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株式会社ファーストリテイリング

概要

もはや何も説明する必要がないくらい国民的カジュアル・ブランドへと成長を遂げたUNIQLO。店内にはあらゆるサイズ、あらゆる色、あらゆる種類の商品が取り揃えられており、消費者は自分の感性にあった商品を自分のペースで選び、購入することができる。このスタイルは、妄信的な有名ブランド信仰の時代に終わりを告げ、スマート・チョイス志向を日本に定着させ、新たなるブランド価値を生み出すまでに至ったといえる。一方、UNIQLOの業務に目を向けてみると加速度的に売り上げを拡大した時期から安定成長期を迎えた現在までの過程で、仕入れ販売から生産販売へと質的な変革が起こっている。さらに『世界品質』の旗頭の下、今やそのまなざしは世界各国の市場へと向けられている。世界の誰もが欲しくなる世界品質の商品、世界の誰もが入りたくなる世界品質の店舗、世界に通用する世界品質の人間たち。それらを結集することで、真のグローバル・ブランドへの成長を目指しているのだ。

こうしたビジネス環境の劇的な変化、さらにはシステムが会社のスケールにあわなくなっていたことを契機に、業務の見直しとシステムの見直しを同時に行う『G4プロジェクト』がスタートした。

主な課題
得られた結果
  • 本部完全主導型ビジネスからの転換
  • グローバル企業への発展
  • 単純小売業から製造小売業への転換
  • 店舗自律型ビジネスの構築
  • 海外に水平展開できる業務システム
  • 販売と生産の連動

G4プロジェクトは、Generation、つまり世代が変わるくらい根本に立ち返って業務を見直そうという意志が込められている。UNIQLOの母体である株式会社 ファーストリテイリング 執行役員 業務システム部長岡田章二氏は、その出発点に関してこう語る。

「G4プロジェクトの構想を考え始めたのが2000年くらいなのですが、急激に売り上げが上昇したことにより、仕事のやり方や情報システムも変化していかなければならない状況におかれていました。それまで利用していたシステムは1995年に立ち上げたシステムだったので、会社のスケールや業務の内容にあわなくなっていたのです。」

株式会社ファーストリテイリング
執行役員
業務システム部長
岡田 章二 氏

岡田氏はこう続ける。「その当時、どういう変化が起こっていたかというと、もともと業務は物流と販売だけやっていましたし、古いシステムはその部分だけをカバーしていました。しかし、モノを仕入れて売る会社からモノをつくって売る会社へと変わっていったので、生産管理といった新しい業務も加わるようになりました。また、国内では通信販売を始めましたし、中国や英国にも進出するなど海外展開も始まりました。その都度、国内では店舗販売と通信販売、海外店舗は中国と英国でそれぞれ個別のシステムを構築し、改善してきていましたが、開発の工数もコストもかかっていました。」

業績推移(ファーストリテイリング単体)

国内事業の急激な成長と海外市場への展開、関連事業開発への着手。こうした背景から、世界で戦える商品とサービスの世界品質を実現するため、2001年春に正式にG4プロジェクトが立ち上がった。

UNIQLOにとって、G4プロジェクトは単に新システムの導入計画にとどまるものではなかった。UNIQLOのミッションである「いつでもどこでも誰でも着られるファッション性のある高品質のベイシック・カジュアルを、価値ある価格で継続的に提供する。」ことを実現するためのプロジェクトだったのだ。

この目標を達成すべく、岡田氏を中心とした業務システム部は業務改革推進のリーダとして、海外を含むUNIQLO事業全体を支える基盤である業務システム開発の実行にあたった。G4プロジェクトにおける業務改革のポイントは大きく3つに分かれていた。以下は岡田氏による解説である。

一.本部完全主導から店舗自律へ

「我々はもともと、300店舗、売り上げ1,000億ぐらいなら本部主導で集中的に管理するほうが効率的だと思っていました。しかし、それを超えるとそれぞれの店舗が裁量をもって商売する必要があると考え、店舗自律型への転換をはかりました。例えば、地域の特性にあわせた在庫の持ち方に変更するなど店長個々の判断でできるようにしたのです。もちろん、店長が独自に判断するようになると負担も増えてきますから、例えば人員構成の支援など、店長の業務をサポートするシステムも必要となります。」

UNIQLOにおける業務の進化

二.国内販売から海外展開対応へ

「二つ目のポイントは海外展開をふまえ、国内だけに通用するシステムでなく、どこの国でも通用するスタンダードなシステムを構築することにありました。実際に私自身、英国や中国のシステム開発に携わったことがあるのですが、商習慣というのは国によって異なります。日本の商習慣を見ても世界から見れば特殊と言えます。ですから国内の商習慣にとらわれない業務とシステムの構築を目指しました。」

三.単純小売業から製造小売業へ

「もうひとつ、販売に応じた生産調整を実現するシステムを目指しました。経営計画から生産までを完全に連動させ、お客様の多様なニーズに対応しながら生産効率を高め、顧客満足度と利益の向上をはかるということです。」

