
Support Service:
Sun Education Services
Sun Enterprise Services
SunSpectrum[tm]
Sales partner:
伊藤忠テクノサイエンス株式会社
Integrator:
株式会社アクセス
勘定系システムを
メインフレームから
オープン・システムに移行。
平均2倍以上の
業務処理能力の向上と
運用コストを

約50%削減することに
成功しました。

メインフレーム上で蓄積されたノウハウを犠牲にすることなくかつ短期間でSun Fire[tm] 4800を中心とするオープン・システムに移行。
競争力の高いビジネス基盤の再構築を実現。


概要
オープン・システムへの移行によるコスト削減とビジネス基盤の強化。

大阪市中央区に本社を置く株式会社キャスコは、ニーズに即した個人向け無担保無保証の小口融資ならびに有保証の融資を業務として1962年に創業。関西と関東を中心として全国に幅広く店舗を展開しています。

1999年に、新たな戦略として無人のサテライト店舗を相次いで開設。2002年には、インターネット支店「Casco4U(キャスコ・フォーユー)」をオープンし、積極的な経営展開を行っています。 しかし、現在の長期デフレ不況は、キャスコに代表される中堅の企業にとっても強い逆風となり、コスト体質のさらなる改善と競争力の強化を、解決すべき急務の課題として浮上させています。

こうした課題克服の一環として、同社は2002年6月、金融ビジネスの核である勘定系システムを、IBM社のメインフレームからUNIX[r]ベースのオープン・システム環境にリプレースすることを決定。システム策定/テストを経て、Sun Fire 4800を中心とするシステムを2003年1月より稼動させました。

システム導入の背景
勘定系システムでもTCO削減。

株式会社キャスコ
経営企画室室長
寺田浩太郎氏

 

システム移行の基本方針について、本プロジェクトを牽引してきた経営企画室室長の寺田浩太郎氏は語ります。「確かにオープン・システム移行にはリスクが伴いますが、全社的なコスト削減を徹底する上では、勘定系システムといえども聖域ではありません。メインフレームは本体だけでなく、周辺機器を含めた保守管理、ソフトウェアのライセンス料などの負担が重いのです。当初はメインフレーマーによるシステム移行を検討しました。しかし、移行案は明確なソリューションというレベルには達しておらず、当社のビジネス基盤を強化するという目的に対して実現可能性に欠けるものでした。また、別のベンダーとパッケージでのソリューションも検討しました。しかし、業務ソフトについては、単にオープン・システムのパッケージに置き換えるのであれば、これまで積み重ねてきたノウハウや理念といった無形の財産が失われる恐れがあります。そこでメインフレーム上で稼動している現行プログラムをUNIXサーバに移植するという方法(リホスティング)の検討を開始しました。そこでは、メインフレーム上で蓄積したノウハウを犠牲にすることなく、短期間で新システムをカットオーバーし、かつ、パフォーマンスの向上とコストダウンを実現することを目標としました」。

システム導入のメリット
3社の連携により移行工期を約1/2に短縮。

株式会社アクセス
テクニカルサービスディビジョン
ディビジョン統括
取締役部長
小路口謙冶氏
 

それまで、メインフレーム上で運用されてきた旧システムは、貸付や返済などの入出金を中心として、1日平均15万トランザクションの基幹業務を担っていました。この処理をオープン・システム上で実現するには、接続や制御に関するさまざまな問題を解決しなければなりませんでした。

実際のリホスティングは、金融システムにおけるインテグレータとして多くの実績を有し、旧システムの開発にもあたった株式会社アクセス、伊藤忠テクノサイエンス株式会社(CTC)、そしてSunのプロジェクトによって進められました。

キャスコから打診された当時を振り返り、アクセスの小路口謙冶氏(テクニカルサービスディビジョン ディビジョン統括 取締役部長)は語ります。「金融系にとっての生命線である勘定系システムを移行するということで、絶対に失敗は許されません。また、実質6ヶ月という短期間で、新システムをカットオーバーしなければなりません。非常に厳しい条件ですが、Sunによるリホスティングはすでに海外にたくさんの移行事例があり、リスクはそれほど高くないと判断しました」。

実際のシステム移行にあたって選定されたのは、Sun Fire 4800サーバ、そしてメインフレーム・リホスティング・ソフトウェア製品の「Sun Mainframe Transaction Processing(Sun MTP)」と「Sun Mainframe Batch Manager(Sun MBM)」でした。

Sun MTPは、多くのメインフレームで利用されているトランザクション処理システム「CICS」のアプリケーションを、Solarisオペレーティング・システムにおいてほぼ無修正で動作させるソフトウェアです。これを利用することで、IBMの仮想記憶アクセス方式であるVSAMなどのデータ、COBOLやPL/Iなどの言語で書かれたアプリケーションをSunのプラットフォーム上で使い続けることが可能になります。また、DB2やOracle[r]などのRDBに対するインタフェースも備えています。 一方のSun MBMでは、メインフレームのバッチ処理をSolarisオペレーティング・システム上で再現するためのソフトウェアであり、メインフレームの高度なバッチ処理メカニズムをそのまま継承し、ステップ単位の処理やジョブのリカバリーなどが可能です。メインフレームのジョブ制御言語「Job Control Language(JCL)」についても翻訳機能を使用することにより、MBMマクロとして利用することが可能です。これにより、メインフレーム上で行ってきた様々なバッチ処理をオープン・システム環境に移行することができます。

