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2005年1月

買い物のストレスをなくすスマートカート

RFIDを使用した先進的な店舗内技術が、まもなくスーパーマーケットでの買い物のストレスを極限まで減らすでしょう。

「スマート(賢い)カート」とはよく言ったものです。スマートカートを使用すれば、消費者は買い物リストをスーパーマーケットに電子メールで送っておくことができます。店では、買い物客はただスマートカートを手に取り、お客様カードをカードリーダーに通して作動させればよいのです。カートには、顧客に合わせて、買い物リストと、目的の商品の売り場を示す地図が表示されます。小説や遠い未来の話のように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。世界中の店ですでに試験的導入が行われています。

近所のスーパーマーケットに買い物に行ったときには、誰しも次のような経験をしたことがあるのではないでしょうか。

やっと店に着いたと思ったら、買い物リストを忘れて来ていることに気づきました。妻が丁寧に書き出して、出かける時に忘れないようにと玄関のドアに貼り付けておいてくれたリストです。ベーキングソーダかベーキングパウダーが要るのだったか、ベビーパウダーだったか、思い出せません。もちろん、リストと一緒にしてあったクーポンも持ってきていません。

チリスパイスミックスが、2週間前に確かにあった場所にありません。広いジュース売り場でピーチアイスティーを見つけることができません。我が家で必要なものを苦労して思い出しては、欲しいものは見つからない、の繰り返し。このような状態では、顧客は購買体験に満足しているとはいえません。

スマートカートは、ドイツのノイスノルフから米国マサチューセッツ州のブレインツリーまで、世界中の店ですでに試験的導入が行われています。

ショッピングカートに半分ほど入ったところで、もう諦めて、あとはトイレットペーパーと牛乳だけを買って出よう、と思います。しかしそこでレジを見ると、せいぜい10点ほどの品を買おうとする客たちで長蛇の列ができています。嫌になって、必要なものは帰り道にある近所のコンビニエンスストアに寄って買い足すことにします。

当然コンビニエンスストアでは、牛乳とトイレットペーパーはスーパーより高くつきます。我が子のためのベビーパウダーも買えないでしょう。今夜食べたいと思っていたチリもスパイスがなければ諦めることになります。

このような人を始め、ほとんどすべての消費者に必要なのは、買い物を手助けするサービスです。サン・マイクロシステムズが先駆けて取り組んだ技術により、そのサービスがスマートショッピングカートという形でまもなく実現するかもしれません。

スマートカートの導入

スマートカート技術を使用すれば、消費者は買い物リストをスーパーマーケットに電子メールで送っておくことができます。店では、買い物客はただスマートカートを手に取り、お客様カードをカードリーダーに通して作動させればよいのです。カートには、カードリーダーのほかにタッチスクリーン画面もついており、顧客に合わせて、買い物リストと、目的の商品の売り場を示す地図が表示されます。カートは、その場で対象製品に値引きを適用したり、顧客が欲しいまたは必要と思う可能性のあるほかの商品を提案したりもします。(たとえば、ハンバーガー用のパンをカートに入れると、ケチャップ、マスタード、ピクルスなどは要らないかを尋ねます。)

カートはまた、目的の商品の売り場まで顧客を直接案内することもできます。たとえば、「ピーチ味のSnappleアイスティーは1本残っております。そちらにあるレモネード13本を左に少しずらしていただくと、奥にございます。チリスパイスミックスは精肉コーナーの棚に移動しております。奥様はベビーパウダーをご入用、ケーキを焼くおつもりではないですね。」というようにです。

また、店内どこででも個別注文が可能です。デリの注文をすれば、店内を見て回っている間に注文のものが作られ、容器に入れられて、でき上がった時にカートが知らせてくれます。そして、必要なものをすべてカードに積んで満足したところで、そのまますぐ店を出られます。すべての商品がカートに入れられた時点で集計され、店を出る時点で顧客のデビットカードに請求されます。

顧客はストレスなく楽しく買い物ができ、購買体験に満足します。顧客がスマートカートに勧められて初めて必要であることに気づいた商品も買ってくれるため、店舗側も満足です。また、顧客は、好みのブランドや実際に欲しい商品など、店が顧客の世帯に対する商品のマーケティングを行うのに使用できるような情報を進んで提供するようになります。

スマートカートの活用

スマートカートは小説や遠い未来の話のように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。ドイツのノイスノルフから米国マサチューセッツ州のブレインツリーまで、世界中の店ですでに試験的導入が行われています。

MSNBCによる最近の報告によれば、ボストン地域に展開するStop & Shopチェーンの店舗では、Shopping Buddyと名づけたスマートカートの試験サービスを実施し、成功裏に試験期間を終了しました。今後2005年初頭にはさらに20店舗で実施し、2005年末までにはStop & Shopの店舗とワシントンD.C.地域の姉妹チェーンGiantの店舗合わせてさらに150店舗増やす予定です。

Shopping Buddyに組み込まれた無線IC(Radio Frequency Identification、RFID)タグリーダーにより、同チェーンは消費者にピンポイントでの値引きやインセンティブを提供でき、買い物客は店内のどの商品でも見つけ出すことができます。

RFID技術では、バーコードの代わりに、無線送信機能を備えた、1ミリの3分の1程度の大きさのマイクロプロセッサを使用します。各RFIDチップのデータ容量は約2Kバイトで、タグが付された物体の店内の場所、価格、栄養価といった情報が格納されます。データはチップからRFIDリーダーに無線で送信されます。RFIDリーダーは、店のデータベースの情報にアクセスしてそれを顧客に対して表示することもできます。

小売システムコンサルタントであるAdam Adler氏は次のように語っています。「スマートカートはユーザーと小売業者双方にとって数多くの利点をもたらすものであることは明らかです。スマートカートによって、小売業者はこれまでお客様カードで収集してきた膨大な消費者購買行動データを収益につなげることが可能になります。最適な活用が実践されるのはまだこれからです。スマートカートでは、これまで収集してきたデータを、きわめてピンポイントに効果的な方法で活用することができるのです。」

「スマートカートによって収集したデータを活用して、在庫管理システムを最適化し、顧客が買いたがっている商品を需要が最大限に高まった時に確実に棚に並べることができます。」

スマートカートはプライバシーに関する不安を招くおそれがある、とアナリストは指摘しています。しかし、マーケティングコンサルタントであるNancy Edgerton氏は、カートが顧客データにアクセスして収集することに不安を抱くような消費者はそもそもお客様カードを使用しないだろう、と述べています。

Edgerton氏は次のように語っています。「プライバシーの問題については、2種類の消費者がいます。プライバシーを守るためなば特売のチャンスも見送るという消費者と、特別な値引きや限定販売その他のインセンティブを受けられるならば個人情報を渡してもいいと考える消費者です。後者のタイプは、前者のタイプより数が多いと私は考えていますが、すでにお客様カードという制度を気に入っていますから、スマートカートも気に入るはずです。前者のタイプはスマートカートの考えを好まないでしょうが、そうであれば使わないだけの話です。カートを作動させるにはお客様カードをリーダーに通すのですから、顧客には選択の余地があります。」

Edgerton氏は次のように続けます。「ほとんどの消費者がスマートカートの便利さはプライバシーの不安に勝ると判断するだろうと考えています。また、スマートカートが、多くの消費者がお客様カードの登録を行うことを後押しすると思っています。」

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