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2004年4月 引き締め戦略で競争力の維持を製造業は、競争力を維持し利益を上げると同時に、プロセス管理を改善することもできます。 製造業は今、サプライチェーンの管理や生産力の分散に関してあいまいな状態に置かれています。より高度で付加価値のある生産プロセスをもつパートナ企業や業者に外注することも競争力を維持するための一つの方法ですが、引き締めという戦略にも長年の実績があります。これは、景気の低迷期にはどんな業種の企業にとっても有効な戦略といえます。 経済が立ち直りつつあるのかどうか、本当に理解している人はおそらくいないでしょう。米供給管理協会(Institute for Supply Management、ISM)が2003年6月に発表した製造業景況指数によれば、製造業は依然としてどちらとも決めかねているようです。最近になって新規受注の指数が急上昇して好況側に転じ、50をわずかに超えましたが、同時に、顧客に売り渡した分に匹敵するほど大量の入荷を行うには至っていないことも読み取れます。 これは、需要に沸いていた前世紀末頃とはずいぶんかけ離れた状況です。
「3〜4年前には、適度な供給量を確保することに熱心でした。どの部門も急速に成長していましたから」 と語るのは、サンのサプライ管理および国際オペレーション戦略担当部長のKurt Doellingです。 現在では概して買い手市場が続いているため、製造業は用心深くなっているのです。 サプライチェーンコンサルタントRSC Consultingの社長Ron Crabtree氏は次のように述べています。「お客様は依然として価格と品質とオンタイムデリバリーについては厳しいです。困難な時代になると、人は期限を長く、配送時間を短くしたがるものです。」 MITの経営学教授でLeaders for Manufacturing(LFM)プログラムのディレクターも務めるDonald B. Rosenfield氏によると、製造業は、サプライチェーンの管理や生産力の分散に関してあいまいな状態に置かれているといいます。氏は、外注生産が続く傾向にあることを指摘しています。 「製造業は現在、より高度なプロセスでコアコンピテンシーを確立しているパートナ企業に外注を行っています」と同氏は語っています。 製造業では以前からコモディティ生産の外注を行っていましたが、今やパートナ企業や業者はもっと高度で付加価値のある生産プロセスを実施しているのです。 「しかし、これには限界があります」とRosenfield氏は主張しています。外注生産をうまく機能させるためには厳密な管理を行う必要があるといいます。「パートナ企業の工場へ出向いて、何がどのように行われているかをしっかり把握できる人がいなくてはなりません。」 海外との競争の結果 外注生産は製造業が海外に対しコストとの戦いを続けてきたことの当然の結果です。 海外の生産者が北米市場に最初に参入したのは20年以上も前のことでした。それらの企業は低コストで品質もよく、柔軟なプロセスをもっていたため、国内の製造業者はその差を埋めるべくあらゆる試みをもって応酬しました。初期には、労働力の弱さを補おうと豪華なロボットやセル生産方式を導入した企業もありましたが、そのうち多くの企業が無駄のない製造方法を取り入れるようになりました。この方法で重視されるのは、常に改良を繰り返すこと、ジャストインタイムの納入、労働者への権限付与、そして、在庫の削減です。 Lean Enterprise Instituteの創立者で社長でもあるJames Womack氏は、「大量の在庫を抱え込むと、結局は部品を陳腐化させることになってしまう」と述べています。 引き締めという戦略にも長年の実績があります。これは、景気の低迷期にはどんな業種の企業にとっても有効な戦略といえます。 ただしCrabtree氏は、「引き締め戦略は実際的にも破壊的にもなり得る」とも述べています。ぜい肉を落とすのと筋肉を落とすのは紙一重であるというのです。「一番簡単に切り詰められるのは、もちろん教育や人材育成です。しかしこれは、短期的には損益に大きな効果をもたらしますが、長い目で見れば企業に致命的な影響を与えかねません。」 トヨタが導入した新しい方法論 Crabtree氏はその代わり、トヨタが開発したバリューストリームマッピングという方法論を用いれば、限られた資金で最大の効果を上げられるのはどこかを判断できると指摘しています。この手法によって製造工程を分析することで、製品の性質や形状や特長を変化させるプロセスを、仕掛品から付加価値ステップへの単なる移行を行うプロセスや無駄を作り出すプロセスと識別できるのです。最終的な目的は、潜在的な機会を発見して無駄を省くことです。 Crabtree氏は、ある私有の印刷会社に関する最近のプロジェクトについて説明してくれました。その会社では、新しいプレス機に100万ドル投資するかどうか決めるにあたって実態調査の実施を望んでいました。 「バリューストリーム調査を実施したところ、印刷工程はボトルネックではないことが判明しました」とCrabtree氏は語っています。印刷工程ではなく印刷版作成の工程で渋滞が起きていることが明らかになったのです。この分析結果に基づいて戦略が変更され、印刷版作成に代わる新たな電子技術に投資することが決定されました。この会社ではリードタイムが半分に短縮され、その結果、保管スペースや在庫の大半が 不要となりました。 「今の経済では、企業自身が価格を決めることはできません。市場の要請で決まるのです」とCrabtree氏は言います。そして、製造業者はこれまで以上に無駄を探すことに気を配っていなければならないと指摘しています。「『世界的企業』という言葉は使い古された感がありますが、顧客に意識を向けることができるよう実行を改善するという考え方は、今後ますます重要になっていくでしょう。」
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