キャスコとアクセスの両社は、旧システムのアプリケーションのソースコードをCTCの「エンタープライズシステムセンター(ESC)」へ持ち込み、実際にどれくらいの精度で移植することが可能なのか、稼動テストを行いました。ESCは、主要メーカーのメインフレーム上で稼動している基幹業務システムをUNIX環境に実装するにあたり、稼動状況を技術的に検証するとともに、ユーザー企業の移行プロジェクトをサポートすることを目的として、2002年3月に開設された開発センターです。

「Sun MTPならびにSun MBMの適用効果が実証されたことで、今回のプロジェクトの見通しに確信を持つことができました。また、既存の営業店端末やATM端末を活用するためのSNAゲートウェイのほか、キャスコ固有のコマンドなど、Sun MTPやSun MBMの対象にならない機能の代替方式の検証、開発、運用設計、さらには運用システムの開発についても、CTCから的確なソリューションを得ることができました。この段階で新システムの骨格がほぼ固まりました」と、小路口氏は語ります。

こうしてアクセスは、アプリケーションの本格的な移植作業をスタートさせました。「移植するといっても、今あるメインフレーム資産が100%稼動しているわけではなく、すでに不用になったものも数多く混在しています。まずはアプリケーションの棚卸を行い、最小限の作業で移植を行えるように準備する必要があります。プログラム間の連携をはじめ、アプリケーションの分析と検証を徹底して行うことが、結果的に新システムのコストダウンや開発期間の短縮につながるのです」と、小路口氏は語ります。

そこでの問題は、長年にわたって積み重ねてきた巨大なアプリケーションの全体構造は、人間の能力では理解や管理が不可能であるということです。生き物のように常に変化していくアプリケーションに設計書やドキュメントは追いつかないのです。「真実はプログラムの中にしかない」と小路口氏は語ります。そこで、アクセスのIT資産の見直しを行う『AAA(アクセス・アセット・アセスメント)サービス』を用いて、既存資産の約349万ステップを約178万ステップにまで圧縮しました。これにより、予定どおりの6ヶ月という短期スケジュールで、勘定系システムを安全・確実に移行することに成功したのです。

今後の展開
強固なIT基盤により競争力を向上。

株式会社 キャスコ
コンピュータ・センター
 

新システムは、2003年1月4日にカットオーバーを迎えました。勘定系システムとしての必須要件である高い可用性を実現するため、Sun Fire 4800によるクラスタ構成が採用されています。稼動系サーバに万一トラブルが発生した場合でも、遅くとも7分後には待機系サーバが処理を代行する仕組みです。また、SNAゲートウェイとなる通信系サーバにはSun Fire 280Rが採用されており、当初の懸案事項だったメインフレームに接続されていた営業店端末やATM端末の継続利用が実現しています。

「今回のプロジェクトは狙いどおり、いや、それ以上の成果を上げることができたと考えます。メインフレームならびに周辺機器を、Sunサーバを核とした環境にダウンサイジングしたことで、ランニング・コストを従来の2分の1に削減できました。これでも控えめの数字です。というのも、旧システムの処理能力ではデータベースをRDB化するのは難しく、仮にメインフレームで運用を続けていたとすると、さらなる追加投資を迫られるところだったからです。メインフレームでは1000万件のデータベースを含む階層型データベース群で5件/秒の処理能力でしたが、今回の移行ではそれを3000万件に拡張し、さらに全てのデータベースをRDB化し15件/秒に向上しました。因みに負荷テストの結果では50件/秒以上までパフォーマンスの低下はみられないことが実証されています。そうしたプラスアルファの部分も考慮すれば、コスト削減の効果は、さらに大きいものがあったといえます」と、寺田氏は評価します。加えて、新システムのパフォーマンスに、まだまだ余力が残されていることも、将来の機能拡張に向けた大きなメリットです。単純に比較することはできませんが、新システムのパフォーマンスは従来の2倍以上。現在のトランザクション数は、1日あたり20万件に増加しているが、それでもピーク時のCPU負荷は30%以下、アベレージでは20%程度にすぎません。これにはログ解析のためのモニター・プログラムの処理も含まれているので、実際のパフォーマンスはもっと高いレベルにあり、今後チューニングを進めていくことで、さらなる改善が期待できます。「基幹系業務をメインフレームから移行し、情報系を含めた全社的なプラットフォームがオープン・システムに統一されたことにより、システム関連の人材育成も一貫したポリシーのもとで取り組むことが可能になりました。COBOLをはじめとするレガシーなIT資産の運用に貴重な人材や時間を割くことなく、WebやJava[tm]など、これからの主流となる技術のスキルやセンスを磨いていくことに、全力を注ぐことができます」と、寺田氏は語ります。

市場開拓、新たな商品やサービスの展開、事業の多角化など、今後いかなる経営戦略を推進していくにしても、その成否の鍵を握っているのは情報であり人材に他なりません。企業の競争力向上のための基盤となるトータルな環境を、同社は今回のシステム移行によって手に入れました。

この新たなプラットフォームによる将来のビジネス拡張に耐え得る強力なIT基盤を活用し、キャスコは更なるチャレンジを行っています。

(無断転用禁止)

導入機種:
Sun Fire 4800
Sun Fire 280R
Sun Blade 100
Sun StorageTek A1000
Sun StorageTek L20



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