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G4プロジェクトにおけるシステム選定は、業務の見直し→ソフトウェア選択→ミドルウェア→ハードウェアの順で行われた。「G4プロジェクトの大きな目的が、情報システムの改善ではなく業務改革にあったので、まずは業務の見直しから行いました。」実際、これからの業務はどうあるべきか、何が必要かという視点にもとづきゼロからスタートしたために、担当者レベルで現行システム機能から改善ポイントを洗い出すといったことは一切しなかったという。岡田氏によると「例えば、帳票など見直しなさいという聞き方をすると、担当者は今あるものを直そうという視点で考えるので、改善はできても業務改革にはならないのです。なので、全てをあるべき業務の視点でゼロから全社で見直しました。」ということだ。

では、そうした流れの中で、いかにしてサンがプラットフォームに選ばれたのか。

「業務改革のポイントでふれたように、我々は国内だけでなく海外でも通用する業務システムを目指していました。そこで海外の事例を数多く見て回りました。その中でこれはという基幹業務ソフトウェア、Retekに出会いました。」Retekは、大規模なチェーン展開を行っているブランドが多く採用しているのをはじめ、最近、注目を集めている流通業界向けの基幹業務ソフトウェアだ。

しかし、岡田氏曰く、「当時はまだ海外でもそんなに多くの事例はありませんでした。各プラットフォーム・メーカーのシステムを検討しましたが、サンは大規模な流通メーカーのRetekの運用実績があり、我々自身もサンのシステムを導入/運用した経験を持っていました。実際にそれまで全てオープンなシステムを選んできており、成功していたので、サンのプラットフォームを選定しました。」通常、サーバの導入にあたっては、パフォーマンスのベンチマークなどが重要なポイントとなるケースが多いが、日本で初めてRetekを導入したUNIQLOにとって、海外でのサンの先進ユーザの事例が何よりも信頼のおけるベンチマークとなったのだ。

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現在、UNIQLOではRetekのプラットフォームとしてSun Fire 15K 2台が稼動している。しかし、導入にあたっては、国内初であるが故の苦労も絶えなかったという。岡田氏は当時をこう振り返る。「やはり海外で実績があっても日本では初めてということでシステムのサイジングなど、いろいろ苦労もありました。例えば、障害があってもその問題の切り分けなども難しいと思います。しかし、サンはその問題に向き合って、逃げることなくひとつひとつ問題をクリアしてくれました。実際に初期の問題を乗り越えた後は、問題なく動いています。」

では、導入の効果は具体的にどこに現れているのだろうか?

「業務のやり方そのものも変わっているところが多いので、業務改革とあいまった効果としていえば、ずいぶん効果が出ていると思います。パソコンを立ち上げただけで全員が前日の売り上げを知ることができるなど、利便性も向上していますし、店舗の作業効率も良くなっています。また、店舗が独自に商売を回していくということができるようになり、システムを道具としてうまく活用して頑張れば頑張っただけ、個人個人の成果が違いとなって目に見えるようになりました。」英国においても、今では日本からの支援だけで情報システムが動いているという。

また、「会社の成長に応じたスケーラビリティを実現するには、あまり自分たちで持ちすぎないのがポイント。」という岡田氏の言葉にあるように、 UNIQLOではキャッシュの最適配分という考えから、リースによる導入が有効であるという考えを持っており、今回のシステム導入においても当初からリースを予定していた。リースであれば、若干の料率の差以外ではどこも大きく変わらないというUNIQLOに対し、企業競争力の維持と投資保護の観点から サンとサン・マイクロシステムズ・ファイナンス(以下SMF)が最適なプランとして提案したのが長期レンタル(オペレーティング・リース)だ。

G4システム基盤

システムの開発/投資保護は、長年にわたり蓄積された膨大なアプリケーションやデータを、将来にわたり有効に利用することによってもたらせる。 サンのシステムは製品ラインナップ間ならびに新/旧機種間における互換性が保たれており、高性能なマシンへと移行しやすい特長を持っている。これが企業の競争力維持と投資保護を両立させる重要なアドバンテージとなっている。一方、企業経営の観点から見たとき、いったん投資したシステムの変更やリプレースについては、財務や会計面など様々な制約をうけることになり、競争力維持とのジレンマが生じる。

長期レンタル(オペレーティング・リース)は、提供元であるSMFが機器のn年後の市場価値低下のリスクを取ることによって成立しており、陳腐化の早いコンピュータ機器では、メーカーの直系ファイナンス会社でなければ提供が困難なリース・モデルである。

このリースが優れているところは、コスト(料率)のみならず、契約期間と部分的追加/解約に自由度があるため、将来、必ず発生するシステムのアップグレードや入れ替えに際し、柔軟な選択を行うことができることにある。つまり、UNIQLOにとって投資保護と成長に応じた拡張という点で大きなメリットがあるのだ。

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では、このシステムは今後いかに成長していくのだろうか?

「現在、数字の把握など、販売のほうのシステムは思い通りのカタチになりつつありますが、モノづくり(製造)のほうも再度ビジネス・ロジックを見直し、製造小売業としての環境を整備していきたいと思っています。今はもともと目的としていた、会社全体がつながり販売に応じた生産調整が実現できるシステムに着手しているところです。もちろん、店舗にアンケートを取るなどの評価を行い、必要に応じて改善を行って定着率を高めることも行っていきます。」

今後も、UNIQLOは素材に徹底的にこだわった商品の提供、超大型店舗UNIQLO+(ユニクロプラス)の出店、さらには海外への出店など、あらゆる面で『世界品質』を追求し、積極的なビジネス展開を行っていく。グローバル・ブランドへと躍進するUNIQLOの革新的なビジネス基盤としての業務システムは、サンのソリューションが支える。


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