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AdvancedTCAとSA Forum
通信業界の成長を促進するAdvancedTCAとSA Forum PICMGが発表した最新の仕様、Advanced Telecom Computing Architecture(AdvancedTCA)が通信業界で大きな話題となっています。これにはもっともな理由があります。サンの副社長、Raju Penumatchaが以下に説明している通り、PICMGのこの最新の仕様は、特に通信事業用の有線及び無線ネットワーク上の急増するデータ・トラフィックを対象とした、より高い能力を提供するものだからです。 相互運用性標準の活用 今日のネットワーク機器プロバイダの成功を左右するのは、顧客に多彩な広帯域サービスを迅速に提供する能力であり、市場の推進力となっているのはワイヤレスのブロードバンド・サービスです。このニーズに応えるため、PICMGがかつてないほどの努力を傾け、100社以上との協業により策定した仕様がAdvancedTCAです。 PICMGが目指しているのは、サービスの高密度化及び広帯域化と同時に、新しいサービスの開発期間を短縮し、展開コストを削減できる技術標準の策定です。AdvancedTCAやService Availability Forum(SAF)などの相互運用性標準を活用することにより、ネットワーク機器プロバイダ(NEP)は大手コンポーネント・ベンダーが提供するキャリア・グレードのCOTS(Commercial Off-the-shelf、汎用市販製品)を利用できるようになります。 しかしこれは、ほんの手始めに過ぎません。NEPにはやはり、AdvancedTCA標準に準拠した扱いやすいハードウェアによるネットワークを提供することが求められています。従来、全てのハードウェア・コンポーネントがそろってから、その管理フレームワークをNEPが開発するのに、丸一年、あるいはそれ以上を要していました。AdvancedTCAは物理的な相互運用性とデータの相互運用性については仕様を規定していますが、問題報告、システム診断、障害切り離し、システムの復旧、インベントリ管理、アップグレードといった、より広義の管理上の相互運用性に関しては規定していません。 AdvancedTCAの仕様は多くのハードウェア・ベンダーに門戸を開きますが、同時に、管理すべき新しいハードウェア・コンポーネントの数も非常に多くなるため、管理業務が大幅に複雑化することになります。幸いなことに、この問題に対してはSAFも取り組みを進めており、異機種が混在するマルチベンダー・ソリューションの管理を容易にするアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)の開発が進められています。SAFのこの標準はAdvancedTCA専用ではありませんが、SAF APIが完成したとき、これを採用する最初のアーキテクチャとなるのはAdvancedTCAであると思われます。大量のAdvancedTCA機器がNEPに採用されるようになった時点で、SAF APIが導入されるでしょう。 SAF Hardware Platform Interface(HPI)と呼ばれるSAF APIの最初のレイヤはすでに完成しています。この他に、完成間近のSAF Application Interface Specification(AIS)、現在策定作業中のSAF System Management Specification(SMS)があります。これらは、NEPがAdvancedTCA準拠のコンポーネントを使用したマルチベンダー・ソリューションを開発する上で欠かせないものです。 AdvancedTCAとSAFがもたらす大きな可能性 AdvancedTCAとSAFの市場規模はどれほど大きいのでしょうか。現在、通信市場では次のようなビジネス・チャンスが期待されます。
しかもこの市場は巨大です。とりわけ、第3世代ネットワークへのアップグレードを考えると、ワイヤレス・インフラストラクチャは新しいAdvancedTCAシステムにとって最大の市場領域のひとつになると期待されます。控え目に見積もっても、AdvancedTCAシステムの市場は2008年までに数十億ドルの規模になると予想されます。なぜなら、新しいワイヤレス・サービスに対する需要も大幅に伸びているからです。 AdvancedTCAとSAFを活用した主要サービス 利用者が急増しているサービスのひとつに、Voice over IP(VoIP)があります。Morgan Stanleyが先ごろ、225社のCIOを対象に行った調査によれば、企業のITの中でワイヤレス・インフラストラクチャとVoIPの優先度が高まっており、上位6位内にまで浮上していることが分かりました。しかもこれは、企業が関心を寄せる数多くのワイヤレス・ブロードバンド・サービスの1つにすぎず、この他にもコミュニケーションの統合、インスタント・メッセージング、プレゼンスなど様々なサービスが注目を集めています。 