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2004年8月

シンクライアントに見るPOS端末の新潮流の兆し

POSシステムにPCを導入した小売業者もいますが、賢明な小売業者は、容易な保守と総所有コストの低減を求めてシンクライアントに目を向けています。

小売業における販売と顧客に関する情報収集は販売時点から始まります。高性能で低コストのPOS端末があれば、販売サイクルに関する情報収集が促進されます。そしてシンクライアントのPOS端末であれば、導入と保守が簡素化され、所有コストが劇的に削減できます。

2、3年前まで、小売業界各社は販売時点データ(Point-of-Sale、POS)端末にはさほど期待を抱いていませんでした。POS端末は顧客とトランザクションの情報を収集する目的にのみ使用するものであり、旧式の単純な緑色の画面の端末でも十分だったのです。

しかし、POSソリューションが本格的なビジネス情報システムに発展してくるにつれ、小売業各社は、単純な端末で高度なソリューションを動かそうとしても販売管理の向上は望めないことを認識し始めました。多くの小売業者が、個別のPCや端末に取って代わるものとして、シンクライアントシステムに目を向けています。シンクライアントシステムでは、ユーザーが各自のワークステーションで直接使用する必要なデータやアプリケーションは中央のサーバーから提供されます。

「小売店で、店員が端末から離れる時にうっかりログオフするのを忘れて店のシステムが開放された状態になっているのを見て、身が縮む思いをしたことが何度あったか知れません。」 - ネットワークコンサルタント、Evan Whiting氏,

一時期は、シンクライアントの活用はすべてのデスクに「ファットPC」を置くのに比べて大幅なコスト削減になる、と喧伝されました。しかしハードウェア価格の下落が続き、デスクトップPCのコストは以前ほど問題ではなくなりました。今では、シンクライアントの本当のメリットは、管理のコストと手間の削減、システムの安定性の向上、および総所有コストの低減にあると専門家の間で言われています。

全米大手小売企業数社のテクニカルサポートを担当するRobert Ferrarro氏は次のように語っています。「単純な端末のシステムは、それほどの仕事を処理しないので扱いも楽だと思われるかもしれませんが、実はレガシーネットワーク上のそのような端末の保守には大変な時間がかかるのです。先日数社の顧客で実際にあったことですが、税法上の変更箇所を入力するだけでも、ばかばかしいほどの時間がかかります。シンクライアントシステムでは、情報を一度入力すればそれで終わりです。」

ポータルサイト、最新のPOS製品、セルフサービス店舗、その他の先進的な顧客管理とカスタマサービスなどのソリューションを導入しようとする小売業者の間では、単純なPOS端末から、サーバーベースのデータセンターにバックアップされた高性能で使いやすいシンクライアントへの移行が急速に進んでいます。そのようなシンクライアントシステムでは、小売業務に使用される標準的な各種機器が完全にサポートされると同時に、スタッフがブラウザソフトウェアを介して在庫データベースや、顧客関連管理、財務、イントラネットポータル、電子メールなどのアプリケーションに容易にアクセスすることが可能になります。

シンクライアントで豊かな未来

Ferrarro氏は次のように語っています。「小売業者各社は、かつてはシンクライアントの導入に対して不安を抱いていました。ピークタイムにパフォーマンスが低下するのではないか、サーバーがダウンするとクライアントも一緒にダウンしてしまうのではないかと考えていたのです。そのような不安は5年前であれば的中したかもしれませんが、その時からコンピュータ、サーバー、ネットワークの技術は格段に進歩しています。高速なサーバーから独立して動くシンクライアントは、1台のPCや端末のソリューションよりも低いコストで、優れたパフォーマンスを発揮します。サーバーも今では、一度も再起動せずに長期間稼働し続けることが可能になっています。」

ネットワークコンサルタントとして企業に対し既存システムのアップグレードや増強にあたってどの製品やサービスを購入すべきかをアドバイスしているEvan Whiting氏も同様に、次のように語っています。「数多くの拠点を持ち、技術サポートスタッフが限られている小売業企業にとって、シンクライアントは大変望ましい選択肢です。また、システムの保守に多大な時間を費やしたくない比較的小規模な会社にとっても理想的な選択肢です。」

Whiting氏は次のように続けます。「シンクライアントはPCに比べてはるかに扱いが容易です。ウイルスに感染することはありませんし、システムが物理的に外部の目にさらされることが比較的多いという小売業者特有の問題に関しても、シンクライアントは基本的に閉じたシステムです。デバイスに手を触れることができる人でもシステムをいじることはできず、きわめて効果的なシステムアクセス制限を簡単に設定できます。小売店で、店員が端末から離れる時にうっかりログオフするのを忘れて店のシステムが通りがかりの人に開放された状態になっているのを見て、身が縮む思いをしたことが何度あったか知れません。」

シンクライアントの高度なセキュリティー機能には、Java技術ベースのスマートカードが採用されている場合がほとんどで、この機能により小売店スタッフは、どの店舗端末からでもパスワード入力によるログイン/ログアウトをせずに簡単にすばやくデータにアクセスできます。カードを最寄りの端末に差し込むだけで、システムが自動的にユーザーを認識します。

コンピュータセキュリティーのリサーチャーであるGeorge Gorski氏は次のように語っています。「パスワードにはその性質上の問題があります。真のセキュリティーが実現するほど複雑なパスワードであれば、それだけ扱いが面倒になり、人々は忘れてしまうか、そうならないようにする方法を考え出してしまいます。ほんの少しの間だけ端末を離れる時はログオフしないとか、パスワードを付箋にメモするといったように。スマートカードとシンクライアント端末のほうが、システムがアクセス可能であると同時にセキュアでなければならない小売業の環境に適しています。」

シンクライアントシステムへの移行

近ごろサンのSun Rayウルトラシンクライアントアプライアンスを導入した小売業者としては、Office Depot、Benetton、Sportsman's Warehouse、Baer's Furnitureが挙げられます。

フロリダ州南部で家具とインテリアを扱う、家族経営としては最大規模の小売企業であるBaer'sは先日、14か所のショールームの旧式POS端末を130台のSun Rayアプライアンスと18台の店舗内サーバーに置き換えました。新しいシステムでは、各店長がベンダーへの発注の確認、顧客との電子メールのやり取り、出荷のスケジュール調整、製品の詳細が記載されたオンラインカタログの閲覧を行うことができます。旧システムにはこれらのいずれの機能もありませんでした。

Whiting氏は次のように語っています。「小売業のコンピューティングに関する限り、間違いなくシンクライアントの時代が来ています。Sun Rayのような多彩な機能をフル装備したリーズナブルで堅牢なシンクライアントシステムにより、小売業者は、単純な旧式端末よりはるかに多くのことができるようになると同時に、PCベースのソリューションに必要となる管理の手間を省くことができます。」

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