AdvancedTCAプラットフォーム上にトランスポート、制御、及びサービス・ネットワーク・エレメントを実装するプロバイダも続々と登場してくるでしょう。AdvancedTCAを対象とした第3世代ワイヤレス・アプリケーションの好例が、無線ネットワーク制御装置(Radio Network Controller)です。これは無線伝送装置(セル・タワー)と、Gateway GPRS Support NodeやServing GPRS Support Nodeなど、通信事業用ネットワークのコア・ネットワーク・エレメントとの間のトラフィックを制御するものです。 前述の通り、ソフトスイッチやVoice over IPなどをはじめとするIPテレフォニー・アプリケーションも、AdvancedTCA技術に適しています。通信市場にとっては、まさに活気にあふれた新しい時代の到来であり、AdvancedTCA標準の進化とともにビジネスの機会が無限に広がっていきます。 AdvancedTCA及びSAFの利点 通信業界にこのような成長と需要の可能性が存在する今、NEPと通信事業者にとって、次世代の新しいワイヤレス・ブロードバンド・サービスを提供できる能力が必須となっています。この点を踏まえ、AdvancedTCA仕様及びSAF APIは、2つの強力な利点を提供します。1つは、AdvancedTCAにおいて、従来の機能的な限界が克服され、次のようなサポートが可能であるという点です。
2つ目は、SAFにより、それらコンポーネントのエコシステムを単一のサービス・デリバリ・ソリューションとして管理できるようになるという点です。 COTSの価値 ほとんどのネットワーク機器プロバイダと通信事業者は、長年に渡り、COTSを使用する戦略への移行を進めてきました。かつては多くのNEPが独自製品を開発していましたが、この開発には多大な時間とコストがかかり、市場投入までに長い時間もかかるため、投資回収率を低下させていました。さらには事業者の競争力の低下をも招いていました。 すぐに利用可能なCOTSプラットフォームを活用すれば、開発期間の短縮と開発コストの削減につながり、異機種混在アーキテクチャの管理に充てる時間やコストを増やすことができます。SAFにより、NEPはようやくCOTSコンポーネントの利点を実現できるようになるのです。 AdvancedTCAベンダーの選択基準 現在、AdvancedTCA準拠システム及び製品の提供を予定している企業は、かなり多数にのぼります。AdvancedTCAのエコシステムが急速に進化しているこの時期に、適切なソリューション選択の鍵となるのは、通信市場に包括的なプラットフォームを提供してきた有力な実績を持つベンダーに目を向けることです。そのようなベンダーは、新興の技術標準を活用して信頼性に優れたスケーラブルなプラットフォームを提供してきた経験を持っています。 そのようなプラットフォームは、OEMやシステム・インテグレータが容易かつ迅速に自社のプラットフォームに統合でき、また自社のアプリケーションと統合して高可用性ソリューションとして提供できます。これらのソリューションが、通信市場、とりわけワイヤレス分野で求められる高いセキュリティ機能を備えたキャリア・グレードのオペレーティング・システムに加え、優れた管理機能など、柔軟性と互換性に優れた拡張性を提供します。 結論 AdvancedTCA及びSAFの仕様が、新しいサービスをより迅速に低コストで提供しようと模索する通信業界に新風を吹き込んでいることは間違いありません。NEP及び通信事業者にとって最適なサプライヤとは、基礎としてAdvancedTCA及びSAF標準に準拠し、さらに統合された付加価値モジュールを堅牢な基礎の上に追加して、開発サイクルの短縮化と開発コストの削減を図るサプライヤです。 これらの新しい製品は、高速ネットワーク・ファブリックや次世代の高性能プロセッサなどの最新技術を支え、より高い信頼性、管理の容易性、より充実したサービス機能を実現します。同時に、サービス提供についてもライフ・サイクル全体に渡り容易な保守管理を可能にします。これらの利点が、拡大しつつある業界に新たな利益創出と成長の機会をもたらします。進展を続けるAdvancedTCAとSAFに注目すれば、通信業界の未来がどこに向かっているのかを正確に見てとることができます。 Raju Penumatchaは、サンのスケーラブル・システム・グループでNetraシステム及びネットワーキング・グループを担当する副社長です。1988年にサンに入社以来、RajuはNetraシステム及びネットワーキング・グループがサンのプラットフォームにネットワーキング技術を提供する部署として創設されたごく初期の頃から、同グループの成長に多大な貢献をしてきました。 同グループにより、サンは90件以上の特許を取得しました。Rajuが力を入れているのは、通信/NEP市場向けの新世代Netraサーバの開発です。Rajuは、サン入社以前はHewlett-Packard及びIntelにおいて技術職を歴任しました。インドのバンガロール大学において電気工学士号を取得、及びミシガン大学アン・アーバー校においてコンピュータ工学修士号を取得しています。 | ||||||